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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2005/2/22
http://www.asanoshiro.org/                  第181号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○全国知事会の会長選出(浅野史郎)

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 ○全国知事会の会長選出(浅野史郎)

 2月17日、全国知事会の会長に麻生渡福岡県知事が選出された。梶原拓
岐阜県知事が、知事を退任し、それに伴って会長を辞任した。その後を受け
ての新会長選出である。

 梶原前会長は、「闘う知事会」を標榜して、全国知事会を文字通り闘う集
団に変質させた。その布石は、岐阜県高山市で開催された2003年7月の
全国知事会議で打たれた。ホスト県である岐阜県の梶原知事が「闘う知事会」
を掲げて、我々知事仲間を迎えた。その際の知事会の議事も、国の補助金付
きの施策として廃止すべきもののリストを知事会として作成しようというこ
とを決めたり、これまでとは様変わりの内容であったのを思い出す。同時に、
知事会の会長選出をこれまでのような話し合いではなく、選挙で決めようと
いうことも確認された。言い出しっぺの一人として感慨深い。

 会長選出規約改正後の最初の会長選任の機会には、梶原拓岐阜県知事以外
に立候補者がおらず、結果的には選挙なしで新会長が決まった。そして今回。
増田寛也岩手県知事と麻生渡福岡県知事の両名が立候補したので、全国知事
会始まって以来の出来事として、選挙による選出となった。

 三位一体改革が本来の趣旨とは大きく違った形で一応の決着を見た後を受
けて、全国知事会としては、ここからは苦しい戦いを強いられる。しかし、
何としても闘い抜かなければならないし、成果を上げなければならない。大
変な難行苦行である。それをまとめる全国知事会の会長職の大変さは、47
都道府県の知事みんながよくわかっている。今の時期に会長になるのは、火
中の栗を拾うようなもの。梶原前会長の心身をすり減らすような苦労を近く
で見ていた者としては、誰がやるにしても「ご苦労様、申し訳ない」と言っ
てお願いするような性格のものと認識していた。

 私自身は、知事として今年の11月までの任期である。会長になる資格が、
始めからない。その立場を利用してということになってしまうが、ある意味
では、自由な立場である。候補者を担ぎ出す役割にふさわしいのではないか
と、勝手に思い定めた。候補者としては、会長としての適格性もあるが、そ
れ以上に気になったのは、「受けてもらえるか」であった。そのどちらにも
叶う候補として、私は増田寛也知事しかないと思い当たった。

 西のほうでは、麻生渡福岡県知事の名前が上がっていた。増田知事の名前
が出るのが一足遅れたということが、結果に影響あったのかどうかはわから
ない。いずれにしても、二人とも申し分ない候補であり、選挙結果も予測が
つかない状況であった。

 この状況が、マスコミをはじめとする関係者の関心を大いに高める結果に
なった。連日、知事会の会長選びの報道がなされた。増田知事の推薦者代表
になっていたので、私のところにも取材が相次いだし、他の知事たちにも
「誰に投票するのか」の取材が殺到し、取材合戦の様相を呈したはずである。

 加熱気味と思えることもあった報道であるが、興味本位とばかりは言えな
い。高い関心を呼んだことは、いいことである。2月17日の全国知事会議。
投票当日も、会場は報道陣でごった返すほどであった。そういう中で、厳正
に投票が行われた。千代田区から借りてきたという投票箱、投票記入台。私
も含め3人の知事が投票管理者を務める念入りな手法。初めての選挙の重み
をいやがうえにも感じさせるような仕掛けが整っていた。

 何よりも、冒頭に両候補の所信表明がなされたのがよかった。増田知事が
言っていたが、「こんな場面があるとは、以前なら想像もできなかった」と
いうものである。知事会は本当に変わったということを見せつける瞬間で
あったし、こういった所信表明の直後に選ばれる新会長は、すぐその日から
全力で自信をもって会長職を務めることができる。

 組織のリーダーを選ぶプロセスの正当性が、リーダーに正当性と求心力を
与え、その組織に力を与える。その意味では、正当な選挙を通じての会長選
びで、全国知事会はますます強い組織になっていくのは当然である。選挙の
結果としては、私の推した増田知事が19対27で負けたので残念ではある
が、選挙ができたこと自体には、心の底から満足している。素晴らしいこと
であったと思うと言えば、自画自賛にも聞こえるだろうがあえて言う。

 麻生新会長を全力で支えたいと思う。梶原前会長が述懐していたように、
全国知事会の仕事をフルタイムではできない立場の47人の知事である。そ
れぞれの県政にほとんどの時間と精力が注ぎ込まれる。その中で、三位一体
改革ならぬ地方財政自立改革を進めていくことは、実に骨の折れることでは
ある。しかし、やらなければ未来は開けない。新会長選出に際して、そんな
ことを考えている。

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 国と地方との関係を、地方から創っていく。政府と自治体が両輪となって、
動き始めることを期待しています。
 
 それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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