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シローの走り書き

走るクマ

今年はどうなる

2006.1.3

 「今年はどうなる」というのは、今年の政局、ポスト小泉はどうなるのかとか、今年の経済、デフレ基調からの回復は本格化するのかとか、社会保障の見直し、地方分権の進展はどうなるのかといったことだろう。評論家的に、そんなことを論じるような気持ちにならない。むしろ、個人的に「今年はどうする」というのが、年頭にはふさわしいのかもしれない。

 今年は、私にとっては、新しい挑戦の年である。昨年11月に知事を辞めて、新しい生活に入ったのだが、さまざまな可能性を求めての転身という気持ちが強くある。引き続き宮城県社会福祉協議会会長の職をしっかり務める。船形コロニー解体宣言に基づき、2010年を目標に、入所者の地域移行を着実に進めていく。親の会などには、不安があるようであるが、地域移行の実態を自分の目で確認していただければ、ご理解、ご支援をいただけはずである。職員は、解体宣言の哲学と方法論に自信を持っている。あとは、地道な実践のみとなる。

 昨年4月にいきいき財団、福祉事業団と社会福祉協議会が統合して、新生宮城県社会福祉協議会が発足した。施設福祉から地域福祉へという流れを、現場レベルで着実に進めるためには、市町村に力をつけなければならない。その際に、重要な役割を果たすのは、市町村社会福祉協議会である。それを支援し、指導するのが、県の社会福祉協議会に期待されており、今年はその期待にしっかりと応えるべき年となる。

 介護保険法の改正において介護予防が重視されている。障害者自立支援法が、この4月に施行される。精神障害者が支援対象に入ってくるが、市町村の中には、どう対応していいかとまどいを覚えているところも少なくない。ここも、県社会福祉協議会の出番である。

 4月からは、慶応大学湘南藤沢キャンパスの総合政策学部教授として教壇に立つ。週二回4コマは教えることになるので、結構大変な負担ではある。昔からやりたいと思っていた仕事ではあるので、わくわくしている。知事仲間であった北川正恭早稲田大学教授は、アカデミズムでは先輩である。経験がない部分は、先輩教授に教えてもらいながら、最善を尽くすつもりである。

 知事は辞めたが、地方自治の発展に賭ける想いは変わっていない。道半ばの地方分権、三位一体改革の第二期改革をなんとしても進めなければならない。具体的な運動は、北川正恭教授などと一緒にやっていくことになるだろう。

 この分野に限らず、マスコミなどを通じての言論活動も大いにやっていきたい。意見開陳の場を確保しておくことは、いろいろな意味で重要である。そんな足場を築く年にしていきたい。  「今年はどうなる」については論じる気持ちにならないと言いながらも、日本の進むべき方向については、気になるところ大である。この「走り書き」でも、これまで同様、考えるところを文章にまとめることは続けることになろう。

 そして、走ることは、当然ながら、続ける。フルマラソンにも挑戦してもいいかなと思っているのだが、諸条件が整わないと無理。秘かな夢として暖めていきたい。いずれにしても、健康で、元気一杯一年を過ごすことができれば、それ以上望むことはない。



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