浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

 

2008年NO.5 VOL.37
公益法人

《巻頭言》執筆原稿から

まじめに地道に

 道路特定財源の議論が景気になり、国土交通省所管の道路関係の公益法人がとんでもないお金の使い方をしていることが、明らかになった。道路特定財源で丸抱えの一泊9万円の社員旅行、インターネットからの引用が大部分で3冊9,000万円の研究成果、役所からの委託事業を民間団体に丸投げして手に入れる多額の手数料。こういったことが、道路特定財源という便利な財布から、公益法人にふんだんに流れていく財源で可能になっている。

 槍玉に上がった公益法人の役員の大半は、軒並み国土交通省からの天下りであり、役員報酬は仕事に見合わないほどの高さである。私が会長をしている社団法人フィランソロピー協会など、役所との関係が薄い公益法人の財政はとても厳しい。役員報酬などゼロか、無いに等しい状態である。どちらが公益のためになる仕事をしているのかなどと野暮なことは言わないが、大きな違いがあることだけは確かである。

 嫉妬がらみで議論しているのではない。役所から多額の補助金や委託料を受けて、天下り役員がのんびり仕事をしている公益法人がある一方で、財政難、それによる人材不足で汲々としながら頑張っている公益法人がある。どちらも同じ公益法人という扱いを受けるのはおかしくないか。せめて「公益」という名を冠しているのであれば、すべての公益法人とそれに関わる人たちは、まじめに、地道に公益を追求して欲しいというのが、今のところおおおの私の精一杯の叫びである。


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