宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

私の政策

誰にも誇れる、美しい品格のある、
真に豊かなみやぎを目指して

基本姿勢

<総論>

 宮城県の財政が危機に瀕している状況の中で、財政再建は最も重要な県政の課題です。自治体にとっての破産を意味する、準用財政再建団体への転落は、どんなことがあっても回避しなければなりません。そのために、歳入、歳出の構造的改革を行うとともに、外郭団体を含めた県庁関係組織のありかたを徹底して見直します。平成14年度から17年度までを財政再建の実施計画期間として、この期間内に財政再建の確たる道筋をつけます。私が知事をやっている限りは、宮城県が準用財政再建団体に転落するという事態は絶対に招きません。こういったことで、とにもかくにも、財政の健全化を図ることを約束します。同時に長引く景気低迷の中での雇用情勢の悪化に対応するため、宮城版セーフティネットとも言うべき緊急雇用経済対策を実行していきます。

 日本全体として、政治的にも、経済的にも閉塞感が漂う状況の中で、なんとしても地方が元気を出さなければなりません。元気の素は地域全体としての誇りと自信であり、県政で言えば、宮城県が独自の発想と方法論で施策を進めていくことによってもたらされるものと考えます。

 次の4年間に、「宮城県発」の全国のモデルになるインパクトのある施策を、それぞれの行政分野ごとにで最低3項目は打ち立てます。全国に自慢できる施策を新たに作っていくという努力の中で、県庁組織としても誇りを取り戻すことができます。

 その際の障害になるのが、制度としての中央集権です。権限と財源が中央政府によって相当程度統制されていることによって、県政を進める際の自由な裁量の余地が狭められています。県庁職員のほうも、長い間の中央と地方との関係に縛られた中央頼みの思考方法と行動様式から脱却できていない状況にあります。

 こういった状況を変革しなければなりません。変革の趣旨は、国と地方との権限争いや財源の取り合いではありません。納税者の思いが税金の使われ方に直接反映できるようなシステムを構築しなければならないということです。「地域から変わる日本推進会議」、「国と地方の税制を考える会」などの場では、志を同じくする知事達が、真の意味の地方分権の実現のために具体的な提言を行おうとしています。21世紀初頭のこの時期に、制度の根幹に関わる部分も含む改革の処方箋を、同志の知事とともに提出したいと思います。

 県として地方分権を求めるだけでは不充分です。地方自治の最先端である市町村への権限・財源の移譲を同時に進めるべきことは、県として努力すべき当然の方向です。市町村合併は、基本的には住民の意思で決められるべきものですが、県としても積極的に関わり、県南、県北最低1ヶ所の合併は実現したいと考えています。市町村合併を促進しながら、市町村の行政の足腰の強化を図り、県からの権限と財源の大幅な移譲を行います。

 地方分権を進めることは、宮城県に「ほんものの民主主義」を根づかせるために必要なことです。行政まかせ、中央まかせ、他人まかせの「おまかせ民主主義」ではなくて、一人ひとりの県民が県政への関わりを持ち、納税者としての主体的な判断が生きるようなシステムとしての民主主義がみやぎの地にしっかりと根を下ろさなければなりません。知事としての大事な仕事の一つが、ほんものの民主主義を育てていくことであると考えています。

 そのための方策として、NPOとの協働と情報公開をさらに進めて行きます。特に情報公開については重要な情報はすべて、わざわざ情報開示請求の手続きをとることなく、県庁のほうから広く、すばやく、分かりやすく、県民に対して積極的に提供するルールを確立します。

 情報公開は、県議会との間においても意識されなければなりません。お互いに情報を共有した上での自由な討論を経て、言葉の真の意味での「是々非々」の関係が成り立つ県議会であれば、なれあいではなく活発な議論が展開されることになります。まさに、ほんものの民主主義の実現です。

 また、目の前のことだけでなく、宮城の百年後を見越したビジョンを構想することも、この時期に大切です。国内の知恵と県庁の知力を結集して「みやぎの100年ビジョン」を検討する作業に着手します。21世紀の冒頭、厳しい状況に置かれている宮城県にとって、その厳しさを乗り越えて明るい未来を展望することが、今強く求められていると確信します。

 こういったことを通じて、誰にも誇れる、美しい品格のある、真に豊かな宮城県を県民の皆様と共に作って行きます。そういう思いで、これからの4年間、知事としての仕事をしていきます。

 実行する政策については、次の各論に示す「21世紀型豊かさの実現」、「みやぎらしい教育の確立」、「ものづくり産業の再生」、「個性ある地域づくりにより郷土自慢を」、「県財政の再建と県庁改革の徹底」の5つを基本政策として積極的に取り組み、豊かさ実感みやぎを実現していきます。


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より詳しくは、以下の「基本政策の具体的な内容」をご覧ください。

基本政策の具体的な内容


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