浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎から

2009.7.21

 成人T細胞白血病という病気で、6月4日に東京大学医科学研究所に入院してから、1ヶ月半が過ぎました。病気は大変ですが、この病院は医療機関としてとてもいいところで、ゆったりと安心して治療を受けられることが、とても気に入っています。病状と治療法について、丁寧にわかりやすく説明してくれる医師団です。医師は、一日に何回か、病室にいらして、患者の状況をきっちり把握してくださいます。看護士さんたちも、とても親切。忙しさにまぎれて、バタバタとするということはありません。うがいと手洗いの励行などを求めますが、免疫力が落ちて感染を予防することがとても大事なことですので、患者にとっては、ありがたい注意です。

 私の病気は、珍しいといえば、珍しい病気で、一般の関心も知識も低かったのですが、たとえば、7月18日(土)の朝日新聞朝刊の「ニュースがわからん!」で、ATL(成人T細胞白血病)のことが、解説されています。「ウイルス感染する白血病があるの? 母乳でうつり、50年ほど後に3〜5%発症する」とあります。こうやって紹介されることによって、この病気の予防策が進むことが期待されます。

 治療のほうは、順調に進んでいます。抗がん剤投与を3クールやったところで、骨髄移植(ミニ移植)をすることになるのですが、抗がん剤投与の2クール目の第2回目が22日(水)になされるという段階です。抗がん剤の効果は、副作用も含めて、すべて予定どおりです。第2クールが終わるあたりでは、今、少し残っている髪の毛も、全部抜けるのだろうと予想しています。

 並行して、骨髄移植のドナー探しがされています。私の白血球の型(HLAの型)と、ある程度、合致している候補者が何人かいらっしゃることは骨髄バンクの検索で分かりました。その中から、できるだけ遺伝子レベルまで合致する人で、実際にドナーになってもいいと言ってくれる人が出てくることを期待しています。抗がん剤投与の第3クールが終わるまでには、みつかってくれるといいのですが、実際には、骨髄バンクのコーディネーターの方がやっていらっしゃることで、私としては、状況がわかりません。  ということで、入院生活は長くなりましたが、すべて順調に推移しています。この「夢らいん」を通じて、多くの方々からのお励ましもいただいています。とてもありがたく思います。この欄を借りて、感謝申し上げます。

 


2009.7.11

 6月4日の入院以来、成人T細胞白血病の治療を受けています。抗がん剤投与の化学療法は、4週間が1クールということで、毎週1回、3週間連続して投与を受けます。3回目の投与は、3日連続なのですが、それが7月2日に終わりました。その時点で、白血球数、その中でも、免疫をつかさどる好中球数が最低レベルになります。この値が500を切ると、普通の病室から、細菌を極力抑えた準無菌室に移動になることは、事前に聞いていました。私の場合も、好中球数が500を下回ったので、7月7日から1週間の予定で準無菌室に移動になり、この時期に最も警戒が必要な感染症罹患を回避することになりました。

 幸い、好中球数の立ち上がりが早かったので、7月13日には、普通室に戻ることになります。すぐに、第2クールの治療が開始されます。第3クールが終わったところで、転院して骨髄移植(ミニ移植)を受ける段取りです。私の白血球の型(HLAの型)と基本的なところで適合している骨髄バンク登録者の候補者の中から、実際のドナーを選定するという作業が、現在、並行して行われています。

 ということで、順調に治療が進んでいます。病室の中だけの生活ですので、現在の混迷する政治状況などは、文字どおり、別世界の出来事のように眺めています。それもあってか、精神状態は、極めて安定しています。多くの方々からのお励ましの声を自分の力として、これからも厳しい戦いに臨むことにしています。 


2009.7.1

 6月4日に、東京都内の病院に入院しました。前日は、慶応大学での授業をするぐらいですから、自覚症状がまったくない中での入院でした。病気は、ATL(成人T型細胞白血病)で、本格治療を受けることになりました。

 熱心で経験豊富な医師団のいる医療機関で、最高水準の治療を受けているという信頼感が持てています。まずは、化学療法(抗がん剤の投与)でがん細胞を叩き、一定以下になったところで、転院して骨髄移植を受けるという予定で、治療が進んでいます。厳しい戦いとは言えますが、勝てる戦いだし、戦いがいがあります。  ということで、これまでのところ、順調に治療が進んでいますが、抗がん剤投与が進むと、免疫力が極端に下がります。この時期は、感染症にかかることが命に関わりますので、面会は制限されます。

 全国各地から寄せられる励ましの言葉が、大きな勇気を与えてくれます。厳しい戦いを一緒に戦ってもらっているという気持ちにさせられます。感謝、感謝です。

 頻繁にというわけには、いかないかもしれませんが、今後とも、このスペースで随時報告をさせていただきたいと思います。

 

 


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