浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004/10/5
http://www.asanoshiro.org/ 第161号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> ＜＜目次＞＞ <
[週刊コラム・走りながら考えた]
○「イチロー選手の快挙」（浅野史郎）
[読者のみなさんから]
○メルマガ読者、みなさまからのご感想などを掲載しております。
[お知らせ]
○メルマガ登録者募集中です。
____________________________________________________________________
> [週刊コラム・走りながら考えた] <
○「イチロー選手の快挙」（浅野史郎）
大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手が、地元シアトルのセー
フコ・フィールドでの対テキサス・レンジャーズ戦で、年間２５７安打の大
リーグ記録を８４年ぶりに更新する２５８本目のヒットを打った。日本時間
では１０月２日（土）の昼前。私は仕事で移動中のため、衛星放送での実況
中継は見ることができない。結局、公用車の中でラジオを聴いて、記録達成
のニュースをほぼリアルタイムで知ることになった。そのあとのＮＨＫテレ
ビの昼のニュースは、当然ながら、このニュースがトップ。快挙の瞬間の映
像を見ていたら、自然に涙が出てきてしまった。
３試合を残して、記録まで１安打、新記録まで２安打ということだったの
で、いずれ達成はまちがいないという気持ちと、最後の最後になったら、緊
張感に押しつぶされて、ノーヒットが続くかもしれないという心配と、半々
であった。しかし、本拠地に戻ってきた３連戦の初戦で、きっちりと記録を
達成してしまった。すごい、すごい、すごい・・・・。この言葉をあと百回
ぐらい書き連ねて、この文章を終わってもいいほどだが、そうもいかない。
この歴史的快挙を書き残しておく義務があるような気がする。
イチロー選手の快挙の前日には、中日ドラゴンズがセリーグ優勝を決めた。
就任一年目の落合監督の手腕が高く評価されている。たくみな選手掌握術も
あるが、私が感動し、感心したのは、ストライキ騒動の時に、井端弘和選手
会長に申し渡した内容である。「選手会として、徹底的に戦って来い。優勝
や日本シリーズがなくなってもかまわない。世の中には、それ以上に大切な
ことがある」。「リーダーとしての揺るがない座標軸だ。」と、朝日新聞編
集委員の西村欣也さんが書いている。（平成16年10月2日 朝日新聞）
イチロー選手の野球哲学も傾聴に値する。単に野球の技術が高いだけの選
手ではない。プレーを自分が楽しみ、お客さんにも喜んでもらう。試合に勝
たなければ意味がないという考え方を超越している。
こんな選手が日本の野球界から生まれたのである。そのことに、深い感動
を覚える。打撃だけではない。守備、特に肩の強さとスローイングの正確さ
は、他の追随を許さない。その面でも見せる選手、魅せる選手である。今シー
ズンのシアトル・マリナーズは、シーズン当初から最下位に低迷。観客はイ
チロー選手を見るためだけに来ているように思うこともあっただろう。興行
的なことを考えれば、イチローの貢献はとてつもなく大きい。
２００１年にイチロー選手がアメリカに渡って時には、あんなひ弱な体格
の選手が、一体大リーグで通用するのだろうかと、本気で心配されたのだか
らおかしい。日本の野球評論家でも、そんな論評をする人がいた。それがど
うだろう。通用するどころではない。行ったその年に、首位打者、最優秀選
手である。この時も、日本中に勇気を与えた。日本人として誇りに思うとい
う声があふれたのである。
今回のイチロー選手の歴史的快挙については、いろんな人がいろんなこと
を言うだろうから、それが私の耳にたくさん届いてしまう前に書いてしまわ
なければならない。私なりの感想。
記録達成が目の前にぶら下がるようになってからの態度がすごい。いつも
と変わらない態度がすごいということ。平常心を持てと言われても、とても
無理。これができたのは、プレッシャーそのものを楽しんでいたからだと思
う。この才能は、打撃に関する才能以上にすごいのではないだろうか。
大リーグに限らず、野球人気はますます高まるだろう。大リーグのレベル
は段違いだ、それに比べて、日本のプロ野球のレベルはとても低いと言う人
がいないわけではないが、本当にそうだろうか。「通用するかどうか」と言
われたイチロー選手が、８４年の大リーグの歴史を塗り替えてしまったので
ある。技が力を上回るということもある証明と言える。松井秀喜選手がヤン
キースの４番を打ち、３０本以上のホームランを達成しているのである。日
本のプロ野球のレベルが低かったら、彼らがこれほどの活躍ができるはずが
ない。むしろ、対等になったと喜ぶべきではないか。
「たかが選手」、それもたった一人の選手が、全世界にこれだけの感動を
与える。「たかが野球」とさえ言わせたくない。大リーグ選手の中では、小
柄なほうから数えたほうが早い選手が、８４年の歴史を超える結果を出す。
これが野球の醍醐味であろう。
新球団が宮城県を本拠地にして参入するかもしれないという状況の中で、
野球人気が、少なくとも短期的には大いに盛り上がることはうれしいことで
ある。野球は見る者を感動させる。地元として応援するチームがあれば、さ
らに熱狂する。その意味でも、イチロー選手、ありがとう、あんたはエライ
ともう一度大きな声で叫びたい。
____________________________________________________________________
> [読者のみなさんから] <
○メルマガ読者、みなさまからのご感想などを掲載しております。
当メルマガには、皆さんからたくさんのご感想をいただいております。そ
の皆さんの声の一部を掲載しております。
＜syoitiさまから：“続・プロ野球の再編”について＞
始めまして。
私は新潟県人ですが仙台にライブドア、楽天が手を挙げました。
その後がどうなるか強い関心を抱き浅野知事のホームページを探し、応援
したいと思った次第です。
将来の道州制を念頭に東北地方にプロ野球２チームができないかという思
いがします。どちらか一方というのは夢がないですね。
※お寄せいただくご意見は、当方の判断で掲載させていただく場合がありま
す。基本的には削除、変更なしといたします。掲載不可のご意見の場合は、
投稿の際にその旨明記していただくと助かります。また、ペンネームでの
掲載をご希望の方もその旨を明記いただきますよう、お願いいたします。
ご感想・ご意見は mmz@asanoshiro.org まで
____________________________________________________________________
> [お知らせ] <
○メルマガ登録者募集中です。
多くの皆様に浅野史郎の「生」の声を届けたいと思っております。
お近くにご紹介いただければ幸いです。
登録ページはこちらです。
http://www.asanoshiro.org/news/mmz.htm
____________________________________________________________________
> ［編集後記］ <
プロ野球の再編に関して、たくさんのメールをいただいております。宮城
県内をはじめ、本当に全国から集まっています。
皆さんとハラハラしながら、後一月待つことになります。仙台に球団がで
きた暁には、読者の皆さんと一緒にスタンドで応援したいですね。
それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 （一馬）
皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。
メールアドレス mmz@asanoshiro.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
浅野史郎メールマガジン http://www.asanoshiro.org/
発行：浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬 |
