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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003/12/30
http://www.asanoshiro.org/                  第121号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「2003年を振り返って」(浅野史郎)

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 ○「2003年を振り返って」(浅野史郎)

 メルマガを始めてから、これが3回目の年末になるが、この時期に「振り
返って」というのを書くのが恒例になった。恒例にしたがい、今年も振り
返ってみる。

 これまた恒例の、「県庁職員への年末のあいさつ」の中で、今年は災害の
一年だったということを話した。5月26日の三陸南沖地震、一日のうちに
震度6以上の揺れが3回もあった7月26日の宮城県北部連続地震、そして
夏の異常気象による冷害。いずれも、人命に関わる被害はなかったが、財産
的被害は極めて大きなものであった。先日、12月25日に、北部連続地震
の被災5町を視察したが、地震災害の爪あとは表面上はなくなったものの、
仮設住宅に暮らす方々にとっての将来の不安はなくなっていないことを改め
て認識させられた。

 米の作況指数69、10年ぶりの冷害に見舞われた年であった。宮城県で
この夏を過ごした実感としても、暑くてかなわないといった天気の日は、ほ
とんどなかった。梅雨がいつまでも明けないうちに、カレンダーの上だけの
夏が来て、そのまま秋になったという感じ。日照もほとんどない気象条件の
中で、お米があれだけの被害で済んだほうが不思議なくらいである。

 仕事の上のことでは、各方面とぶつかり合うことが多かった一年であった。
3月と7月には、副知事人事案件が県議会で否決された。犯罪捜査報償費に
関して県警に対する監査を要求するなど、県警とは見解を異にする場面も多
かった。三本木町に計画していた保健福祉医療中核施設である、総合リハビ
リテーション・センターなどの施設群の建設中止を発表し、地元からも、県
議会からも反対の声が上がった。そして、緊急経済産業再生戦略の財源の一
部にあてるための県職員の給与削減に関しては、組合との交渉がまとまらず、
越年してしまっている。

 私とすれば、いずれも、信念をもって決断したものであるが、問題がむず
かしいだけに、すんなりと認めてはもらえないという構図である。反対され
たということだけでマイナス評価をすべきものではないと、自分にも言い聞
かせているが、さすがに、気力・体力を総動員しなければ、めげてしまうと
ころである。好んで対立構図を作っているわけではないが、そうは見ないむ
きもあるのは、仕方のないところなのだろうか。

 いずれにしても、前に進もうとすれば、それなりの摩擦はあるものである。
そう思って勇気を鼓舞しながら走り続けた一年であった。その意味では、今
年も、刺激的な年と総括できるだろう。

 財源における地方分権を進めるための三位一体改革については、他の知事
仲間と一緒にスクラムを組みながらの行動であったので、気持ちの上では楽
ではある。ただし、相手である中央官庁の壁は厚く、これを突破するには新
たな戦線を築かなければならないと思わされた今年の戦いであった。

 通常は、せいぜい一年に一回の外国出張が、今年は4回もあった。6月に
はベルリンで国際捕鯨委員会(IWC)に出席、7月には移民記念式典参加
のためにアルゼンチン、ブラジルを訪問したが、その最中に宮城県北部連続
地震が発生した。帰国が遅れたことを批判されたこともあり、忘れられない
出張になった。8月には、タイとの仙台空港直行便開設に向けてバンコクを
訪問。暑い中でのジョギングが印象に残る。11月には、「東北フェアin上
海」のために上海訪問。上海の発展ぶりと歩行者、自転車入り乱れての町の
喧騒に驚いた。ブラジルをのぞいて、いずれの地でも自分の足で走って、そ
の土地のにおいを感じることができたことは、毎度のことながら、大きな収
穫である。

 そして、そのジョギングの総括ということになる。今年は風邪を引いたり、
体調不良だったりで、長い期間走りを休むことが多かった。特に、6月以降 は、月間走行距離がほとんど100キロ未満であった。昨年の年間走行距離 が2,186キロで、走り始めてから16年間の最高記録であったのに対して、 今年は1400キロ弱。別に記録を意識しているわけではないし、トレーニング をしているという意識は全くないが、年間走行距離がこんなに少ないのは、 ちょっと残念ではある。ともかく、楽しく走れればそれでいいのであって、 今年のこの記録も身の丈に合ったところと、納得はしているのである。無理 をしない、続けることに意義がある、そんな基本を守った今年の走りでは あった。  結局最後は、走ることになった。そう言えば、このメルマガの第1号から 第106号までを1冊の本にして出版したのも、今年の11月であった。メ ルマガを書くことも走ることと同じ。続けることに意義がある。毎度思うこ とであるが、一体どなたが、どのように読んでいるのか、さっぱりわからな いのだが、楽しみながら書いていけるうちは続けたいと思う。その意味で、 今年のご愛読に感謝しつつ、来年もよろしくと申し上げ、今年最後のメルマ ガとさせてもらう。 ____________________________________________________________________ > [お知らせ] <  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。  多くの皆様に浅野史郎の「生」の声を届けたいと思っております。  お近くにご紹介いただければ幸いです。  相互リンクも随時募集中です。お気軽にこちらまでメール下さい。  mmz@asanoshiro.org  リンクページはこちら  http://www.asanoshiro.org/link/index.htm ____________________________________________________________________ > [編集後記] <  昨年末のこのメルマガを出すのをすっかり忘れておりました。楽しみにこ のメルマガを待っていた読者のみなさまを思うと、恥ずかしい限りです。本 当に申し訳ございません。  私からの新年のごあいさつは、次号の「本当の新年号」ということで・・・。  新年早々、ご迷惑をおかけしました。  それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)  皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。      メールアドレス mmz@asanoshiro.org     ※今週は「読者のみなさまから」はお休みいたしました。      お気軽にご感想をお寄せ下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 浅野史郎メールマガジン http://www.asanoshiro.org/ 発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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