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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/6/10
http://www.asanoshiro.org/                  第92号
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 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「タイガースの快進撃」(浅野史郎)

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 ○「タイガースの快進撃」(浅野史郎)

 このメルマガも、たまには趣味の話題も載せることにしている。今回の話
題は、わが阪神タイガースの活躍ぶりについて。こういうチャンスは、あと
いつ巡ってくるかわからないので、ご容赦願いたい。なお、熱烈な巨人ファ
ンの方は、読んでも不愉快になるだけだろうから、今回は読むのはやめたほ
うがよろしいかとも思う。

 さて、その阪神タイガース。連載していたエッセイで、何度か書いたこと
があるのだが、阪神ファンは、悪い女にひっかかったダメ男のようなもので
ある。男としては、どうせ相手にされないだろうと、斜に構えているのだが、
突然(春先あたり)気のある素振りをされて、こっちもその気になってしま
う。いろいろあっても、最後は(早ければ、夏ごろには)冷たく棄てられる。
それでも、忘れられない。いつも冷たくされているから、たまに声でも掛け
られると、うれしくなって舞い上がってしまう。「悪い女に惚れたなあ」と
自嘲しながら、ずるずると気持は引きずっていく。

 私が好きになったのは、父親が阪神ファンだったからというだけのこと。
父親が生きている間は、プロ野球など全く興味がなかった母親が、今では巨
人ファンである。(一部の)巨人ファンのおかしなところは、周りの誰もが
同じく巨人ファンだと思いこんでいること。わが母親もその一人。私と父親
が阪神ファンだったことなど、記憶にも止めていなかった如くであり、「昨
日巨人負けて残念だったね」と私にぼやいて、「私は阪神ファンなんですけ
ど」と言い返されてポカンとしている。そんなことが、ちょっと前まではあっ
た。
 
 ともあれ、その阪神が快進撃である。なにしろ、悪女ぶりは身に染みてい
るから、「7月、8月には10連敗、どうせ最後は優勝を逃すだろう」という
シナリオは、頭のどこかに用意している。だからこそ、なおのこと、今のう
ちに幸せを満喫しておこうという気になる。

 シーズンオフの補強を見て、「これなら来年はやるかも」という気になっ
た。伊良部、金本の存在が大きい。それと対照的なのが巨人。他球団で活躍
の実績のある選手を、金にあかしてトレードしてきているが、しょせんピー
クは過ぎている。年寄りだから怪我が多い。清原、江藤、工藤、ペタジーニ
の状態を見よ。常時出場できないために、ベストオーダーが組めない。

 今年の阪神タイガースは、投打のバランスがいい、新人とベテランが刺激
しあっている、試合を最後まで捨てない。圧巻だったのが、5月31日の対
巨人戦。8回を終わって2対4で負けていた試合。9回表に阪神が11点を
入れて大逆転をした。これ以降の試合は、9回に10点差で負けていても、
「ひょっとして」という気持ちが選手にも、そして観客にも生まれることに
なる。そういった意味でも、とても意義のある戦いだった。その様子を、テ
レビではあるがつぶさに見ていた私が興奮しないわけがない。悪女との関係
の比喩を使ったら、どういう表現になるのだろうか。

 6月7日の対ヤクルト戦も驚いた。試合は7対4で阪神が快勝したのだが、
その結果を言っているのではない。敵地神宮球場に阪神ファンが詰めかけて、
4万5千人で満員になったのである。「ほとんどが阪神ファン」とテレビで
も言っていた。この声援を受ければ、10の力が13ぐらいになってもおか
しくない。選手の活躍とファンの応援の相乗効果である。

 地元関西では、もっとすごい熱狂ぶりであろう。阪神が優勝したら、経済
効果は750億円と聞いて驚いたが、そのうちの250億円は、阪神が勝っ
た試合のあとの酒盛りの効果だそうだ。別に優勝しなくとも、何試合かは勝
つのだから、この試算は論理的におかしいのだが、そんなことはどうだって
いい。ともかく、応援しているほうの気持ちに景気がついて、その周りの商
売の景気は上向くのである。

 星野監督の評価はぐんと上がるだろう。これにも用心が必要。1985年
に阪神が優勝したあとに、当時の吉田義男監督は英雄扱いであった。しかし、
その後の評価は、阪神の成績急落とともに、がくんと落ちた。野村克也監督 の例もある。近くは、原辰徳監督。昨シーズンの巨人優勝で、どれだけもて はやされたか。今年は、(ここまでのところは)ぼろくそである。監督自身 の能力とか人格・識見は、急に上がったり下がったりするものではない。だ から、冷静なる阪神ファンとしては、星野監督に対しても、実物大以上の神 格化のようなものは、するべきではないと自分に言い聞かせている。  西宮市で生まれ育ち、阪神ファンになるべき宿命を負っている、私と同年 の友人佐藤進クンからハガキがきた。そのハガキは、5年前の似たような状 況の際に、彼が大量に買いこんだ代物である。「やっと使うべき時がきた」 ということを喜びつつ、優勝を確信しての血湧き肉躍る文面であった。思え ば、17年間。ともに、悪女の深情けに泣かされ続けてきた身の上である。 果して、幸薄き二人が、今年こそは抱き合って優勝を喜ぶことができるかど うか。 ____________________________________________________________________ > [お知らせ] <  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。  多くの皆様に浅野史郎の「生」の声を届けたいと思っております。  お近くにご紹介いただければ幸いです。  相互リンクも随時募集中です。お気軽にこちらまでメール下さい。  mmz@asanoshiro.org  リンクページはこちら  http://www.asanoshiro.org/link/index.htm ____________________________________________________________________ > [編集後記] <  阪神ファンの浅野知事には楽しいセ・リーグのペナントレース。しかし、 横浜ファンの私としては、どん底の日々。阪神が貯金20ならば、横浜は借金 20といった具合で。  ちなみに、本日試合が始まる前時点での首位阪神と最下位横浜のゲーム差 は、20.5ゲーム差。とほほです。  それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)  皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。      メールアドレス mmz@asanoshiro.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 浅野史郎メールマガジン http://www.asanoshiro.org/ 発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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