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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/4/22
http://www.asanoshiro.org/                  第85号
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 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「つばきマラソン」(浅野史郎)

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 ○「つばきマラソン」(浅野史郎)

 たまには、趣味の話題を。

 4月20日(日)、第21回「つばきマラソン」に参加した。10年前に
知事に就任して、その翌年に初参加して以来、今回が8回目の参加となる。
来賓として出席し、ついでに走るということであり、実質は、公務のような
ものである。

 気仙沼市大島での行事である。大島架橋が住民にとっての悲願であり、
「つばきマラソン」に参加して島に渡るたびに、島民の方からは「橋を早く
架けて下さい」とお願いをされる。今回も、沿道からの声援には、「知事さ
ん、がんばれ」のほかに、「早く橋架けてけらいんよ」が混じる。毎度のこ
とである。

 声援といえば、今回は、「つばきマラソン」名物の坂を、えっちらおっち
ら登っていた時に、「知事さん、今の経済みたいな顔して走ってるね、早く
景気よくしてけらいん」と声がかかった。大島の人たちは、ユーモアがある
し、政治への関心も高いのである。

 今年は、これまで参加した中では、気象条件としては最悪。前日までは、
最高気温が25度を超える、夏を思わせるような陽気だったのが、一転して、
冷たい雨が降り、震えるような寒さに見舞われた。ランニング姿で走るつも
りが、長袖シャツを着込み、手袋を着用しての防寒体制である。足元は、水
溜りができるほどの雨降りで、着地するたびにピッチャピッチャ音をたてる。
シューズの中まで雨が入りこんで、不快極まりない。

 いつもなら、満開の桜を目で追い、残りのつばきに目を休ませ、海の青さ
に感動しながらの走りになるのだが、足元の水溜りを避けるのに気を遣って
いるのでは、楽しみは半減である。しかし、その分、禁欲的に、ひたすら自
分の身体の調子に耳を澄ませながら、ただ黙々と走る。沿道の応援の人たち
は、いつもの3分の一だったこともあり、声援には一切応えずに、うつむき
加減で走るのみ。

 いつも伴走してくれるのが、県庁職員であり、毎週日曜日の「サンデー・
マラソン・クラブ(SMC)」のメンバーでもある森由紀男、菅原久吉の両
氏である。森さんは、私のコーチのようなもので、いつもいろいろアドバイ
スをしてくれる。菅原さんは、3代前の知事秘書。秘書をしてから走ること
に目覚め、その潜在能力の高さもあって、今では森さん並みの脚力を誇るほ
どである。どちらも、私に合わせて走ったのでは、まったくもって物足らな
いだろうに、つきあってくれる。おかげをもって、私も安心して走れるとい
うわけである。

 昨年に比べると、3月の走り込みが100キロ以上少なかった。それも
あって、体重が2キロ多い。しかも、左足と腰のあたりに違和感がある。つ
まり、身体的コンディションとしては、決して万全ではない。気象条件は最
悪。そんな中で、どこまでやれるか。往路は、結構がんばったつもりが、昨
年よりも40秒以上遅いタイム。復路の上り坂は、極端にペースを抑えて、
スタミナ温存作戦をとったので、タイムはもっと落ち込む。

 上り坂を一歩一歩走りながら、「こうやって一歩一歩進むしかないのだな。
自分の力で進むしかないのだな。だけど、こうやって一歩一歩積み重ねれば、
必ずゴールには辿り着くことも間違いない」そんなことを自分に言い聞かせ
ていた。このメルマガに、そんなことを書いてみようということが、ちらと
頭をかすめたことも事実である。マラソンは人生と同じ、目標に向って仕事
をしていくことにも通じる。そんなことを書いたら、ちょっと臭いだろうな
とは思ったりしたが、そのうち、そんなことを考えている余裕がないほどに
疲労が襲ってきた。

 疲労より先に、膝の痛みの兆候が現れた。14キロ地点ぐらいだったかと
思う。勇気を出して一旦止まって、足の屈伸をすれば楽になるだろうと思い
つつ、だましだまし走っていたら、いつのまにか兆候はなくなっていた。そ
のあとの下り坂では、思い切って(私なりに)ふっ飛ばしてみたら、膝の痛
みは雲散してしまった。これは、仕事や人生にたとえてみるつもりはない。
単なる、身体的な現象である。  ということを考えたり、不安と戦ったり、無理はするなと自分に言い聞か せたり、自分の中ではそれなりのドラマを演じつつ、ゴールまで1キロ地点、 つまり「つばきマラソン」名物の急坂のふもとに到着した。この急坂が、本 当にいやなのである。どんなエリートランナーだっていやなはず。ましてや、 へなちょこランナーにとっては、ほとんど恐怖の坂である。20キロ走って きて、いい加減くたばっているところにこの急坂、意地悪としか思えない。  なんのかんの言っても、これを登りきらないと、ゴールできない。見てい る人には歩いているとしか思えないかもしれないが、最後のふんばりの走り を演じている。今年も、そうやってゴールした。スタミナ温存したせいか、 坂を登りきってからゴールまでの数百メートルは、少し余裕があったのが、 例年と違っていた。「全力尽くしたのではなかったのかな」という、軽い罪 の意識が残ったが、ゴールした安堵感で、そんなものはすぐ吹っ飛んだ。  ということで、今年の「つばきマラソン」も無事完走。タイムは、手元の 時計では、1時間51分16秒。昨年より、1分22秒遅い。目標タイムの 1時間55分(年齢プラス1時間)はクリヤしたから、よしとしよう。快い 疲れとともに、今年のレースも終えることができた。 ____________________________________________________________________ > [お知らせ] <  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。  多くの皆様に浅野史郎の「生」の声を届けたいと思っております。  お近くにご紹介いただければ幸いです。  相互リンクも随時募集中です。お気軽にこちらまでメール下さい。  mmz@asanoshiro.org  リンクページはこちら  http://www.asanoshiro.org/link/index.htm ____________________________________________________________________ > [編集後記] <  体を鍛え始めて、約一月が経ちます。実は、以前も毎日走っていたのです が、忙しさを理由にやめ、あっという間に体重が増え、体の調子も悪くなっ てしまいました。  そこで、続けることを目標にして毎日少しずつ行っています。目標は大学 入学当時の体重と筋力へ。7年前にどこまで近づけるのか、自分でも楽しみ です。  それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)  皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。      メールアドレス mmz@asanoshiro.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 浅野史郎メールマガジン http://www.asanoshiro.org/ 発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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