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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━  2002/12/3
http://www.asanoshiro.org/                  第65号
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 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「北川三重県知事の三選不出馬宣言」(浅野史郎)

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 ○「北川三重県知事の三選不出馬宣言」(浅野史郎)

 北川正恭三重県知事が、11月25日の三重県議会で、来春の知事選挙に
出馬せずという発表を行ったことが、大きな波紋を広げている。私も、その
ニュースを聞いて驚いた一人である。直後に定例記者会見があり、早速記者
からの質問を受けた。その場では、「驚いた、がっくりきている、残念だ」
と言うしかなかった。

 ほんの数日前に、北川知事とはご一緒していたのに、そんな素振りもなかっ
たものだから、唐突な感じを免れなかった。「なんだ、そうだったら、ちょっ
とは言ってくれてもよかったのに、水臭い」と言いたくもなる。しかし、考
えてみれば、そんな時に「実は・・・」などと言えるはずもない。

 マスコミなどは、国政復帰をにらんでの行動だろうと、決め付けているよ
うだが、私はそうは思わない。いずれはあり得ることではあっても、今回の
不出馬宣言は、それを念頭においてのものではないだろう。最近の北川知事
は、「自分が知事でなくなっても、揺るがずやっていける三重県庁にしたい」
といったことを話していた。ここにきて、そのことに確信が持てたのではな
いか。

 ふつうであれば、「俺がやらなきゃ、誰がやる」というのを強烈な自負と
言う。もっと強烈な自負は、「俺がいなくても、やっていける組織は作り上
げた」というものだろう。北川知事の場合、こちらにあたる。同業者として
は、あまりの強烈な自負に恐れ入ってしまうが、彼の場合はほんものだと思
う。

 記者会見での私のコメントは、知事仲間で兄貴分として頼りにされていた
存在の北川知事が、「いち抜けた」と言って去って行こうとしていることに、
とまどい以上のものを覚えたからである。このところの、知事有志によるさ
まざまな活動の中心に北川知事がいた。その中で、彼が言い出しっぺ役を務
めたものもいくつかある。北川知事に声を掛けられて私がはせ参じるという
形のものが多かった。だからこそ、私としては脱力感を味わったというわけ
である。

 少し日が経って、考えてみた。知事という立場を離れても、北川さんとす
れば、地方分権、生活者主権、情報公開という基本姿勢は変わらないはず。
一言で言えば、ほんものの民主主義をこの国に根づかせたいという強烈な意
識である。そのことについては、道半ばと思っているだろう。だとすれば、
知事をやめたあとも、どんなところに身を置いても、そのプロジェクトを押
し進めていくことになると思う。というよりも、そう期待したい。

 つまりは、私たちと同じ戦線に止まって、一緒に戦っていくものと確信し
ている。北川さんのことだから、知事という立場を離れたら、これまで以上
に強烈なメッセージを振りまきながら、持ち前の行動力と実行力で、ぐいぐ
いと進んでいくであろう。今の日本の状況を見れば、一国の総理大臣になる
よりも、むしろ大きな影響力のある仕事ができそうな気がする。長くてせい
ぜい2,3年しか持たない総理大臣の椅子よりも、北川さんにはもっと持続
性のある、そしてホントの意味で影響力のあるポジションで、力を発揮して
もらいたいような気がする。

 それにしても、北川知事は、すごい人である。確固たる信念の下に、周到
な方法論をもって、インパクトのある施策を一つひとつ着実に実行してきた。
私にとっても、わかりやすいお手本である。自分の考えていること、実行し
ていること、そしてそのことの持つ普遍的な意義を、抜群の表現力で世の中
に伝えてきている。明るいキャラクターというのも、そういう際にはとても
大事なことであることを、北川知事から学ばせてもらった。

 「惜しい人を失った」などと言うと、なにやら追悼の言葉めいてくるが、
実際はその逆である。これからが、北川さんの本領発揮になるはずである。
どこでどういう活動をしようが、私は同志としてどこまでもついていく。追
悼の言葉どころではない。ある種のラブレターのようになってしまった。

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 実は明日、開業したばかりの「はやて」に乗ります。といっても、八戸で
はなく、東京へ、ですが。新型車両であることを祈って、仙台駅のホームに
向かいます。久々の新幹線なので、ワクワクしています。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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