宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002/2/4
http://www.asanoshiro.org/                 第22号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「田中真紀子外務大臣の更迭」(浅野史郎)

 [お知らせ]
  ○「玩具福祉の可能性を考えるセミナー」開催のお知らせ
  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。

 [寄稿]
  ○「お金のかからない選挙」、「お金の流れない選挙」を実践したこと
    は、宮城県民の誇りです その2(田島良昭さん)

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <

 ○「田中真紀子外務大臣の更迭」(浅野史郎)

 ここ1週間、マスコミの話題は田中外相更迭問題一色である。オーム真理
教、和歌山カレー事件、埼玉保険金殺人事件、アメリカ同時多発テロ・・・、
一時はそれ一色でマスコミは沸き立っていた。一体あのニュースはどこに行っ
てしまったのだろう。一時期はワーッと騒ぎ立て、時が経つとさっと忘れ去
られてしまう。せいぜい、次ぎの大きな事件が出てくるまでの寿命である。

 こういう日本のマスコミの傾向を考えれば、この話題の「寿命」もおのず
と見通しがつく。マスコミは視聴者の感情に訴えるから、番組の作り方もそ
の線に沿っている。その番組によって、視聴者はますます感情が刺激される。
今回の外相更迭問題の報道ぶりは、全くこの公式どおりの展開になっている。

 問題は、一国の外交の最高責任者に関わることである。国益そのものがか
かっている。やったことの責任といった過去のこと、国会運営という目の前
のことに目が奪われてしまうが、この際、未来形で考えなければならない。
それも、国益という観点からの洞察である。田中真紀子外相の続投は、日本
の国益を大いに損なうことにつながらないか。そのことだけ考えれば、今回
の外相交代は正解である。

 「そのことだけ考えれば」ということが、もう一つ問題ではある。大事な
のは、「そのことだけ」でないだろうという声もある。国民的人気があり、
外務省改革に前向きであり、わかりにくい政治をわかりやすくした田中真紀
子さんを、悪いのは相手なのに、相手もろとも切り捨てたことはどう説明す
るのか。

 あたりまえのことだが、人気と実力,適性は別ものである。テレビの前の
視聴者がまるで裁判官のようになって、どっちが正しい、まちがっていると
いうことで一国の外交責任者の去就が決められてよいはずがない。

 今回の一連の経緯の中で、見逃してはならないのは、官僚と議員との関係
である。具体的には、外務省の役人と鈴木宗男議員との関係。

 アフガン復興会議へのNGOの出席をめぐって、鈴木議員が直接的な圧力
をかけていないということは、多分ほんとうだろう。例の言った言わないと
いうやりとりも、「この場面では言いませんでした」ということであって、
「それでは別な場面では言ったのか」と尋ねれば白黒はっきりすることでは
ある。

 大きな問題は、二つ。官僚側が鈴木議員の意向を忖度して行動したのでは
ないかということ。「忖度(そんたく)」という表現がぴったりだと思う。
「意を迎える」、さらに言えば「こうすれば先方に喜んでもらえる」という
ことで、先回りして行動することである。

 もう一つの大問題は、官僚側が組織のトップである田中大臣に正しい情報
を適時適切に報告していなかったということ。外務省事務方と田中大臣との
関係が正常ではなかったということは、事務方の不作為を正当化する理由に
はなりえない。そのことだけで、事務方の責任者は、大臣による更迭に値す
る。本来は、野上事務次官は総理大臣ではなく、田中外務大臣によって、一
足早く更迭されても仕方がなかった。

 知事という立場にあって、今回のことの成り行きを注視していると、さま
ざまなことを考える。幸い、宮城県庁においては、知事と事務方との関係は
正常そのものであるが、そういった正常な関係の維持はとても大事だという
こと。そして、最近の「官製談合」問題における議員からの「圧力」の問題
がある。事務方における議員の意向の「忖度」という文字もちらついてくる。

 いずれにしても、小泉総理は大変な決断を下したとは言える。決して、回
りの意見に押されての判断であるとは思えない。自身による的確な、そして
苦渋の決断であったのだろう。内閣支持率低下の可能性はもちろんお考えに
なったはずだが、それよりも大事なことはあるという判断であっただろうし、
このことによる支持率低下は一時的なものとの読みはあったかもしれない。

 新しい外務大臣に川口順子さんが就任した。大事な外交日程が目白押しで
ある。川口外相の手腕に大いに期待するものである。

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> [お知らせ] <

 ○「玩具福祉の可能性を考えるセミナー」開催のお知らせ

 玩具が社会福祉の現場にもたらす影響については、心身機能の向上、精神
上のリフレッシュ、コミュニケーションの増加、余暇の充実など、さまざま
なものが考えられています。実際に児童、障害者、高齢者向けに実践してい
る例も多くなっています。

 本セミナーでは、日本初の宮城プレイバスや、栃木県プレイバスの実践発
表など、たくさんの事例や研究から、玩具のもたらす幅広い影響を研究しま
す。

 特別講演の中澤健氏は、浅野史郎の厚生省時代の同僚で、現在アジアのペ
ナンで福祉の実践者としてご活躍です。

 たくさんの方のご参加をお待ちしています 


 日時 2002年2月16日(土) 10:30〜16:00 

 場所 ハーネル仙台 2階 松島の間 
    仙台市青葉区本町2−12−7 tel:022-222-1121 

 内容 1,あいさつ並びに応援メッセージ
       主催者、来賓:浅野史郎
    2,特別講演「ペナンの障害福祉状況とプレイバス活動」
       講師:中澤健氏(アジア地域福祉と交流会理事長)
    3,玩具プレゼンテーション
    4,シンポジウム テーマ「玩具のもつ可能性をもとめて・・・」
       コーディネーター: 小林るつ子氏 (玩具福祉学会)

 主催 高齢者のあそび福祉研究会 アジア地域福祉と交流の会 
    日本玩具福祉学会
 
 協力 社会福祉法人 宮城県福祉事業団 (株)カワダ エポック 
    (株)バンダイ 社会福祉・医療事業団 
                (本事業は社会福祉・医療事業団の助成金を受けています) 

  参加費 一人1,000円(当日受付にてお支払い願います。) 

 問い合わせ 宮城県福祉事業団 tel:022-263-0949 


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 このメルマガも登録者数が620名を超えました。もっと多くの皆様に浅野
史郎の「生」の声を届けたいと思っておりますので、お近くにご紹介いただ
ければ幸いです。

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 mmz@asanoshiro.org

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> [寄稿] <

 ○「お金のかからない選挙」、「お金の流れない選挙」を実践したこと
   は、宮城県民の誇りです その2(田島良昭さん)

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    田島さんのインタビュー記事を2回に分けて掲載いたします。
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 もう一つ、今回の選挙でお金に関して言うと、「県政はじまって以来、裏
でお金が流れなかった」事が自慢です。

 「お金がかかる」という定説はなんでしょうか。それは、「法定選挙」費
用が皆には信じられていないという現実があるためです。すなわち「裏でお
金が流れているから、それだけではすまないでしょう」という言われ方をずっ
とされてきたからです。私たちには公表したお金以外は一切流れていません
が、前回は噂によるといろんなお金集めをされたという事を聞きます。例え
ば、「2万円パーティの券を100枚押し付けられた」または、引き受けた
会社というのが数社あったという事です。そのような噂がやはり「選挙の為
に使ったのか?」という疑問になっていきます。

 しかし、今回は"相手様"も集めた形跡が全くなかったし、裏でお金が動い
たという話しも聞きません。無論、我々もそういう事はしていませんので、
という事は、どうも今回の選挙は「県政はじまって以来、はじめて裏のお金
が流れていない」という噂があります。その噂が本当なら、我々は、宮城県
民は、誇りを取り戻したのではないかと思われます。

 今回の選挙では、「選挙には大金がかかる」から「お金がなくてもできる」
という事を実証したのだと思います。そういう面での成果は非常に大きかっ
たと思います。

 そして浅野史郎さんは、見事に「きちんと集めたお金を有効に使う」本当
のノウハウを実践して見せました。そのために必要なこと、捨てなければな
らないこと、我慢すること、そして、選挙の主体とは、候補者だけでなく
「宮城県民一人一人」に有ることを、しっかりと、わかりやすく見せてくれ
たはずです。『100円カンパ』の成功の裏側には、浅野史郎という政治家
の姿勢そのものが、支えとなって存在しているのだと確信します。

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> [編集後記] <

 最近、メディアが過激になっていると感じることが多くなってきました。
あまりテレビを見ない自分が、たまにテレビを見ると、食傷気味になってし
まいます。

 今回の「外相更迭問題」をテレビで見るたび、国民と政治との情報共有と
は、何であるのかを考えてしまいます。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

                        皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。
                            メールアドレス mmz@asanoshiro.org

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浅野史郎メールマガジン http://www.asanoshiro.org/
発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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