宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2002/1/14
http://www.asanoshiro.org/                 第19号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「BSE(牛海綿状脳症)」(浅野史郎)

 [お知らせ]
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 [寄稿]
  ○選挙スタッフの雑感 その2(伊本佳史さん)

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <

 ○「BSE(牛海綿状脳症)」(浅野史郎)

 BSEと言っても、あまりピンとこないかもしれない。正式には、「牛海
綿状脳症(うし・かいめんじょう・のうしょう)」と称する。世の中では
「狂牛病」の名称で通っているが、私とすれば、そういう呼び方はしたくな
い。

 先日、県民の方からお手紙をいただいて驚いた。「私のまわりでは、狂牛
病にかかったという人は聞いたことがないので、あまり心配しないでもいい
と思うのですが・・・」というものである。その人は、牛肉を食すると、
「狂牛病」という病気にかかることもあり得るというふうにご理解されてい
るようである。狂犬病からの連想だろうが、こういう誤解を生むような用語
は,マスコミも避けるべきではないのだろうか。

 実際に畜産農家、酪農家の方からしたら、「狂牛病」という名称は絶対に
使ってもらいたくないだろう。名称だけではない。今回のBSEの問題は、
農家の方々にとっては、降って湧いたような災難としか受け止められない。
防ぎようがないし、その対応も自分たちだけの力ではどうしようもないとい
う無力感を感じている。わざわざ騒ぎ立てるようなマスコミの報道ぶりに、
困惑以上の感情を持っているようである。

 そんな中で、1月10日(木)、古川市の肥育農家である結城猛夫さんの
ところに出かけてきた。結城さんのところでは、70頭以上肥育をしていて、
他に稲作も5町歩ほどしているが、収入の8割が畜産である。「50万円で
買った牛を22ヶ月育てて、売値が20万円。これではとても生活が成り立
たない。いつまで持ち堪えられるか自信がない」という話に、こちらも言葉
を失ってしまう。

 結城さんのほかに4人の肥育農家の方からお話を伺ったが、皆さん同様の
窮状を訴えていらっしゃった。結局は、牛肉の消費がいつ戻るかということ
である。いずれ正常に戻るという見通しがあれば、なんとかそこまでがんば
るということだが、それが見えない。これが共通の悩みであった。

 宮城県は全国有数の畜産県である。仙台牛という素晴らしい品質のブラン
ドを持っている。どんなことがあっても、生産県であることをやめることは
できない。そこのところを出発点にして、いろいろな施策を考える必要があ
る。

 まずは魁より始めよ。県庁の食堂での牛肉を使ったメニューはどうなって
いるのか。学校給食に牛肉を使った献立は供されているのか。ただ単に、
「ご協力をお願いします」だけでは、ものごとは進まない。消費者への正し
い情報の提供ということとセットにして、生産者、行政一体となった働きか
けをすべき時期である。

 それにしても、消費者の牛肉離れの状況がこれほど根強いことには、改め
て考えさせられるものがある。「今出ている牛肉が100%安全だというこ
とは、頭では十分わかっています。でも、安心だと自分の心を納得させるこ
とがむずかしいのです」という、消費者の声を聞いた。頭でわかっても、心
が許さない。安全と安心は別物ということなのだろう。

 底流に行政への不信感がある。BSEの水際での防止策など、国際的な問
題については、地方自治体としては手の及ばないところである。こういう問
題こそ、農水省の最重要課題であるべきものである。補助金分配のほうにば
かり熱心過ぎて、人材面や予算面において、国際的な課題について十分な対
応がなされていないとすれば、これも中央集権、補助金行政の大きな弊害と
言わざるを得ない。

 ほんとうの意味での情報公開ということも、問われている。検査結果の公
表の仕方においても、消費者の意向を十分につかんでいるとは思えない対応
があった。消費者が行政を信頼して、安心感にまで結びつけていかなければ
ならない。

 県として、なんとか肥育農家、酪農家の皆さんに、がんばってもらいたい、
この大変な時期を乗り越えてもらいたいとは思っている。そうは言っても、
この混迷状態から抜け出すのに時間がかかってしまい、耐え忍ぶことの限界
も出てこよう。いよいよとなれば、行政として生産サイドを支えていくとい
う覚悟は必要となってくる。

 そんなことを考えながら、視察をさせてもらった。
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> [寄稿] <

 ○選挙スタッフの雑感 その2(伊本佳史さん)

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         選挙スタッフの雑感を掲載いたします。
        第2回は、選車スタッフの伊本佳史さんです。
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 今はもうすっかり普通の生活に戻った私にとって、あの選挙期間中は、今
まで生きてきた中で最も睡眠時間が短く、最も時の流れを短く感じた17日
間でした。

 そこで、私が任された仕事は、うぐいすボーイと選挙期間中の浅野さんの
日記を書くこと。はじめはどうなることやら不安だらけでしたが、浅野夫妻
と選挙スタッフのおかげで、楽しく本気で、そしてあっという間に毎日が過
ぎ去っていきました。

 「うぐいすやってもらえませんか?」と2,3日前に言われた時、私の反
応は「へっ...」という感じでした。しかし、やってその楽しさの虜になっ
てしまいました(笑)選挙カーの中で、「その調子でガンガンいけぇ〜」と、
前から後ろからこだましていたのを憶えています。

 日記も書いているうちにどんどん欲が出てきて、書き上げた時の満足感を
次第に味わうようになっていた自分がいました。

 選挙戦の17日間の出来事は、私にとって何もかもが初めてのことで新鮮
なものでした。浅野史郎という人柄が出た、元気な選挙に参加できたことは、
今後、忘れることはないと思います。

 今まで自分が考えていた選挙をあっさり打ち破ってくれました。そんな経
験を私に与えてくれ浅野夫妻とスタッフの皆様に大感謝です。

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> [編集後記] <

 今日は仙台市の成人式。知り合いの女性が成人ということで、彼女の振り
袖姿の写真を撮りながら、自分の成人式を思い出しました。

 なんて事を思っているようでは、気持ちばかり年をとってしまったようで
す。まだまだ若いはずなのに。

 今週号から何号か、選挙スタッフの雑感が掲載されていきます。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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                            メールアドレス mmz@asanoshiro.org

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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