宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2001/10/15

http://www.asanoshiro.org/                  第9号

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> <<目次>> <



 [週刊コラム・走りながら考えた]

  ○「ローマ県との姉妹関係」(浅野史郎)



 [お知らせ]

  ○皆様からの個人献金が、インターネットでも出来るようになりました。 

  ○相互リンクしていただける方を募集しています。

  ○このメールマガジンをお知り合いにご紹介下さい



 [政策発表]

  ○2001年 浅野史郎の政策発表

   〜誰にも誇れる、美しい品格のある、真に豊かなみやぎを目指して〜

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <



 ○「ローマ県との姉妹関係」(浅野史郎)



 10月8日、わが宮城県とローマ県とが、四百年の時間を越えて姉妹県の

関係を結んだ。仙台藩主の伊達政宗公に遣わされた支倉常長一行が、ローマ

に到着したのが今からほぼ四百年前。常長一行は、サンファン・バウティス

タという名の帆船に乗って、石巻の月の浦を出航、太平洋を渡ってメキシコ

のアカプルコへ。そこから陸路、海路を経て、最後はスペインからイタリア

のチビタベッキアの港に入り、そこからローマ入りを果した。



 姉妹県の調印は、そのサンファン・バウティスタ号の船上で行なわれた。

帆船は復元され、現在は石巻市の「帆船ミュージアム」になっている。狭い

船上に、モッファ知事をはじめとするローマ県の御一行や宮城県関係者、マ

スコミ取材班が集まっての調印式である。



 今年の5月、今回の調印に先立つ覚書を交わすために、私はローマ県を訪

れた。その際、ローマ市からチベタベッキア(石巻市と姉妹市)に向かうバ

スの中で、遠藤周作の小説「侍」の最後の部分を読み終えた。「侍」とは支

倉常長のことである。



 常長一行が日本を離れてすぐに、故国ではキリスト教が禁制になる。ロー

マでは、そんな国との交易に興味はない。結局は、常長一行のローマ派遣は、

空しい試みに終わる。それどころか、キリスト教に「帰依した」常長は、日

本にとっては危険な存在になった。ローマに辿り着いた常長は、自分の使命

の空しさを思い知らされて、絶望的な気持ちになる。チベタベッキアに着く

寸前に「侍」を読み終えた私は、四百年前の支倉常長の運命に思いをいたし

て、思わず涙が出てしまった。



 今回のローマ県との姉妹県締結は、四百年前の支倉常長のローマ訪問があっ

てのこと。そして、今、サンファン・バウティスタ号の船上でモッファ知事

と並んで調印をしている。「常長の夢が、四百年の時を経てこうして実を結

んでいる」という深い感慨にとらわれた。



 ローマ県といえば、ワイン,チーズなどの食品、革製品などのブランド品、

デザイン関係など、宮城県として学ぶことはとても多い。当方からも、水産

加工品、電気機械やIT関係の製品などが売り込めるだろう。ローマを目指

す観光客もたくさんいるはず。チャーター便から始めて、航空路線の開拓の

可能性は大いにある。



 私とすれば、イタリア発のスローフード運動に関心がある。この欄で、以

前に書いたテーマでもある。今回、調印に先立って、モッファ知事らと「地

域性のある食文化」についてパネル・ディスカッションをしたが、そこでも

スローフードの話が披露された。石巻の若手がサンマのつみれを使った「イ

タリア風」スープを試作して、その場でモッファ知事にも供していたが、そ

の新作スープを私が「ローマ汁」と命名した。名前のほうはともかく、作品

のほうは人気を博するかもしれない。



 ローマ県との関係は、そもそもが民間同士の交流から始まった。行政同士

だけでなく、民間も巻き込んだ形の姉妹関係が、ローマ県との間に展開され

ることを確信している。



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> [お知らせ] <



 ○皆様からの個人献金が、インターネットでも出来るようになりました。



 浅野史郎・夢ネットワークでは、市民の皆様の個人献金を幅広く募るため、

今までの郵便振込だけではなく、インターネットからもご寄付いただけるよ

うになりました。皆様からのお志を広く募りたいと存じます。どうぞ宜しく

お願い申し上げます。



 なお、インターネットからのご寄付には、クレジットカードが必要です。

初めてインターネットでご寄付いただく方は、登録が必要です(無料)。そ

の後、ご寄付に移ることが出来ます。



インターネット献金は、こちらからお願いします。

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 ○相互リンクしていただける方を募集しています。



 浅野史郎の個人サイト「浅野史郎・夢らいん」の来場者数が延べ三万人を

超えました。しかし、もっとより多くの方に見ていただきたいため、個人の

ホームページをお持ちの方で、相互リンクしていただける方を募集していま

す。相互リンクしていただける方は、メールなどでご一報下さい。



 また、「浅野史郎・夢らいん」はリンクフリーですので、どんどん、リン

クしていただければ幸いです。



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 ○このメールマガジンをお知り合いの方にご紹介下さい。



 現在、このメールマガジンの登録者数は約500人です。

 広めていただいた皆様、本当にありがとうございます。



 このメールマガジンを通じて、より多くの方と双方向のコミュニケーショ

ンを行いたいと考えています。どんどん意見をお寄せ下さい。



 ご紹介の際には、以下のアドレス

 http://www.asanoshiro.org/news/mmz.htm をお伝え下さい。ここから登録

が出来ます。



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> [政策発表] <



 先週10月11日に、浅野史郎が政策発表を行いました。今回のメルマガでは、

基本姿勢の部分をみなさまにお届けします。

 政策全文は、近日中にホームページに掲載いたします。その際、このメル

マガでまたお知らせいたします。



 ○2001年 浅野史郎の政策発表

  〜誰にも誇れる、美しい品格のある、真に豊かなみやぎを目指して〜



基本姿勢                                                      

 <総論>                             



 宮城県の財政が危機に瀕している状況の中で、財政再建は最も重要な県政

の課題です。自治体にとっての破産を意味する、準用財政再建団体への転落

は、どんなことがあっても回避しなければなりません。そのために、歳入、

歳出の構造的改革を行うとともに、外郭団体を含めた県庁関係組織のありか

たを徹底して見直します。平成14年度から17年度までを財政再建の実施

計画期間として、この期間内に財政再建の確たる道筋をつけます。私が知事

をやっている限りは、宮城県が準用財政再建団体に転落するという事態は絶

対に招きません。こういったことで、とにもかくにも、財政の健全化を図る

ことを約束します。同時に長引く景気低迷の中での雇用情勢の悪化に対応す

るため、宮城版セーフティネットとも言うべき緊急雇用経済対策を実行して

いきます。 



 日本全体として、政治的にも、経済的にも閉塞感が漂う状況の中で、なん

としても地方が元気を出さなければなりません。元気の素は地域全体として

の誇りと自信であり、県政で言えば、宮城県が独自の発想と方法論で施策を

進めていくことによってもたらされるものと考えます。



 次の4年間に、「宮城県発」の全国のモデルになるインパクトのある施策

を、それぞれの行政分野ごとにで最低3項目は打ち立てます。全国に自慢で

きる施策を新たに作っていくという努力の中で、県庁組織としても誇りを取

り戻すことができます。



 その際の障害になるのが、制度としての中央集権です。権限と財源が中央

政府によって相当程度統制されていることによって、県政を進める際の自由

な裁量の余地が狭められています。県庁職員のほうも、長い間の中央と地方

との関係に縛られた中央頼みの思考方法と行動様式から脱却できていない状

況にあります。



 こういった状況を変革しなければなりません。変革の趣旨は、国と地方と

の権限争いや財源の取り合いではありません。納税者の思いが税金の使われ

方に直接反映できるようなシステムを構築しなければならないということで

す。「地域から変わる日本推進会議」、「国と地方の税制を考える会」など

の場では、志を同じくする知事達が、真の意味の地方分権の実現のために具

体的な提言を行おうとしています。21世紀初頭のこの時期に、制度の根幹

に関わる部分も含む改革の処方箋を、同志の知事とともに提出したいと思い

ます。



 県として地方分権を求めるだけでは不充分です。地方自治の最先端である

市町村への権限・財源の移譲を同時に進めるべきことは、県として努力すべ

き当然の方向です。市町村合併は、基本的には住民の意思で決められるべき

ものですが、県としても積極的に関わり、県南、県北最低1ヶ所の合併は実

現したいと考えています。市町村合併を促進しながら、市町村の行政の足腰

の強化を図り、県からの権限と財源の大幅な移譲を行います。



 地方分権を進めることは、宮城県に「ほんものの民主主義」を根づかせる

ために必要なことです。行政まかせ、中央まかせ、他人まかせの「おまかせ

民主主義」ではなくて、一人ひとりの県民が県政への関わりを持ち、納税者

としての主体的な判断が生きるようなシステムとしての民主主義がみやぎの

地にしっかりと根を下ろさなければなりません。知事としての大事な仕事の

一つが、ほんものの民主主義を育てていくことであると考えています。



 そのための方策として、NPOとの協働と情報公開をさらに進めて行きま

す。特に情報公開については重要な情報はすべて、わざわざ情報開示請求の

手続きをとることなく、県庁のほうから広く、すばやく、分かりやすく、県

民に対して積極的に提供するルールを確立します。



 情報公開は、県議会との間においても意識されなければなりません。お互

いに情報を共有した上での自由な討論を経て、言葉の真の意味での「是々非

々」の関係が成り立つ県議会であれば、なれあいではなく活発な議論が展開

されることになります。まさに、ほんものの民主主義の実現です。



 また、目の前のことだけでなく、宮城の百年後を見越したビジョンを構想

することも、この時期に大切です。国内の知恵と県庁の知力を結集して「み

やぎの100年ビジョン」を検討する作業に着手します。21世紀の冒頭、厳しい

状況に置かれている宮城県にとって、その厳しさを乗り越えて明るい未来を

展望することが、今強く求められていると確信します。



 こういったことを通じて、誰にも誇れる、美しい品格のある、真に豊かな

宮城県を県民の皆様と共に作って行きます。そういう思いで、これからの4年

間、知事としての仕事をしていきます。



 実行する政策については、次の各論に示す「21世紀型豊かさの実現」、「み

やぎらしい教育の確立」、「ものづくり産業の再生」、「個性ある地域づくりに

より郷土自慢を」、「県財政の再建と県庁改革の徹底」の5つを基本政策として

積極的に取り組み、豊かさ実感みやぎを実現していきます。



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> [編集後記] <



 今回のメルマガでは、浅野知事の政策の基本姿勢を掲載いたしました。政

策全文の掲載は、近日中に夢らいんホームページ上で行います。そちらも是

非ご覧ください。



 今回の政策の中で、私自身がとても共感する部分は「ほんものの民主主義」

をみやぎに根付かせるという部分です。その理由をここで書くと、とても長

くなってしまいそうなので、今回はやめておきます。



 それと、先週号で宣言していた「早朝ジョギング」ですが、何とか続いて

おります。危うく、三日坊主になりかけましたが・・・。



 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)



                        皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。

                            メールアドレス mmz@asanoshiro.org



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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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