宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎メールマガジン バックナンバー



浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2001/08/20

http://www.asanoshiro.org/                  創刊号

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         浅野史郎メールマガジン創刊です。

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> <<目次>> <



 [週刊コラム・走りながら考えた]

  ○メールマガジン創刊について(浅野史郎)



 [お知らせ]

  ○佐藤豊氏出版記念講演会開催のお知らせ(8月30日)

  ○このメールマガジンをお知り合いにご紹介下さい



 [特別コラム]

  ○官製談合について(浅野史郎)

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <



 ○メールマガジン創刊について(浅野史郎)



 私のメールマガジンが発刊した。この原稿は、その記念すべき第一号に掲

載されることになる。これまでは、このコラムは「浅野史郎・夢らいん」と

いう、私のホームページ(http://www.asanoshiro.org)に毎週月曜日に掲載

していたが、これが新しいメールマガジンにも登場する。



 ホームページは、今のところ、毎日70人ぐらいのアクセスがある。積極

的にアクセスしてもらわないとつながらないし、送り手の私から言えば、一

体どんな人がアクセスしているのかわからないという難点がある。その点、

メールマガジンは、あらかじめ登録された人にだけ届けることになるので、

なんとなくの安心感がある。読んでいる人の顔が見えるような気がする。



 いずれにしても、政治家の一人として、考えていることを言語化して、知

りたい人に伝えるということの大事さを改めて認識している。読んでいただ

ければわかるように、それほど大それたことをこのコラムに書いているわけ

ではない。それでも、こういった努力は必要だと思う。



 国政では、久々に「言葉の力」を熟知する政治化がリーダーの座についた

(「フォーサイト」8/18−9/14号の神谷万丈氏の論文)。もちろん、小泉首

相のことである。新聞記者とのていねいで、ひんぱんな応対、国会論議での

答弁書棒読みでない議論、演説だけでなく、ちょっとしたコメントでの気の

利いたわかりやすい言い回し、こういったことが国民一般に大いに受けてい

る。小泉首相の登場により、日本政治には、雄弁術がにわかに復活した。



 何を考えているか、何をやろうとしているのかわからない政治家は、これ

からの時代はあまり歓迎されないかもしれない。「説明責任」という考え方

は、政治家個人というよりは、組織としてのありかたに関わりがあるとして

も、知事としては常に「説明責任」を意識していなければならない。未来形

としての抱負、哲学のようなものをわかりやすく示すことも、同時に求めら

れる。



 大向こうの受けねらいの発言ではなく、かといって、評論家のような他人

事コメントでなく、政治家として責任ある発言をこのコラムでしていきたい。

メールマガジンへの登場を契機に、今まで以上には張り切らざるを得ない。



 なお、知事としての公式発言は、県議会での質疑を通じてもなされるが、

もう一つ、毎週月曜日の定例記者会見の場がある。毎週一回、事前通告なし、

何を聞いてもOKという記者会見は、あまり多くの県では採用していない。

しかも、翌日の火曜日には、県庁のホームページ

( http://www.pref.miyagi.jp/  )上に、記者会見の内容がそのまま掲載

される。関心のある方は、こちらのほうも開けて見ていただきたい。



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> [お知らせ] <



 ○佐藤豊氏出版記念講演会開催のお知らせ(8月30日)



 浅野史郎も登場した、佐藤豊氏の対談集『「革命」にかける7人の男達』

の出版記念講演会が、来る8月30日(木)県民会館大ホールで行われます。

浅野史郎は第一部に出演いたします。多数のご来場をお待ちしております。

 (入場料2000円で、当日券もございます。詳しくは、

   http://www.asanoshiro.org/news/seven.htm

                   をご覧下さい)



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 ○このメールマガジンをお知り合いの方にご紹介下さい。



 現在、このメールマガジンの登録者数は約60人です。皆様のお知り合いの

方に、是非ご紹介下さい。より多くの方と、このメールマガジンを通じて、

双方向のコミュニケーションを行いたいと考えています。



 ご紹介の際には、以下のアドレス

 http://www.asanoshiro.org/news/mmz.htm をお伝え下さい。ここから登録

が出来ます。



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> [特別コラム] <



 ○官製談合について(浅野史郎)



 官製談合の問題が、県政の大きな焦点になっている。先般の、石巻農林振

興事務所を舞台にして、県議会議員と県庁職員が逮捕され有罪となった競売

入札妨害事件の仙台地裁判決で、官製談合が宮城県庁において広く行なわれ

ていたとの指摘がなされた。重大な指摘である。それが本当なのかどうか、

実態を明らかにすることが急務であると私は考えた。



 5月中旬から7月末までかけて、内部調査を行なった。平成9年から12年ま

での間に農林関係、土木関係の公共工事の発注に携わった幹部職員270名以

上を対象にして、県庁の行政管理課の職員を中心にしたチームが、一人ひと

りの聴き取りを実施した。その結果を7月31日に公表したのだが、特定の業

者を指名に加えたり、工事予定価格を教示したという職員が複数おり、中に

はいわゆる「本命業者」を示唆した職員が一人いたという事実が判明した。



 行政が談合を取り仕切るという意味での「官製談合」とは言えないまでも、

行政の関わりがあったことは事実である。ゆゆしきことであり、こういった

ことを二度と再び宮城県庁においては繰り返さないため、確固たる対応策を

とらなければならない。同じことを繰り返さないことが重要であり、そのた

めにまずは事実把握の必要がある。5年前の食糧費問題を思い出す。食糧費

の支出に関して、不正な書類処理を行ない、「裏金」を作り出したという件

である。宮城県庁の組織ぐるみで、大々的に長い期間にわたり行なわれてき

た「悪しき慣習」であることが判明した。



 当初は、宮城県庁は「そんな事実はない」と否定していた。組織として真

実を明らかにしようとしない姿勢を非難しつつ、仙台市民オンブズマンから

は個別の職員を損害賠償請求の相手方として訴えが提起された。私としては、

個別の職員の問題に還元される問題ではない、まさに組織ぐるみの問題とし

て、真実を明らかにしなければ、個々の職員も救われないし、組織としての

宮城県庁は永久に立ち直れないと信じるに至った。そこで、まず、事実を自

分たちの手で徹底的に明らかにしようという調査に着手したのである。



 その結果として、「悪しき慣習」の中身が明らかになった。だからこそ、

再発防止策を打ち出すことができたのである。宮城県庁の再生の始まりで

あった。今回の官製談合の調査も、誰か「犯人」を仕立て上げて糾弾すると

いうのが目的ではない。再発防止の手だてを確立すること、その前提として

の事実の把握が必要、そういう趣旨での調査であった。



 「本人、関係する第三者の名前は出さないから」という約束で、初めて今

回のような事実が明らかにされることができた。これも、まずは事実の把握

が何よりも重要であると考えたからである。そのことを考えれば、おのずと

これから我々が取るべき方策が見えてくるはずだ。宮城県庁としては、決し

て逃げないし、隠す、ごまかす、うやむやにするということはしない。出て

きた事実の持つ重みは、大変なものであるが、その一方で、自分たちの手で、

これだけのことを明らかにすることができたことに、誇りさえ感じている。



 しっかり、対処していくつもりなので、これからの動きを見守っていて欲

しい。

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> [編集後記] <



 浅野史郎メールマガジンはいかがだったでしょうか。今回は、創刊号とい

うこともあって、浅野知事には原稿を二本書いていただきました。官製談合

についての浅野知事の思いが少しでも皆様に伝わればと思っています。



 今回の官製談合のような問題について、実際に皆様が知っていることは、

新聞・テレビなどのマスコミを通した情報ではないでしょうか。それが悪い

ということではなく、このメールマガジンを通して、直接読者のみなさんに

問いかけ、その反応を直接いただきたいと思っています。



 皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。

     メールアドレス mmz@asanoshiro.org



 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。



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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局



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