浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  4月第3週分        

2016.4.16.(土)

熊本の連続地震

 札幌から横浜に戻る。横浜は暖かく、重い荷物とダウンのコートを持って歩くと汗が出る。半袖姿の若者がいる中で、ダウンコートはさすがに場違い感がある。

 テレビは、全局とも熊本の一連の地震報道を続けている。特に、NHKは通常の放送を地震報道に振り替えて、全力での報道である。公共放送の使命とはいえ、危険な場所から中継をする記者、ヘリコプターで映像を送りながら的確な報道をするカメラマンには頭が下がる。

 それにしても、震度6以上の地震が何回も続いているところの人たちは、どんなにか恐ろしい思いをしていることだろう。いつになったら収束するのか、不安で一杯だろう。今後、激しい風雨が予想されているが、被害はさらに拡大するのではないか懸念される。

 地震大国日本、こういった地震はどこで起こるかわからない。首都圏を襲ったらどうなるのか、原発を直撃したらどうなるのか、今回の連続地震を見て、改めて大きな不安に襲われる。


2016.4.15.(金)

札幌にて

 朝8時の全日空便で札幌へ。千歳空港から札幌サンプラザに向かう。早めの昼食のあと、12時過ぎから小山内美智子さんと対談。途中休憩をはさんで3時間の長丁場であり、そのあとは私の講演会。その講演会の「ご案内」の一部を引用する。「この度、浅野史郎氏は対談集を出版するにあたり、小山内美智子さんとの対談で来道することになりました。北海道とは30年以上の深いお付き合いのある氏の講演会を開催する運びとなりました」。

 という次第で3時半からの講演会の冒頭は、私と「30年の深い付き合いのある」小林繁市さんが私を紹介した。「北海道の障害福祉の恩人です」といったようなことを言いながら長く続きそうだったので、「小林さん、そのくらいで」と待ったをかけてしまった。次に、小山内さんを壇上に迎えて、短いあいさつをしてもらった。その後の講演を始めたが、(狭い)会場にあふれるばかりの聴衆、その半分以上が若者というのに気を良くして、いつも以上に力の入ったものになった。

 夜は、宿泊のホテル内のお店で会食。5人だけの会食で、そのうちの橘文也さん、加藤孝さんとは30年のつきあい。当時札幌市内で「のびろ学園」を運営していた橘さんは、私と同年輩。「のびろ学園」の視察を終えてすすきのに向かうタクシーのラジオが「JAL機が墜落し、乗員名簿に坂本九さんの名前がある」というのに衝撃を受けた。九さんは、「サンデー九」というローカル番組でのびろ学園を何度も訪れており、橘さんとは友だち付き合いだった。加藤さんは、知的障害者の入所施設「手稲この実寮」を平成20年に「解体」した実績のある信念の人。二人との話は、「日本昔話」さながらに、北海道の知的障害者福祉を育てた「昔の人」の名前がたくさん出て、いつまでも続いた。


2016.4.13.(水)

今学期の授業開始

 今日が私にとって、神奈川大学での今学期の初授業である。3時限の「基本行政学」は13時から始まるのだが、12時半過ぎには教室入りであった。昨年度の初授業では、300人以上の学生が詰めかけて教室に入りきれず大混乱したことが頭にあったからである。結果的には、履修者は多すぎず、少なすぎず、教室にピッタリ収まった。出席カードの枚数で確認したら、234人の出席だった。

 4時限は「法学政治学ゼミナールV」。昨年度から引き続きで4年生が履修する障害福祉論である。昨年度の20名から13名に減った。ゼミとしては、適正規模である。履修意欲の高いものが残ったということだろう。

  今学期から5時限も担当する。「法学部基礎演習」で、ゼミは初めてという2年生が履修する。内容は障害福祉論である。11名が出席。私の自己紹介を詳しめにして、今学期のゼミの進め方を説明した。そのあと、ゼミ履修の理由も含めた自己紹介をしてもらった。そこに、4時限のゼミを終えた「先輩」二人が教室にやってきて、「このゼミはためになるよ。視野が広がるよ」といったスピーチをした。これで、今日の11人はますます履修意欲が湧いたかもしれない。

 今日は、授業のことだけで了とする。


2016.4.11.(月)

G7外相が広島市の平和記念公園訪問

 神奈川大学での諸手続きのため、久しぶりにキャンパスへ。学生があふれている。今日から今学期の授業が始まる。私の授業開始は、明後日水曜日だが、なんとなく気持ちの上の予行演習のようなものだろうか。

 広島市で開催中の先進7カ国(G7)外相会合に参加する各国外相が、今日午前、平和記念公園(同市中区)を訪問し、慰霊碑に献花した。核拡散防止条約(NPT)が定める核兵器国の米英仏の外相が平和記念公園を訪れるのはこれが初めてである。その前に平和記念資料館を訪問したが、そこで彼らを何かを感じたはずである。広島に原爆投下したアメリカのケリー国務長官も訪問したのは喜ばしいことである。ケリー国務長官 は原爆投下を謝罪することはなく、岸田文雄外務大臣との会談では「今回の訪問は、過去についてのものではない。現在と未来のためだ」と語ったらしいが、今回の訪問ではそこまでで上出来である。これで、5月のオバマ大統領の広島訪問につながる可能性が出てきた。


2016.4.10.(日)

のんびり日曜日、うれしい日曜日

 昭和34年(1959年)の4月10日は、皇太子殿下と正田美智子さんのご成婚というおめでたい日だった。ご成婚パレードには53万人が沿道を埋めつくし、テレビ中継は79.9%の視聴率を記録した。学校は休日になり、当時小学六年生だった私は、これからは4月10日が祝日になるものと信じていた。あれから57年。天皇陛下と美智子皇后は共にお元気で仲睦まじくされているのは、喜ばしいことである。4月10日がご成婚記念日であることを知る人は少なくなり、新聞・テレビでそのことに触れる記事は見当たらない。

 日曜日は、新聞記事も穏やかなものが多いような気がする。朝日新聞3面には18歳選挙権に向けての連載「私たちも投票します」の第3部「投票するために選挙の仕組みを知る」の第1回「衆議院と参議院の違いは」が掲載されている。気鋭の憲法学者の木村草太さんが、6月から選挙権を得るAKB48の3人にわかりやすく説明するという形である。

 その中で、木村さんが「首相は自分の判断で、衆議院を解散して選挙ができる」という発言をしている。3月22日のジョギング日記「衆参同時選挙はおかしい」で「内閣総理大臣がいつでも好きな時に衆議院を解散できるというのは、(憲法解釈としても)おかしい」と書いたばかりである。実は、その時、「これは木村草太さんに教えてもらおうかな」ということが頭をかすめた。安保法制は違憲だと明確に主張する木村さんなら、首相の解散権についても疑義をはさむのではないかと期待するところもあった。あらあら、これでは期待はずれ。

 こんなところで今日の日記は終われない。わが楽天イーグルスが満員の本拠地コボスタ宮城で、大谷翔平(22)相手に日本ハムを1対0で破った。7回まで釜田佳直(23)がゼロに抑え、松井裕樹(21)が最終回を締めくくり、ルーキーの茂木英五郎(22)が決勝打。勝利の瞬間には、光子とともに「ヤッター」と快哉を叫んだ。いつまで続くかわからないが、しばしパ・リーグトップの座を守って欲しい。うれしい日曜日でした。  


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