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ジョギング日記 8月第5&6週分             

2015.8.29(土)

がん医療のシンポジウム

  雨まじりの涼しい日。午後から、東大病院内の会議室で「「これからのがん医療を考えるための公開シンポジウム」に講師として参加。講師一人30分ずつで6人の講師が登壇。私は「患者の心構え」ということで30分話した。他の講師の演題は「胃がん・食道がんの最新治療」、「T細胞レパトア解析」、「治療中の外見変化へのケア」、[進化し続ける宇宙の中で、今を生きるわたしたち]、「一緒に悩んで決める医療」というもの。聴講者は100人ほど。患者、サバイバー、その家族、医療関係者という人たちのようだ。4時間のシンポジウムを熱心に聴き入っている姿が印象的である。

 こんなシンポジウムに、これだけの人が集まる。がん治療への関心が高まっていることを感じる。元患者のサバイバーとしては、こういった会合に出て話しをすることも、命を助けてもらった患者としての恩返しの仕方かなと考えている。


2015.8.27(木)

サバイバー仲間と一緒の受診

  月に1回の受診で築地の国立がん研究センター中央病院へ。待合室で、いずれも田野崎先生に診てもらっているATLサバイバーの安河内真美さん、田中さん、仙台からの小池さんにお会いした。安河内さんは、移植から10年の大先輩。私が闘病中に、安河内さんがテレビ番組(テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」)に元気で出演している姿を見て、「自分も助かるぞ」と勇気をもらった。小池夫人は安河内さんと初対面。安河内さんを光子と思い込んで話していて、途中で「ああ、違う」と気がついたとのこと。

 田野崎先生の診察は、安河内さん、田中さん、小池さんの順番で診察を終え、皆さん順調だということを聞いてから、私の番になった。CRP(炎症反応)の数値が0.33とまだ高い(正常値上限0.10)。「まだ風邪が治りきっていないのでしょう。気をつけてください」との注意あり。いつもよくないクレアチニン(腎機能)の数値が改善されるなど、その他の検査項目はおおむね正常値。全体としては問題なしということで、診察を終えた。

 帰りの東海道線の電車内で、光子と「最近、電車の事故で混乱することが多いよね」という話をしていた。その電車が川崎駅に到着する際に、ドンという衝撃があった。すぐに警報音が鳴り、何ごとかと思っていたら、「人身事故が発生し、しばらく停車する」という車内放送があった。ホーム上を駅員だけでなく、県警の警察官も行ったり来たりしている。ドアは開かない。20分ほど経ったところで、「1号車のドアは開いています。お降りになる方は1号車まで移動してください」との車内放送があり、それにしたがって、電車を降り、京浜東北線に乗り換えて、なんとか横浜駅まで辿り着いた。いろいろなことがあるものだが、電車に閉じ込められたのがこの程度で済めばよしとしなければならない。  


2015.8.26(水)

半田市での講演

 愛知県半田市で、知多信用金庫主催の講演会。主に半田市に事業所のある経営トップ・幹部の方々約百名が受講者である。全員男性というのも、珍しい。そんな中で、地方創生について90分語る。受講態度が熱心で、真面目で、「ここは笑ってもらうところなんだけど」というところでも、笑いが起きない。こういうのは、結構やりにくいものである。それでも、こちらも力を込めて、真面目に話をさせてもらった。

 会場に中京医薬品社長の山田正行さんが来ていた。8年前にも、別件でお会いしたが、元々は30年以上昔に、全国青年会議所の福祉部会のヨーロッパ視察に私が随行していったときのメンバーとして知り合った。社長の肩書はその時と変わらない。「ずいぶん長く社長やっているんですね。そろそろ後進に席を譲らないといかんのでないの」と茶々を入れたが、やはりやめられない事情があるらしい。

 講演後の懇親会では、「岐阜市で当時の改革派知事さん方が集まった時に、いただいた色紙です」とその色紙を見せてくれた人がいた。日付は「2000年8月27日」となっている。「この色紙の言葉に勇気づけられて、ここまでやってきました」と言われてしまった。いろいろな出会いがある講演会だった。

 「今度は泊まりがけで来てください」という声に送られて、会場を去った。家に着いたのは8時半。半田市は意外と近いんだと少し驚く。なにしろ会場のほかは、どこへも行っていない旅だった。呼ばれたら、今度はいろいろ見せてもらおう、また行ってみようかなという気になった。  


2015.8.25(火)

耳は万全

 今朝は、気温22℃で風もあり、急に涼しくなった。最高気温も23℃で、今までの暑さから様変わり。また暑さが戻ってくるだろうが、確実に秋に向かっている気配が感じられる。

 「寝耳に水」を1週間続けて、今日はその成果を実感する日である。歩いて1分の「はくらく耳鼻咽喉科クリニック」へ行く。15人ほどの患者が待合室で診察を待っている。結局1時間半以上待って、生井医師の診察を受ける。もう何度もお願いしている左耳の鼓膜に張り付く耳垢除去作業である。今回は、「寝耳に水」の効果もあり、ほぼ完全に除去できた。作業が終わって、「痛みは我慢できる程度でしたか」と生井医師は訊ねてくる。「はい、大丈夫でした」と私。聴こえも完全に元に戻った。今回も生井先生、ありがとうございました。  


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