浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 5月第5週分            

2015.5.31(日)

「ドリプロフェスタ2015発表会」

 午後から、横浜ラポールでの「ドリプロフェスタ2015発表会」に出席。場所は、横浜ラポールである。障害者スポーツ文化センターとして使われており、設備内容が充実している。主催はNPO法人「ドリームエナジープロジェクト」である。内海智子・邦一夫妻が理事長・副理事長を務める。智子理事長がぷれジョブ藤沢の事務局長を務めている。そのご縁で、私もこのプロジェクトに関わることになった。その「ドリプロスクール」は開校して2年。知的障害のある子を対象に、歌、ダンス、英会話、コミュニケーション、書道、絵画のレッスンをする。講師はその道の専門家であり、無償で引受けている。今日の発表会が、レッスンの成果を発表する初めての機会となった。

 コミュニケーションは、講師を務める内海邦一さん自作のショートコントを内海さんと生徒の掛け合いで進める。「剣道を教えてください」→「メンドーだ」といった具合である。歌は合唱で「勇気100%」、「ビリーブ」などを講師の先生の助けも受けながら披露する。音程が狂うところもあるが、実に楽しげに歌うのでそんなことは帳消しである。個人発表の部では3人が独唱した。ダンス独演では「ルパン三世のテーマ」に乗って素敵なダンスを披露した。感心したのは、「白鵬のコマまわし」のパフォーマンス。かなり肥満の子が白鵬に扮して土俵入りを演じ、その後、コマ回しのパフォーマンスも巧みに披露する。笑いを取りながら、なかなかのものである。

 2年のレッスンの成果が出ていて、少しだけ関わった私としてもとてもハッピーな気持ちになった。ますますの発展を祈っている。


2015.5.30(土)

「生涯学習・エクステンション講座」

 土曜日の朝5時からはニッポン放送「徳光和夫のとくモリ歌謡曲」を聴く。今朝一番で徳光さんが声を発したのは「昨日の巨人対楽天戦での19歳松井裕樹のクローザーは見事だった」というコメントだった。コテコテの巨人ファンである徳光さんも脱帽というところ。もちろん試合は楽天が勝ったし、徳光さんのこのコメントもあり、朝から大変気分がいい。気分がいいままに、朝の散歩とラジオ体操に出かける。いい天気の中で、適度に身体を動かして、なおさら気分がよくなる。

 そのままの気持ちで午後からは、神奈川大学の「生涯学習・エクステンション講座」で、一般市民向けに「ほんものの地方創生とは」という講演をする。これで3年目だが、今年は会場がみなとみらいのクイーンズタワーA棟14階の「KUポートスクエア」に変わった。目の前に大型観覧車が見えるし、その遠景にはベイブリッジが見えるのに、気分がますますよくなる。おかげで講演も快調で、40人弱の熱心な受講生に感銘を与えた(と思う)。

 すべて気分がいい土曜日と言いたいところだったが、今日の巨人戦で楽天が延長11回で負けてしまった。


2015.5.29(金)

再び、安保法制審議について

 早朝の散歩とラジオ体操以外は、一日中自宅に籠っていた。午前中は、次回の「地方自治論」の授業のレジュメづくり。レジュメの大方は昨日までにできていたが、「宿題の出来が秀逸だったもの」の作成が残っている。250人分の宿題に目を通し、「秀逸なもの」を選んで、昼前に作業終了。

 安全保障法制を審議する衆議院特別委員会の状況が、新聞、テレビの報道から伝わってくる。「重要影響事態」の判断基準や自衛隊が他国軍に後方支援を行う範囲について、安倍晋三首相らが野党側から追及を受けている。昨日は、民主党の辻元清美議員が中谷元防衛大臣(この方、現職です)を指名して質問したのに対し、安倍首相が答弁を続けたことに辻元議員が怒った。「中谷大臣に訊いているんです。ソーリダメ、ダメ」を繰り返す。私の勘ぐりだが、安倍首相は中谷大臣の答弁が心許ない、失言するのではないかと心配して、中谷大臣に答弁させなかった。普通はこの逆で、野党議員が総理大臣を指名しているのに大臣が答えるのに対して、議員が「ソーリ、ソーリに訊いているんですよ」と怒るものなのだが。

 1960年の日米安全保障条約の改定を審議する国会の様子をテレビ中継で見たのを思い出す。社会党の横路節雄衆議院議員(横路孝弘議員の父親)が岸信介首相に対して、「極東の範囲はどこからどこまでか」と執拗に迫っていたのが印象に残っている。あの時の安保改定より、はるかに重要な日本の安全保障政策の転機であるのに、今の国会での野党の追及が、今のところは、まだまだ手ぬるいのが気になっている。


2015.5.27(水)

ゼミに「驚くべき」ゲスト

 神奈川大学の障害福祉論のゼミに、NPO法人「一の会」代表の梅林圭子さんにゲストでおいでいただいた。これが驚くべき経緯で実現した。自宅近くの一の会の作業所に昨日の夕方出かけていって、梅林さんに「明日大学に来てください」と依頼した。急なお願いなのに快く応じてくださり、ゼミへの来訪とあいなった。偶然はこの後である。梅林さんのお話が30分ほど経ったところに、一の会の利用者2人と援助者が教室にやってきた。たまたま1週間に1回の神奈川大学キャンパスでの商品(和菓子中心)販売の日で、その販売が終わったところで梅林さんに合流という次第である。

 一の会は、公務員を早期退職した梅林さんが、退職金をはたいて11年前に始めた就労継続事業所B型の事業所を運営している。精神障害者の職場復帰を援助する目的の事業所で、梅林さんの娘さんと同じような障がいを持った人たちのための仕事をしたかったというのが動機とのこと。利用者が売り残した和菓子が、丁度出席者分あり、学生がこもごも買い求めて、授業中に食べるということにあいなった。そして、利用者2人からも話があった。ゼミの後半は、梅林さんの活動について、学生からの質問タイム。梅林さんが、実に的確に答えていただいて、学生ともども感激した。ということで、突然のゲスト依頼が有意義なゼミの時間として結実した。こういうこともあるんだな、が私の感想。梅林さん、素晴らしい講義をありがとうございました。

 3時限の「地方自治論」の授業のほうは、「地方議会とは何か」がテーマ。レジュメとパワポを両方使って、わかりやすく説明したつもりだが、それでもまだ行政と議会の区別がつかない学生がいるのではないかとの不安が去らない。出席カードの記述を念入りに読めば、区別つかない学生が何人いるかがわかる。今日の作業では、そこまでいかない。作業は明日回しとなる。


2015.5.26(火)

安全保障関連法案の審議入り

 久しぶり、実に11日ぶりの散歩に出る。ラジオ体操の仲間に、「顔色はとてもいいじゃないですか」と声を掛けられる。「風邪引いて、少し大事をとって休んでました」という私の説明への反応である。天気はいいし、風に吹かれて歩いていると、「生きている感」(こんな日本語ありません)で胸が一杯になる。健康第一、健康でなければこんな清々しい経験はできない。健康にありがとうという思い(こんな表現もありません)である。

 安全保障関連法案が、今日、審議入り。野党は慎重審議を要求するの一点張りだが、大事なのはその審議の中身である。個々の問題点を追及するのだろうが、そこに入り込む前に、「なぜこんな法案が必要なのか」、「この法律により、これまでの日本が築いてきた諸外国(欧米諸国を除く)からの信頼を覆すことになる」といったことをこそ徹底的に追及していくことが先である。そうでなければ、中身に入れない。中身の議論に入ってしまえば、法案の大枠、基本的思想性を認めたことになってしまう。

 具体的には、専守防衛に徹する日本の基本姿勢が諸外国の信頼感を醸成してきたことは間違いない。集団的自衛権の発動、自衛隊の海外派遣、戦争をする国への後方支援といったことは、この信頼感を揺るがすことにつながる。諸外国からの信頼という貴重な財産を危うくすることによって得るものはない。この辺のところが、まずは徹底審議を要するところである。

 具体論に入っての、私の疑問もある。安保法制があったとしたら、日本はベトナム戦争において米国を支援することになったのだろうか。後方支援をする国は「敵方」から見れば、敵国である。その「敵方」から日本が報復を受けない保障はあるのか。こういうことは、審議の中で取り上げられるのかどうか、それに対して政府側はどう答えるのか、多大の興味をもって見守っていきたい。


2015.5.25(月)

父親育児休暇の勧め

 築地のがんセンターへ。定期受診の日程を前倒ししての受診である。本来の日程に、別日程が入ってしまったこともあるが、先週の金曜日に風邪症状になったことも、日程を早めた理由である。

 いつもより空いている院内で、いつもどおりの血液検査、吸入を済ませ、田野崎隆二先生の診察を受ける。風邪の影響でCRP(炎症反応)の値が高いことを除けば、すべて順調である。「その調子でやってください」の声に送られて、診察室を辞去する。

 塩崎恭久厚生労働大臣が省内の若手男性職員とその上司を大臣室に呼んで「育児休業を取りなさい。上司はそれを勧めなさい」という業務命令(?)を発した。夕方のテレビニュースで知った。果たして、該当者のうち、何割が実際に育児休暇を取るか。私が現役職員のときには、育児休暇を取るなど考えられなかった。上司に願い出ても「お前、何を考えてるんだ」と言われてしまっただろう。実際、男性職員で育児休暇を取る例は一件もなかった。厚生労働省が男性の育児休暇を推進しているという立場もあるのだろうが、時代が変わったものだ。是非、厚生労働省が率先して父親育児を進めてもらいたい。


2015.5.24(日)

大相撲千秋楽観戦

 昨日のミュージカル観劇に続いて、今日は大相撲観戦。本場所を見るのは、これが3回目。25年ぶりぐらい。聡子の所属している弁護士事務所の上司の方が知り合いから招待されたのをこちらに回してくださった。「ご両親もどうぞ」ということで、我々夫婦と聡子、上司の方の四人で向正面のマス席で相撲観戦とあいなった。

 千秋楽で、幕内取組前に協会挨拶がある。その後土俵入り。それに間に合うよう、14時半過ぎには席についていた。十両の取組の真ん中ぐらいから見たが、その時点で席の3分の2は埋まっている。千秋楽ならでは。

 十両の取組でも十分迫力ある。横綱土俵入りは迫力と様式美。幕内、三役と進んでいくうちに場内の興奮は高まっていく。いつもと違うのは、最大8人が11勝4敗で並んで、史上最大の優勝決定戦になる可能性があったこと。取組が進んで3敗の照ノ富士が勝ったところで、残るは白鵬だけとなった。

 千秋楽の結びの一番は白鵬対日馬富士。日馬富士の速攻と潜り込みが功を奏して白鵬を寄り倒しで倒す。これで同門の後輩に初優勝をプレゼント。日馬富士が勝った相撲を支度部屋で見ていた照ノ富士は、その瞬間に涙、涙になったらしい。「らしい」というのは、我々は土俵しか見ていないから。ともかく、よかった、よかった。おめでとう、照ノ富士。次は本場所をいつ見られるかわからないが、とても印象に残る本場所千秋楽を見られたのは、とてもラッキーであった。


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