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ジョギング日記 2月第5週分          

2014.2.28(金)

受診の連続

 「夜来の雨は6時頃には上がる」という天気予報どおりに、雨が上がった2月最終日の6時過ぎ、勇躍散歩に繰り出した。陽は出ていないが、気温は9℃と高い。雨で雪が一掃された歩道を歩き、時間が余ったので、岸根公園のひょうたん原っぱを一周。その後、ラジオ体操をして帰宅。ラジオ体操参加者が、最盛期の3分の1に減っているのが気になる。さらに暖かくなれば、みんな戻ってくるだろう。

 9時半、宮澤歯科へ。10月8日以来である。特に不具合はないのだが、5ヶ月経っての経過観察といったところ。基本的には、歯磨き励行により、よくケアされていると褒められた。前歯の下3本がグラグラするので、歯間に接着剤を入れて、ぐらつきを防ぐ施術。「前歯の歯並びが悪いのは、子どもの頃、乳歯から永久歯に変わる時の対応がよくなかったからでしょうか」と年来の疑問を宮沢先生にぶつけた。「モンゴロイドはあごが狭くて、その中にすべての歯が入りきれない。そこで、どこかの歯が後退してずれることになる」と宮沢先生は明確に答えてくれた。こういうところがいい。見事接着剤が入って、ぐらつき解消。

 その後、近所の竹内皮膚科で額のかゆさを訴える。肝っ玉おばさんのような元気な竹内先生からは、「ストレスがあるとこうなるのよ」と一刀両断。「ストレスないんですけど」と言い返しても、ガハハハと笑い飛ばされておしまい。昨日のがんセンターでの診察からここまで、24時間で3カ所の医療機関はしごである。

 午後から、川崎市自閉症協会の明石洋子会長と斎藤悦子事務局長が来宅。協会の一般社団法人化を予定しているが、その際の理事就任のお願いである。明石さんとのご縁もある。「喜んで」ということで引き受けさせていただく。  


2014.2.27(木)

がんセンターにて

 TBSラジオ「おはよう一直線」で5時半過ぎに電話出演。「国民年金の保険料納付期間を65歳まで延長する」という案について、生島さんにコメントを求められた。答えるのは非常にむずかしい。消化不良のまま終わってしまった。

 築地のがんセンターでの定期受診。ベナンバックスの吸引、放射線科の伊丹先生の受診、骨密度計測のためのレントゲン撮影、その合間に田野崎先生の診察とメニューが多かった。待ち時間も長いということだが、その時間に病友の南克己さんと情報交換。そこに、退院したばかりの小池さんが仙台から受診にいらしたのに遭遇。仙台の病院ではATLの治療がままならず、南さんの導きで東大医科研→田野崎先生のミニ移植という「王道」を歩んで、無事退院とあいなった。小池さんの奥様とはお会いしていたが、本人とは初対面。「退院おめでとうございます」と声をかけた。「退院はめでたいけど、田野崎先生によれば、これはマラソンの10キロ地点ですからね」と自分が言われたことを小池さんに受け売りする私。これで、ATLサバイバー仲間が一人増えた。とてもうれしい。

 がんセンターでの診察を終えて、日比谷のプレスセンターへ。「第11会企業フィランソロピー大賞」の贈呈式に臨む。企業フィランソロピー大賞は「カネパッケージ株式会社」に、企業フィランソロピー賞は「キャノン株式会社」、「但陽信用金庫、と「日本電気株式会社」に贈られた。贈呈役は、フィランソロピー協会会長の私である。普段は何もできていないが、こういう晴れがましいところで出番がある。橋陽子理事長に申し訳ないと思いつつ、やらせてもらう。贈呈式の後、各受賞企業によるプレゼンテーションと審査員のお一人である渋澤健日本国際交流センター理事長の講演があった。これがとても面白く、ためになった。こういう企業活動がもっと広がるといいのだが。


2014.2.26(水)

NHK籾井会長の失態

 久しぶりの朝の散歩。「最低気温5℃」という天気予報ででかけたが、意外に空気が冷たい。吐く息が白い。それでも、ほぼ無風なので寒くはない。久しぶりの岸根公園では、紅梅、白梅が盛りを迎えている。日が長くなっているので、前回の朝の散歩時と違って、世の中が明るい。朝日が高く昇り、東に向かう帰り道では、日がまぶしい。春がそこまで来ているのを感じる。

 毎年、この時期に小鳩くるみの「こころのうた」というCDを繰り返し聴いている。選曲プログラムに組むのは、「早春賦」(♪春は名のみの♪)、「花」(♪春のうららの♪)、 「ふるさと」(♪うさぎ追いし♪)、「浜辺の歌」(♪あした浜辺を♪)。ついでに、しばらくは「冬景色」(♪狭霧消ゆる)もプログラムに入れる。小鳩くるみの歌声は澄みきったソプラノで、情感もあふれる。聴くたびに、心が洗われる。こういう歌が彼女の声に合っている。

 折角いい気持ちになっているのに、その気持ちに水をさすような人間がいる。NHKの籾井勝人会長、この人かなりおかしいよ。報道人として一番大事なことがわかっていない。会長就任直後に理事10人全員に日付を空欄にした辞表を提出させていたことが、昨日の衆議院総務委員会に出席した理事から明らかにされた。外の誰かに「会長の威令を知らしめるためにやったらどうだ」という知恵をつけられたのかもしれない。ふつうの会社のトップではない。NHKのトップがこういうことをやれば、番組制作の現場を萎縮させることがわからないのか。就任記者会見での慰安婦、靖国参拝などの発言について、NHK経営委員会では「私は失言したのでしょうか」という失言をしている。この人は、もうだめですね。


2014.2.25(火)

ソチオリンピック閉幕

 ソチオリンピックが終わり、メダル8個を携えて、日本選手団が帰国し、成田空港で記者会見を行った。個人銀メダルと団体銅メダルの葛西紀明選手は国際大会出場のためこの場にはいない。高梨沙羅選手の姿がないのも寂しいことである。記者会見では、選手それぞれ、自分の言葉でオリンピックで感じたことを語っているのが印象的であった。次は4年後。4年が長いか短いかは、選手によって違うだろう。何れにしても、選手みんなにとって、今日から、新しい人生が始まる。

 次期オリンピック出場を狙っているわけではない66歳の老人(私のこと)も、穏やかな陽光の中、無心で散歩に出る。無心だから、欲がないから、歩くことそのものが楽しい。こうやって元気に歩けることが幸せ感の元である。「少し愛して、なが?く愛して(サントリーレッドの広告by大原麗子)」の心境。無事これ名馬ともいう。

 無事でないのが、「戦争ができる国」を目指しているのではないかと疑われる安倍政権である。安倍晋三首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の北岡伸一座長代理は憲法第9条第1項の「国際紛争」の解釈を変更するよう、首相への報告書に盛り込む考えがあるらしい。「国際紛争を解決する手段としての武力行使を永久に放棄する」という規定の中の「国際紛争」は、「日本が当事者である国際紛争」と限定的に解することによって、PKOでの武器使用(いわゆる「駆けつけ警護」)は自衛隊に認められるとするものである。

 一方、体調不良のため入院していた小松一郎内閣法制局長官が公務に復帰した。小松長官は、集団的自衛権の行使容認の方向での憲法解釈変更に意欲を示している。こんな大事なことが解釈変更でできるとすれば、「日本の憲法って、一体なんなんだ」という批判を内外から受けるだろう。「どうしてもやりたいなら、憲法改正でやりなさい」というのが私の意見であり、2月21日(金)の日記にもそう書いたところ。あっちもこっちも「戦争ができる国」にしたい人たちが一杯。戦いはオリンピックだけにしてもらいたい。


2014.2.23(日)

東京マラソン

 皇太子殿下の誕生日。1960年(昭和35年)生まれだから54歳。いろいろご苦労がおありになるだろうが、それを乗り越えてきた自信が滲み出ている。貫禄がついたとも、大人になったとも違う。私の中では、細やかな心配りの好青年のままである。

 東京マラソンの日でもある。絶好のマラソン日和で、気持ちよく走れたことだろう。最も気持ちよく走ったのが宮根誠司さん50歳。5年前の初挑戦では、公約の4時間30分が切れずに、公約通り丸刈りになった宮根さんだが、今回は4時間15分57秒(ネットタイム)で見事に公約クリア。5年前の私のタイムとほぼ同じである。「ミヤネ屋」に出演のたびに、宮根さんに「素人でも4時間15分で走る秘訣と練習法」を伝授してきたにわかコーチとしても、とてもうれしい。

 5年前の東京マラソンで使ったシューズを履いて、散歩にでかける。病気前は、年間150キロ走っていたので、大体1年でシューズを履きつぶしていた。今のシューズを履きつぶすのはいつのことだろう。それなりに足になじんだシューズは捨て難い。履き心地は抜群である。ジョギング用のシューズを目的どおりジョギングで使うのはいつの日か。東京マラソン出場は夢のまた夢である。


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