浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 11月第3週分          

2013.11.6(土)

小春日和の一日

 朝から暖かい。日中はさらに暖かい。これで平年並み。小春日和というのだろう。北アメリカではindian summer、ヨーロッパではold wives summerという。  その小春日和の中、関内のラジオ日本ビルで開催の第5回「かながわ維新塾」に特別講師として招かれ、講演をする。テーマは「改革派知事と呼ばれて!宮城県での挑戦!!」というもの。これは主催者のネーミングである。知事と議会との関係、議会と議員のあるべき姿を話したあと、維新の会の政策を意識して、道州制はやめなさい、TPPは進めなさい、原発はやめなさいといったことまで論及した。40名の聴講者はどう思ったかは知らない。

 小春日和とは関係ないが、今朝の朝日新聞に「都vs国 税源バトル」という記事がある。法人住民税(都道府県税)の一部を国税にして、それを地方交付税にあてることを国が検討しているというものである。東京都は自治体の中でも法人住民税を最も多く集めている。大企業が日本一立地しているから、当然である。その一部を国税として国に持っていかれるのだから、都が反発するのはわかる。

 これは地方vs国のバトルとはちょっと違う。国税となる法人住民税の一部は地方交付税に充てられる予定である。東京都、神奈川県、愛知県、大阪府と違って、法人住民税の収入が少なく、財源不足に悩む自治体にとっては、地方交付税が増額されることは朗報であるからである。

 ちょっと専門的になった。そうだ、これを神奈川大学の「地方自治論」の次回授業で紹介しよう。次回のテーマは「地方財政と予算」だから丁度いい。学期末試験の問題にも使えそうだ。


2013.11.5(金)

冬が来る前に

 「だいぶ暖かいね」、「今までと全然違う」。そう、このところの横浜の最低気温は、7.6℃、6.7℃、5.6℃と推移して、今朝が約10℃。岸根公園に集まる人が「全然違う」という体感は、私も同じ。風もなく、暖かい。これで平年並みということだろうか。明日以降も暖かい日が続く。「♪♪冬が来る前に♪♪」もう何度か散歩を楽しみたい。

 このところ、訃報が相次ぐ。92歳、85歳、66歳、そして島倉千代子75歳。66歳というのは、仙台二高第18期の横尾一正君である。高校時代は山岳部で名を馳せた。面倒見がいい好漢である。同期生からの連絡で知ったが、彼を知るすべての人たちから好かれており、早過ぎる逝去を惜しむ声があふれている。同期生が亡くなってゆく。我々も、そういう世代に至ったということである。そんなことを、何とか命が助かった同期生(私のこと)がしみじみ思う。横尾一正さんのご冥福を心からお祈りする。


2013.11.14(木)

多摩大学で講義

 寒さにも慣れた。風がなければ、寒くない。身体が慣れた。ラジオ体操の参加者が減っていない。なにしろ、365日休みなし、厳寒の中でも続けるのが、岸根公園ラジオ体操の伝統らしいのだから。

 午後から、多摩大学の「寺島実郎監修リレー講座」にて講義。この講座への出講は、これで4回目である。今回は「地域が支える福祉」というテーマでの1時間15分。聴講者は、一般からの応募できている。有料の講座で、1講座あたり1000円の参加料を払っているからというからではないのだろうが、聴講態度がとても熱心。聴講者には多摩大学の学生も必須授業として混じっている。以前の講義では、学生の聴講態度が良くないのが気になったが、今回は全く違う。とても立派な態度であった。それもこれもあって、講義するこちらも熱が入り、気持ちのいい講義をすることができた。


2013.11.13(水)

小泉氏の原発ゼロの持論

 昨日の今季最低気温を破る6.8℃の朝だったが、装備十分の身にはなんということない。同好の士もそのようである。一緒にラジオ体操で身体を動かせば、寒さなど感じない。

 神奈川大学で「地方自治論」(第8回)の授業。元北海道警察釧路方面本部長の原田宏二氏をゲストに迎えての講義である。原田氏は、「市民の目フォーラム北海道」の代表を務め、警察組織の問題点を外に向かって発言している。私とは、警察の裏金問題でいろいろ教えてもらった関係で親交が続いている。話の内容は、警察の捜査とプライバシー、冤罪とマスコミ報道、そしてマスコミと警察の癒着など、警察内の暗部を説明する。学生のリアクションペーパーには、「驚いた、知らなかった」のコメントが多数だった。 北海道からわざわざおいでいただき、学生に貴重な講義をしてくださった原田さんに、心から感謝申し上げる。

 小泉純一郎元首相が、日本記者クラブで原発ゼロの持論を繰り返した。私の場合は、「原発ゼロにせよ」ということを声高に言わずとも、再稼働は無理なのだから、結果的に原発ゼロになるという見方を以前からずっと続けている。見方、見通しであって、「こうあるべし」という論ではない。福島原発事故の実態もわからないのだから、原因もわからない。再発防止の方策は出るはずもない。そういった中で、原発再稼働に「ゴー」と言えるはずもないでしょ。これが私の「見通し」である。繰り返すが、「論」ではない。理屈は違うが結論は小泉氏と同じ。

 小泉氏の「原発ゼロ」の論は、いろいろな場面で議論を巻き起こすだろう。これは見通しではなく、「そうあるべきだ」という私の持論である。安倍総理をはじめとする政府側、そして自民党内には、小泉論を無視する方向が固まっているようだが、それで済むのかどうか。結論はともかく、大事な議論を回避してはならない。


2013.11.12(火)

フィリピンの台風被害

 今季最低気温に敬意を表して、今朝の散歩は中止とした。7.8℃なんて、歩いて、運動している身には、どうってことない。こんな程度で散歩休止となれば、今後3月までずーっと中止となってしまう。無理はしないが合理的な判断はお休みしない。

 日程表を眺めていたら、大学の次々回授業のレジュメは、今日中に作成しておかないと間に合わないことに気がついた。ということで、レジュメ完成。これに、明日の授業で回収する出席カードと宿題の評価を加えればいい。締切ぎりぎりであわてることのないよう、これからも心がけよう。

 フィリピン中部レイテ島での台風30号被害は、甚大である。日本からは自衛隊が派遣され、各国からの救援の手が差し伸べられている。その一方で、住民が略奪行為に及んでいる映像が流れ、被災者が支援を求めて怒り、泣き叫んでいる様子が報道されている。東日本大震災、阪神淡路大震災の時には、略奪行為など一つもなく、被災者同士が助け合い、落ち着いて支援を待つ姿に外国から驚きと賞賛の声が上がった。アメリカ南部にハリケーン、カトリーナが襲った時も、住民の略奪行為はあった。日本が例外なのである。今回の台風被害が甚大だっただけに、フィリピンの被災者と比べることはできないが、そんなことも思い出している。


2013.11.11(日)

インフルエンザ予防接種

 11時11分11秒には東横線で帰宅途時だったが、「ビンゴ!」というのを逃してしまった。11月11日だから1の10並びである。朝方は、これを意識していたのだが、最後の詰めが足らなかった。2011年11月11日の1の12並びの時には、用意周到にアラームを掛けておいたので、見事に「ビンゴ!」を当てた。今日の失敗で2年連続の「ビンゴ!」逃しである。

 東横線で出かけたのは、横浜駅東口のクリニックでインフルエンザの予防接種を受ける用向きである。毎年恒例の「行事」。愛想のよくない医師による接種だが、効果には変わりない。これでインフルエンザ対策は万全だが、外出時のマスク着用、帰宅時のうがい、手洗いの励行は続ける。

 午後から、「自治日報」の原稿「国任せでいいのか」を完了。国の財政が厳しいから、地方公務員の給与を削減し、その分の地方交付税を減らす。ごみ焼却場の改修に国からの交付金を当てにしている自治体に対して、交付金が削減される。自治体は黙って受け入れるしかないのか。アジ演説調になってしまった。


2013.11.10(日)

島倉千代子さんご逝去

 日曜日なのにプロ野球がない。シーズン終盤は、楽天のリーグ優勝、CS勝ち上がり、日本シリーズ7回戦と、楽天ファンとしてハラハラドキドキの1ヶ月だったから、なおのことプロ野球シーズンの終わりの喪失感が大きい。NHKの朝ドラ「あまちゃん」が終了して、日本中至るところで「あまロス」現象に覆われたのと同じような、「野球ロス」現象である。これが解消には、来年3月末のプロ野球開幕までかかる。開幕しても、「田中ロス」に悩んでいるかもしれない。

 「あまロス」は私にもあった。しかし、それは次の朝ドラが始まるまでのことである。あまり期待しないで見始めた「ごちそうさん」が面白い。主人公め衣子(杏)の食いしん坊ぶりが痛快である。東京から大阪に舞台を移し、文化、言葉、食べ物、味付けまで違う中でのめ衣子の奮闘ぶりが見もの。夫の姉が憎まれ役として存在感がある。「あまちゃん」には、悪い人は誰も登場しなかったのと好対照。「ごちそうさん」のほうが、NHKの朝ドラとしては、正統派だろう。たった1日のミニ「ごちロス」、明日の再開が楽しみである。

 島倉千代子さんが亡くなった。今年は、藤圭子さんが早過ぎる旅立ちをした。歌手ではないが、岩谷時子さんのご逝去もショックだった。お亡くなりになった後には、それぞれが残した作品をよく聴いた。島倉さんの「この世の花」は絶品である。こんなにも歌のうまい人だったのかと改めて実感した。島倉さんは、実際にお目にかかったことのある数少ない歌手である。それだけに、今回の突然の訃報は衝撃だった。「からたち日記」、「東京だよおっ母さん」の可憐な歌声、「愛のさざなみ」、「人生いろいろ」の余裕の歌いっぷりを聴きながら、ご冥福をお祈りする。


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