浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 11月第1&2週分           

2013.11.9(土)

骨髄バンク全国大会

 千葉市の京葉銀行文化プラザ音楽ホールで「平成25年度骨髄バンク推進全国大会」が開催された。1時間の式典の後のイベントでドナーコーディネートのロールプレイング100分があった。これが、臨場感があってわかりやすい。通常行われるシンポジウムなどより、ずっといい。私はこのロールプレイについて感想を25分申し上げる。素晴らしいというコメントは決してお世辞ではない。

 楽天の三木谷浩史社長が大忙しである。楽天イーグルス日本一のお祝いで忙しいのはうれしい悲鳴だが、楽天市場の店舗が日本一に悪乗りして、定価を上げておいての77%OFFなんてことをやらかすのには苦しい悲鳴を上げる。そして、薬のネット販売が全面的に認められないのには、激しい反応である。こんなことやるなら、政府の産業競争力会議の委員辞任すると啖呵を切った。薬の安全性を言い出すなら、対面販売だって変わりない。政府、厚労省の措置は、言いがかりのようなものではある。結果はどうであれ、きっちりした議論はすべきである。三木谷さん、がんばれと言いたい。


2013.11.8(金)

特定秘密保護法案

 特定秘密保護法案が、昨日、衆議院で審議入りした。問題が多い法案である。制定の趣旨はもっともらしい。心配なのは制定後の運用の部分である。なぜ心配かは、情報公開法の運用状況を見ればわかる。

 政府の作成文書は開示が原則なのに、政府側が開示したくない情報は非開示にされる。はなはだしきは、書類そのものを廃棄してしまう。情報公開法の制定趣旨に反する、こういった行為がまかり通る情報公開法の運用を見ていれば、特定秘密保護法がどのように運用されるのかは容易に推測できる。

 政府は、ともかく、秘密はオープンにしたがらないものである。その秘密の中に「不都合な真実」が含まれていれば、絶対にオープンにされないような術数を駆使する。情報公開法が第一幕とすれば、第二幕は特定秘密保護法である。作者も演出者も同じ第二幕の演じられ方は、幕が開く前からわかっている。まさに、筋書きどおりである。


2013.11.7(木)

「ミヤネ屋」でほぼ一日

 読売テレビ「ミヤネ屋」出演で大阪へ。2時間半の新幹線はのんびりくつろげる特別の空間である。文庫本を読みながら、時々窓外の景色に目をやる。本を読むのに夢中になっているうちに、気がついたら新富士駅はとうに過ぎていた。この天気では、どうせ、富士山は見えなかっただろうとサワーグレープ(負け惜しみ)に逃げ込む。

 番組は、若田光一さんがアジア人初の船長として乗り込むソユーズの打ち上げ、24億円不明と厚生年金基金元事務長のタイでの逃亡生活、華原朋美交際発展か、などの話題。若田光一さん関係でコメントしたかったのに出番なし、その他の話題でちょこちょこコメントということで終わる。  


2013.11.6(水)

日程3連続の日

 13時から神奈川大学で「地方自治論」の授業。14時30分に授業を終えて、渋谷へ。NHKにてEテレ「リハビリ・介護を生きる」(11月21日(木)20:00?20:29OA)の収録。19時から横浜インターコンチネンタルホテルにて横浜ベイロータリークラブで「講演」。講演後、著書にサイン、食事があり、帰宅が遅くなる。  三連ちゃんの日程だけを記した日記になってしまった。


2013.11.5(火)

楽天日本一の余韻

 二夜明けても、楽天日本一の余韻は残る。今朝のTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」に電話出演。生島さんから振られたのが、楽天日本一の話題。待ってましたとばかりにべらべらしゃべった。その後は、いつもどおり、生島さんからいろいろな話題が振られる。

 ラジオ出演後、時間があったので、少しだけ散歩に出る。「朝方は寒い」という天気予報とは違って、寒さは感じない。天気予報を信じたので、フリースの上に厚手のウインドブレーカーを重ね着して、ぶかぶか姿である。思わず「暑い」と声が出てしまう。

 「年金時代」12月号の「新言語学序説」に「野球の言葉について」を書く。楽天イーグルス日本一に関わる言葉を連ねて、それぞれコメントするというもの。楽天日本一の余韻が残っているので、すいすいと筆が進む。取り上げた言葉は、「おらほの球団」、「バーン」、「魂で打ちました」、「マー君、神の子、不思議な子」、「不敗神話」、「見せましょう、東北の底力を」そして「ありがとう」。これで原稿1本が完成。ネタ切れで悩む中、楽天が救ってくれた。


2013.11.4(月)

熱狂の一夜が明けて

 楽天イーグルスの日本シリーズ優勝から一夜が明けた。テレビ各局のニュース、報道番組はこのニュース一色である。チャンネルを回しながら、そのニュースを追う。何度見ても感激する。

 優勝決定は11月3日、東日本大震災3.11の逆の11.3である。前日の第6戦で「無敗神話」の田中将大が160球完投で、まさかの敗戦。これで3勝3敗のタイとなり、ないはずの第7戦となった。 その最終戦の最終回、田中がまさかの登板。高校野球でもこんな連投はない。プロ野球では、絶対に考えられない非常識継投である。田中将大投手が球場内に姿を現した瞬間、球場内は騒然となる。前日160球投げていることを観客は知っているだけに、田中がマウンドに上がっただけで涙ぐんでいるファンが大勢いる。1球ごとに大声援。ヒットを打たれるたびに悲鳴があがる。手を合わせて、祈るファンの姿もある。2アウト1塁3塁、ホームランが出れば同点の場面で、代打矢野謙次を三振に打ち取り試合終了。グラウンドの田中投手のところに選手が殺到し、観客は歓喜の絶叫。大騒ぎである。最後までハラハラドキドキさせられての優勝決定だけに、テレビ観戦の我々も感激の涙、涙。まるでドラマのような日本シリーズだった。ドラマにしても、こんなシナリオは誰にも書けない。

 巨人も、「打倒田中」を1度はできたのだから、「悔しさも中ぐらいなりオラが秋」というところだろう。新聞の見出しに「楽天、悲願の日本一」の文字が踊っている。我々楽天ファンの中でも、今年の開幕前に、楽天の優勝を本気で予想していたものはほとんどいない。ましてや「日本一」なんて口にするのもはばかれるほど、「優勝」の二文字には遠い チーム状態だった。「悲願の優勝」というよりは、「あれよ、あれよの優勝」というのが実感である。

 日本シリーズの戦いぶりとしては、打撃では、みんながヒーローというぐらいに、まんべんなく打っていた。阿部慎之助、橋由伸の主力が極端な不振だった巨人とは好対照である。戦前予想では、救援投手陣が弱いことが楽天の最大の弱点との指摘が多かった。星野監督は、救援投手陣は極力使わない方針を立てていたのだろうか。その方針を見事なまでに貫いた。おかげで、則本は先発登板の後の試合に2度も救援で登板。田中も同じ。本来の救援投手の出番はほとんどなし。それがいい結果につながったのだから、救援陣は文句を言えない。来季こそはと奮起したことだろう。

 球史に残る素晴らしい日本シリーズだった。昨日の日記に書いたことを繰り返せば、東日本大震災の被災者に大きな勇気を与えたことなど、楽天の優勝は、プロ野球の出来事にとどまらない、社会現象である。書きたいことはまだまだあるが、ここまでにしておこう。そして、今日の日記もこれでおしまい。


2013.11.3(日)

楽天イーグルス、ついに、日本一

 文化の日。日頃、文化的な活動は何もしていない私だが、国民の祝日ということだから、国民の皆様と一緒に祝いたい(何を?)と存ずる次第。などと、三橋美智也ベストのCDを聴きながら書いている。こういう日は、モーツァルト交響曲第40番やチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番(いずれも、1週間前にアマゾンで購入)を聴きながらといくべきものと反省する。

 文化的行動まではいかないが、「ガバナンス」連載の「続アサノネクスト」12月号原稿を書き上げる。テーマは「特定秘密保護法」。法律の必要性はわかるが、どんな事項を特定秘密にするかの、政府の恣意的運用は許されないという趣旨である。

 そして日本シリーズ最終戦。昨日、田中将大投手で負けた時点で、優勝はないだろうと観念していた。それが、田中が最後のマウンドに立ち、見事無失点で巨人をねじ伏せた。すごい、すごい。星野監督の最後のコメントもよかった。選手みんなが素晴らしい。使えないかもしれないと用意しておいた優勝コメントは以下のとおり。

 「楽天イーグルスを仙台で迎える際の知事として関わったものとして、感無量です。球団創設初年度、2005年のシーズンは97敗もしてしまいました。あれからたった9シーズンで日本一を達成するなんて、夢のようです。 今シーズンの楽天が一つ勝つだびに、東日本大震災で被災した人たちに勇気を与 えました。その結果が日本一です。やればできる、夢は叶うということを被災者 に示してくれました。楽天の優勝は、単なるスポーツ界の出来事ではありませ ん。東北を変える社会現象です。」


2013.11.2(土)

まさか、田中が負けた

 昼から、銀座TACTへ。「2BEAT46th記念ライブ」に参加。去年も同じ頃に45周年記念ライブがあった。新橋2BEATの客が、100人近い聴衆を前にして、TACTの舞台で演奏と歌を披露する。17チームはいずれも素人離れしたパフォーマンスである。

 私の出番は、インタバル(休憩時間)で短い時間の話をすること。2BEATとの関わりを話しているうちに、ついつい楽天イーグルズのことに触れてしまい、その話題でずいぶん時間を使ってしまった。「なんにでも終わりはある。2BEATだって、いつかは店を閉める。無敗神話の田中将大投手でもいつかは負ける。それが今日ではない」。後で、なっちゃんに「シローさん、話がだいぶ長かったよ」と言われてしまった。それにしても、皆さんの演奏に満足。楽しい時間だった。

 そして、夜は日本シリーズ第6戦。田中将大が登板だから負けるはずがない。今日で優勝決定と思いながらのテレビ観戦だった。その田中が5回に3点を奪われ、巨人に逆転を許す。さらに1点追加され、試合終了。ついに田中が負けた。昼間に、あんなスピーチをしたのがいけなかったのか。決着は明日に持ち越された。


2013.11.1(金)

楽天の優勝、夢では終わらない

 朝、新聞を取り出して、スポーツ面を開ける。昨日の日本シリーズ第5戦で、楽天が巨人に勝った試合をテレビで観戦したような気がするが、信じられない。夢だった気がして、新聞で確かめる。朝日新聞でも日経新聞でも、楽天が4対2で勝利と書いてある。本当に楽天が勝ったのだ。これで優勝に王手をかけ、明日は仙台で最終戦なんてこと、簡単には信じられない。それほどの快挙である。同じことを明日の日記でも書くことになるのだろう。

 午後から、SFCでの教え子の女子学生が来宅。卒業論文のことで、いくつか示唆を与える。なんとか、立派な論文を書き上げることを期待する。その後、近所の美容院espoirで髪の毛をカットしてもらう。カットしてもらいながら、美容師の丸山さんとずっと楽天の話。「昨夜の試合は、私もずっと見てました。楽天には執念が感じられたけど、巨人にはそれがない」。「そうだ、そうだ」。東北に縁がない人も、今シーズンは楽天びいきになっているのがうれしい。

 そんな合間に、来週の授業のレジュメづくり。なんとか完成して、教務に送る。cc で送っているSAの鈴木君からメールが来て、「宿題の出題が載っていません」との指摘。早速、宿題を追加したレジュメを教務に送り直した。文字どおり、student assistant としての働きをしてくれた鈴木勇二君。感謝、感謝である。

 今日は日本シリーズの試合がない。何だか忘れ物をしたような気分である。


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