浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 7月第2週分          

2013.7.13(土)

体調チェックと安全性チェック

 毎日の体調チェックのルーティンについて。体温測定は寝たまま。今日は36.2℃。離床して洗面、歯磨きの際に鏡に映る顔をチェックする。赤ら顔、むくみ、腫れぼったい目はいつもどおり。いつになったら、正常に戻るやら。体重測定、今朝は60.1kg。排便時に便の色、形チェック。先日は、便に血の色があり、すぐに検便をした結果、異常なし。散歩に出て、少し歩いてみると、体調がわかる。体調不良を感じることは皆無。そう感じる日は、散歩に出ないから当然である。散歩から戻り、入浴(夏の時期はシャワー)、血圧測定は125から80とほぼ安定。血中酸素濃度は98%か99%。昨年末には、これが93%に下がった日があり、驚いて、がんセンターの田野崎隆二先生のところに駆けつけ、そのまま入院ということがあった。これが終わって朝食となるが、食後は各種予防薬5錠か6錠服用する(セレスタミン(ステロイド剤)は奇数日の服用なし)。これらのデータ(プラス「摂取水分量」)は、毎日記録しておいて、受診日に田野崎先生にお見せする。これが毎日の体調チェック。

 個人の体調チェックでさえ、こんなに念入りにやっているのだから、原子力発電の安全性チェックは、さらに念入りにやってもらいたい。原発のありかた、原発再稼働の問題が、参議院選挙の論点になっているのだろうか。原発推進の自民党は、選挙戦での争点になるのを意識的に避けている。街頭演説でも、原発問題にはほとんど触れていない。

 そんな中、原発事故発生当時の福島第一原発の所長を務めた吉田昌郎氏が、7月9日、食道がんのため逝去された。身体を張って、原発を守り通した吉田前所長は、原発問題の議論が低調な参議院選挙を、どういった思いで見ているのだろうか。


2013.7.12(金)

暑い中、タクシー同乗の縁

 暑い暑い中、日比谷公園内の市政会館の5階で「広域的行政課題への対応と地方政府体系のあり方に関する研究会」に出席。今日の課題は、地方分権について。神奈川大学の授業で、このところ2回分が地方分権についての講義であった。先週土曜日には、自治学会で地方分権に関するシンポジウムをやったばかり。

 今日の研究会には、滋賀県、京都府、岡山県、佐賀県、長岡市の担当者が出席。課題についての発表ののち、私をはじめとする委員が、質疑をするという形で進む。課題が課題だけに、私も発言せざるを得ない。いろいろと勉強になる研究会である。

 研究会からの帰途、東横線が日吉駅での人身事故のため、日吉止まりとなっていた。日吉駅で降りて、暑い陽射しの中でタクシーを待つが、なかなか空車がこない。乗客が降りたばかりの車をやっとつかまえて乗り込んだら、どこかのおじさんが、運転手に声をかけている。「私は、このタクシー会社の先輩だ」という。「ついては、お年寄りの方が、タクシーをつかまえられなくて困っている。この車に同乗させてもらえないだろうか」と続ける。運転手の牛久さんも、私も「どうぞ、どうぞ」ということで、知らないもの同士4人が乗り合わせて出発。

 最初のおじさんは、このタクシー会社の元常務ということで、走行中、運転手の牛久さんと会社の話。お一人は、今日名古屋から出てきた85歳の女性。もう一人は75歳の女性。どちらも「助かりました、不思議な縁ですね」といいながら、途中の綱島駅近くで降りていった。私にとっても、珍しい体験である。


2013.7.11(木)

猛暑の中の冷房

 朝、6時前に携帯電話が鳴る。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」に電話出演の依頼。6時20分に電話出演。今日から始まった「ニュース雑談」?のコーナーで生島さんとやりとり。「雑談」だけあって、5分弱しかないのに、参議院選挙の争点、非嫡出子の遺産相続での差別に違憲判決の可能性と原発の再稼働申請について、矢継ぎ早にコメントを求められる。こういうのは、嫌いではない。

 9:59、新幹線のぞみに新横浜駅から乗り込む。冷房が効き過ぎで、寒いぐらい。記録的な猛暑にしても、節電はどうなっているのだろう。おかしいだろうと思っているうちに、新大阪駅に到着。プラットホームに降り立ったとたん、熱風が吹き上げる。身体は十分に冷えているので、暑さをあまり感じないまま、タクシーに乗り込み、読売テレビへ。

 先週に続いて、「ミヤネ屋」に出演である。記録的猛暑、安藤美姫選手の父親探しなどの話題のあとは、デーブ・スペクターの海外ネタ。カッパ出現、マイケル・ジャクソンの死亡に関する訴訟、テニスのシャラポア対ウイルアムズの痴話喧嘩など、硬軟とりまぜて、話題が広がる。同席コメンテーターは、大島さと子さんと春川正明さん。話題は熱いが、スタジオは冷房がきつくて寒い。


2013.7.10(水)

猛暑の中の授業

 猛暑といっても、朝の暑さはさほどでもない。昨日の記述に反するようだが、あえて散歩を断行した。岸根公園まで、通常16分半かかるところ、19分とゆっくり歩きを徹底した。ひょうたん原っぱ一周もなし。ラジオ体操だけは、通常通りやってきた。この暑さの中で、お互いに「暑いね、暑いね」と言い交わしながら、集まる人数はいつもと変わらない。

 昼間の暑さは次元が違う。光子の勧めもあり、神奈川大学の授業の行き帰りにはタクシーを使った。歩いて10分の距離だが、「ちょっと待て、その10分が命取り」ということが頭をよぎり、タクシー使用に至った次第。それで助かった。

 暑い中の授業は、学生が居眠りをこらえて熱心に聴講している。「地方分権(続き)」ということで、前回の学生の誤解についての追加的説明と、「補助金の弊害」について講義した。これについても、学生の誤解が多いので、来週、追加説明が必要である。

 授業の終盤、三位一体改革が趣旨と違う結末になったことを説明したあと、「泣いた女がバカなのか、だました男が悪いのか」(東京ブルース)を歌ってやった。リアルタイムでは、全然受けた様子はなかったが、出席カードでは、五人の学生が「よかったです」と記述していた。暑さで、舞い上がってしまっての暴挙ではない。変な教授(私のこと)のサービス精神の発露と受け止めて欲しい。


2013.7.9(火)

夏の暑さに負けて

 「雨ニモマケテ、風邪ニモマケテ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケテ(中略)サウイフ散歩ヲワタシハヤリタイ」 夏の暑さには、負けるが勝ち。こういう日には、散歩は休む。これが、散歩にしても、ジョギングにしても、続ける秘訣である。ということで、熱帯夜が明けて真夏の太陽が照りつける朝、素直に散歩は自粛した。

 朝日新聞朝刊の見出しは「冬にも再稼働 政権が後押し」、「5原発10基、安全審査を申請」である。世論にも、識者の批判にも、新潟県知事の反発にも負けず、「ミンナニデクノボートヨバレ、ホメラレモセズ」それでもなお、「ワレラハヤリタイ」ということなのか。

 同じ紙面で上田俊英科学医療部長は「再稼働前に将来像を」と書いている。日本にどれだけの原発が必要か、いつまで使い続けるのかといった根本的議論が進んでいない中で、安易に再稼働させてはならないという論調である。これには、いささか異論がある。

 再稼働の是非は、個別の原発の安全性が確認されるかどうかだけで決められるべきものである。「原発8基ぐらいは日本に必要だ」とか、「35年は使い続けるのが適当である」という議論は、泊原発(個別の原発の例)の再稼働の判断には、なんら影響はない。

 ついでに言えば、電力不足とか、日本経済への悪影響といったことも、泊原発再稼働の是非の判断とは無関係である。電力供給が不足するからといって、(安全性に疑問が残っても)再稼働を認めていいはずはないし、逆に、電力に余裕があっても、安全性が完全に認められるならば再稼働してもいい。

 問題は、安全性の確認の判断基準である。激甚災害やテロ攻撃などに耐えうる設計基準、活断層の存在などの立地基準だけでなく、危機対応の訓練がされた人材の配置などの人的基準も重要である。それよりも、なによりも、泉田裕彦知事が東電社長に迫ったように、福島原発事故の原因究明ができていない時点では、原発の安全性確認などできるはずがないではないか。

 先行き、原子力規制委員会が伊方原発(でもどこでも)の安全性を確認したとしても、それで再稼働OKとはならない。地元自治体の同意が必要である。各知事は、(泉田知事のように)、自分で(国の意向とは独立に)同意するかどうか判断すべきである。そこで気になるのは、昨日の全国知事会で、「原発再稼働は国の責任で」という提言案をまとめたことである。「地方に判断を投げ、国はそれに従って決めただけというのはおかしい」(中村時広愛媛県知事)というのが論拠らしい。それがおかしい。個別の原発の安全性の判断、つまり再稼働を認めるかどうかは、地元自治体の住民の意向を十分に斟酌して、知事が主体性を持って判断するべきであることを強調したい。

 夜は、東京ドームで、プロ野球楽天対日本ハムの試合を夫婦で観戦。楽天球団のご招待である。知事時代に楽天の宮城県誘致に関わったということで、今でもお気遣いいただいている。試合は、5対0で楽天田中将大投手の完封勝ち。本人の12連勝。これも含めて、ありがとうございました。


2013.7.8(月)

友人たちの新聞記事

 昨日「私の選んだ十冊」という原稿を書いた。そこであげた十冊は、今手元にない。同じ本を再読する習慣を持たない読書人(私のこと)だが、十冊を選ぶ原稿を書いたことで、それらを再読したくなった。早速、その十冊をアマゾンで購入。明日か、あさってには、届くはず。  となると、今読んでいる本をそれまでに読み終えて、区切りをつけておかねばならない。「リヴィエラを撃て」高村薫著(新潮文庫)の上巻の半分を読んでいるところだが、残りと下巻を明日中には読み終えないといかん。読書は楽しみなのであって、締切に追われてするような行為ではないのだが、たまにこういうこともある。

 「『週刊文春』ミステリーベスト10第1位」のふれこみにつられて読み始めた「ミレニアム」スティーグ・ラーソン著(ハヤカワ文庫)が、なかなか読了できなかった。珍しく日程がたてこんでいたのと、三部作6巻という長編だったことによる。物語自体は、結構面白くてよかったのだが、それにしてもずいぶん時間がかかったもんだ。  朝日新聞の夕刊「人生の贈りもの」シリーズで、本日から小山内美智子さんが取り上げられた。第1回は「ありのままの自分、足指でつづる」である。夕刊のない地域では、朝刊扱いになるのかもしれない。

 友人の活動が、全国紙で連載記事になるのは、もう一件ある。ATL survivor仲間である南克己さんの闘病生活が、毎日新聞の「生きる物語」シリーズで取り上げられている。7月2日(火)から始まった記事は10回連載である。障害福祉の仲間と病友、こういった友人たちの活動ぶりが、全国に伝わるのはとてもうれしい。


2013.7.7(日)

猛暑到来

 昨日で関東地方は、梅雨明けとのこと。早速に猛暑到来。天気予報では、最高気温32℃、熱中症に注意というのに恐れをなして、散歩に行くのをやめた。家から一歩も外に出ずの一日。

 家にこもって、「新言語学序説」第115回の原稿を書く。「私の選んだ十冊」というテーマなら簡単に書けると思ったのは大間違い。読み終わった本を書棚に残すということを、とうの昔にやめてしまった。残っているのは、山本周五郎の新潮文庫と山口瞳さんの著作ぐらいのもの。だから、「十冊の本」は記憶に頼って書くしかない。仕方がないから、ネットで調べたりの手間をかける。そんな大作業になってしまい、夜までかかってしまった。それでも、なんとか完成。編集部に送ってしまえば、それでスッキリである。

 時間がかかったのは、途中で、楽天対ソフトバンクのプロ野球中継のテレビ観戦が入ったから。7回までは、楽天ダックワースとソフトバンク帆足の息詰る投手戦で、両チームゼロ行進。8回表に帆足が突然乱れた。投手交代をはさみ、アンディ・ジョーンズの満塁ホームランなどで一挙6点。7対0で快勝である。これで、2位ロッテに2ゲーム差をつけてパリーグ首位の座を守った。こんなことチーム7年目で初めてである。夢なら覚めないで欲しい。しばらくは、この幸せを味わっていたい。  こんな感じで七夕の日曜日が暮れていく。暮れても空には彦星、織り姫は見えてこない。天の川さえ、どこにあるやら。


以前のジョギング日記はこちらから



TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org