浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 6月第4週分          

2013.6.22(土)

神奈川大学市民講座

 6時前に散歩に出たら、世の中は昼間の明るさである。そうだ、昨日が夏至だった。夏至の前後4ヶ月は、日本でもdaylight saving で1時間時計を進めたらいい。2時間でもいいかもしれない。節電になることはまちがない。

 午後から、神奈川大学の「市民講座」で講演。演題は「地域が支える福祉」。聴講者は、約80名。平均年齢、60歳超、男女ほぼ同数。熱心な聴講者で、乗りもいい。パワーポイントを使っての1時間半の講義は、自分としては満足できる出来であった。

 「橋下徹の落日」の特集が面白かったが、「新潮45」7月号は、他にも読みどころはあった。「歌謡曲が聴こえる」第14回「美空ひばり、その悲しみ」で片岡義男さんが、「カバーソング・コレクション美空ひばり」(CD2枚組)に収録されている何曲かを取り上げて、ひばりの歌い方の特徴を解説している。「ここに幸あり」(オリジナルは大津美子)で、美空ひばり要素が顕著なのは、「嵐も吹けば雨も降る」の「アラシ」と「バ」、そして「ア」から「メエ」とリエゾンした結果の「モ」など、美空ひばり要素の連続だとある。まだまだ続くが省略。

 このCD2枚組は、私も持っていて、「新潮45」を買ってきた日も聴いていた。早速、「ここに幸あり」を片岡さんの解説に従って聴いてみたが、ここまではわからない。それにしても、エルヴィス・プレスリーなど海外ポップスにも造詣が深い片岡義男さんが、ここまで演歌にも詳しいとは新たな驚きである。エルヴィスとひばりには共通点が多い。歌が天才的にうまい、どんなジャンルも歌いこなす、楽譜が読めない、ファーストネームで呼ばれる、早死に(エルヴィス42歳、ひばり52歳)、死後も根強い人気を保つ、などなど。「新潮45」の記事から、話がここまで広がってしまった。


2013.6.21(金)

橋下徹氏の謝罪メール

 久しぶりの散歩。雨が降ってくる前に終える。ラジオ体操も久しぶり。やっぱり、気分がいい。「毎朝のラジオ体操で、一日のリズムを整えましょう」という前説のあとにラジオ体操の歌が始まる。そのとおりだな。ラジオ体操をきっちりやると、その日一日のペースがつかめる。一日が快調に始まる。

 そのペースで、10時から、厚生労働省での「造血幹細胞移植委員会」に出席。今日の議題は、「臍帯血の品質基準」、「研究目的での臍帯血の利用・提供基準」、「拠点病院の要件」である。先日、自宅で間隆一郎臓器移植対策室長の説明を受けているので、質問することはない。はずなのだが、ついつい、いくつか意見を述べさせてもらった。私が委員になってから初めてのことだが、14人の委員全員出席。議事では、全員が発言。いつもながら、活発な委員会である。「今日は、珍しく、時間内に議事が終了しました」と小澤敬也委員長が宣言したのが、定刻3分前の11時57分。まことに、効率的な議事運営である。

 委員会終了後、委員仲間の鎌田麗子さん、武藤香織さんを誘って、日比谷国際ビル内の「万世麺店」に排骨拉麺を食べにいく。22年前、厚生年金基金連合会で勤務していた頃、週に一度は通った店である。当時も、今も、昼の時間は行列ができる。二人にも「おいしい、おいしい」と喜んでもらって、満足、満足。

 日本維新の会の石原慎太郎共同代表は18日の党国会議員団の役員会で、従軍慰安婦をめぐる発言で党への逆風を招いた橋下徹共同代表に対し、「責任者が招いた事態だから仲間に謝るべきだ」と謝罪を要求した。それに応じた形で、橋下氏は東京都議選の選挙責任者2人に謝罪メールを送り、他の関係者には転送を依頼した。党内では、メールは直接送るべきで、転送依頼で済ませるのは誠意がないという批判があったらしい。

 メールの文面も良くなかったとの批判もあるが、私から見れば、そもそも、謝罪をメールでするというのが、すっきりこない。私の場合、普段は電子メールを使っているが、御礼とか謝罪については、自筆の手紙を封書でお送りする。下手な字だが、かえって誠意が伝わる(ような気がする)。もらった人も、メールよりは気分がいい(はずである)。 たまたま、今日は、そんなお手紙を3通出したので、こんなことを思った。

 一昨日になるが、神奈川大学からの帰り道、六角橋の本屋で「新潮45」7月号を購入した。店主のおばさんに尋ねたら、「どんな雑誌も、一冊だけは置いてあるんですよ」と言いながら、出してくれた雑誌である。新聞広告で、特集が「橋下徹の落日」とあったので、買う気になった。冒頭の適菜収氏の論文のタイトルは「下品な人間」である。徳岡孝夫氏は「喋るだけが能ではない」というタイトルで、「『ぶっちゃけた話』も、タレント弁護士なら腹が立たないが、政党の代表ともなれば話が違う」、「ぺらぺら喋りすぎ」と批判する。斎藤環氏は「ヤンキー政治家の『ホンネ民主主義』」の中で、「ホンネが導く反知性主義」と解説する。私もほぼ同感。  


2013.6.20(木)

サッカー日本チームに感動

 一日中、雨降り。気温が高くないので、身体が楽なのはいい。朝、7時から、サッカーの対イタリア戦をテレビ観戦していた。前半、日本代表があのイタリア相手に見事なパス回しで、ボールを支配している。その中で、本田のPK,香川の鮮やかなシュート。2対0。ブラジルに完敗したチームが、イタリアをリードするなんて、信じられない。うっすらと涙が出てきた。結果は、3対4の敗北だが、素晴らしい試合だった。相手のイタリア代表のMFデ・ロッシが「日本は信じられないほど強かった」、FWのバロッテリは「驚くべきチームだった」とコメントしている。日本チーム、よくやった。

 午後からは、日比谷公園内の市政会館で「分権型社会における公務員制度と人材育成のあり方に関する研究会」に出席。西村美香成蹊大学法学部教授から「地方公務員制度の歴史と課題」の講義をいただいた後、研究会メンバーでの質疑。各県の人事課担当者から、職員採用の状況について報告があった。2時間の研究会はあっという間に過ぎてしまう。

 昨日の神奈川大学での授業に続いて、今日も地方自治タイム。明日は、厚生労働省で「造血幹細胞移植委員会」に出席する。骨髄移植を受けた患者として委員に名を連ねている。これは患者タイムである。明後日は、「神奈川大学生涯学習・エクステンション講座」の講師として「地域が支える福祉」という題で特別講演をする。障害福祉タイムである。地方自治、ATL患者、障害福祉の三本柱で、私の日程が回っている。講演は、障害福祉と闘病体験が多い。取材は、地方自治と闘病体験。このところは、闘病が多い。この三つの柱は、互いにほとんど何の関係もない。その都度、頭を切り替えて対応しているところ。いろいろあって、面白い。 


2013.6.19(水)

失言は止まらない

 小雨パラパラの中、神奈川大学の授業へ。「地方自治論」第11回目は、「自治体の危機管理」。災害対応と不祥事を扱う。どちらも危機管理だが、中身はだいぶ違う。学生が興味を持ったのは、県庁の裏金づくり。私の知事時代に経験した不祥事だから、生々しく語ることになる。そこが興味をそそられるのだろう。

 今日の出席者は167名。最盛期より86名減である。出席点は成績評価に含めないといっているから、気軽に欠席するのだろうか。成績評価は、学期末のテスト一発。これは、慶応大学SFCのときから変わらぬpolicyである。試験問題は、出席して真面目に授業を聴いていれば楽勝である。授業に出ていないか、出ていてもぼんやりしている学生にとっては、相当むずかしい。出席点をカウントしなくても、自ずから試験結果に反映される。その試験問題、昨日中に作成してしまった。

 ブログで失言する県会議員、ツイッターのホンネに非難囂々の復興庁の役人に続いて、今度は高市早苗自民党政調会長が、原発事故被害について失言。「福島第一原発事故では死亡者は出ていない」だと。失言がこれだけ連日続くと、「今日は失言がありませんでした」というのがニュースになるのではないだろうか。


2013.6.18(火)

ツイッター、ブログは危険と隣り合わせ

 午前中、厚生労働省の間隆一郎臓器移植対策室長が来宅。金曜日の「移植委員会」の事前説明である。懇切丁寧に説明があり、ところどころ、私の質問が入ったこともあり、2時間半に及んだ。よくある「根回し」ではない。誠意を感じる説明ぶりである。間室長は何でも知っている。どんな質問にも的確に答える。とても優秀な、そして誠実な役人である。最近まで、間氏を医系技官だと思っていた。平成2年入省の事務系キャリアだと知って、もう一度びっくり。医学的なことも、何でも知っている様子だったので、医系技官と思い込んでいた私。

 ツイッターに、被災地の人たちへの侮辱の言葉を連ねた復興庁参事官は、担当をはずされた。それだけでは済まない。厳しい処分が待っている。病院での会計の際に、番号で呼ばれたことについて、ブログで「ここは刑務所か! 名前で呼べよ。なんだ241番とは!」と怒りをあらわにした県会議員がいる。怒りのあまり会計をせずに帰ってしまったというのだから、始末が悪い。当然ながら、住民から多くの批判のメール、電話が殺到した。この県議は、記者会見を開いて、陳謝した。

 ツイッター、ブログは、公開されている、ということを忘れてしまったのだろうか。広く、多くの人に見られていると意識して書かれても、ツイッターやブログからはその人の本質が透けて見えるものである。私のこの日記も公開されているわけだから、他山の石として気を付けよう。


2013.6.17(月)

自治体選挙の投票率の低さ

 今日のような天気こそ「梅雨の晴れ間」と呼ぶべきもの。夏の先取りといってもいい。気温が高いし、湿度も高い。陽ざしの強さは、真夏並みである。夏至まで4日だから、暦の上では夏である。梅雨明けはまだ先なので、この晴れ間は長く続かない。明日以降は、しばらく雨模様の日が続く。本格的暑さよりは、梅雨空のほうがまだしのぎやすい。今朝の散歩とラジオ体操には、すっぽり帽子に長袖シャツで出発。紫外線対策をきっちりとるべき天気である。

 月曜日の新聞で、真っ先に見るのは、日曜日に行われる自治体首長選挙結果の記事である。静岡知事選では、現職の川勝平太が自民党推薦の候補者をトリプルスコアで破り、再選を果たす。その他3市の市長選では、すべて現職の勝利。3選が二人、4選が一人。気になるのは、投票率である。静岡知事選49%、紋別市長選58%、門真市28%!、大和郡山市39%。門真市長選挙では、当選した市長は75歳で4選である。自民・民主・公明が推薦。対抗候補者は共産党推薦の一人だけ。ダブルスコアで現職の勝利。これでは、投票率27.77%と過去最低になるのも無理はない。


2013.6.16(日)

地域で育つ障害児たち

 10:30、「ぷれジョブ藤沢」の定例会、於長後駅前AGI事務所3階会議室。今日も20人以上のメンバー、オブザーバーが集まった。現在活動中は4カ所、それぞれのジョブワーカー、ジョブサポーター、実施事業所から発表してもらう。しゃべるのが得意でないワーカー、得意なワーカーといろいろあるが、みんな元気で楽しく1週1時間のお仕事をこなしている。拍手、拍手。ジョブサポーターはなべて「影のように」見守っているのだが、藤肥さんは、ワーカーに窓ふき指南をしてしまった。「そこまでは、やり過ぎかもね」と私から教育的指導。事業所は、すべて何の問題もなく受け入れてもらっている。着実に前に進んでいるのに、代表者(私のこと)は安心、満足。

 定例会終了後、川崎日航ホテルに移動。当所で「明石洋子さんの厚生労働大臣賞受賞を祝う会&明石徹之さんの40歳を祝う会」が開催され、私は発起人代表として、冒頭にご挨拶をする。会の副題は「?『地域に生きる』を支える仲間の集い?」である。まさに、そういう仲間が250人も集まった。

 明石さんが、自閉症の息子徹之さんを、地域で必死に育てる姿に、多くの同様の障害を抱えた家族が共感し、感動し、川崎市を中心に活動を進めてきた。20年前、徹之さんは、川崎市の正職員として採用され、立派に仕事を続けている。母子ともにがんばった結果である。このことに励まされた人もたくさんいる。次々と、新しい水平線を拡げていく明石洋子さんの活動に対して贈られた厚生労働大臣賞である。一緒に支えた仲間にとっても、同じようにうれしいことであろう。そんな仲間の集まりだから、大いに盛り上がった。


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