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ジョギング日記  8月第1週分          

2012.8.4(土)

課外授業   

 姉を殺害したとして殺人罪に問われた被告の裁判員裁判で、大阪地裁が7月30日、懲役16年の求刑を超える懲役20年を言い渡した判決に、多くの仲間が驚き、怒った。被告は、アスペルガー症候群である。被告の障害に対応できる受け皿が社会にないとして「再犯の恐れがあり、長期間内省を深めさせることが社会秩序の維持のためになる」とは、何たる判決だろう。発達障害についての裁判官の無知、無理解ゆえのとんでもない判決である。「共生社会を創る愛の基金」として、この判決に対して緊急の意見表明をさせてもらった。発達障害についての社会の無知、無理解がもたらした「悲劇」の一例である。なんとかしなければならない。

 このことについて、「ガバナンス」の連載に書いた。原稿締め切りは、余裕をもってクリやするのが私の主義なのだが、今回はぎりぎりでの原稿送付になった。今までは、立法府、行政府に対する批判を書いてきたが、今回は司法に対する批判である。「司法よおまえもか!」という感じで書かせてもらった。

 夕方、SFCの学生、OB、OGが集まっての「課外授業」。白楽の自宅に集まってもらってから、近くの居酒屋に移動。集まったのは、私の研究会のOG、OBが一人ずつ。現役学生が5人。研究会の聴講生が一人、今日お会いしたばかりのSFCのOGが一人の計10名。課外授業はほんの一部で、あとは談論風発。実に愉快、心から楽しい。楽しさのあまり飲みすぎにならないように、学生の一人が妻に代わってちゃんとチェックしてくれるのもうれしい。楽しい一夜。次回の課外授業が楽しみである。


2012.8.3(金)

ぷれジョブ藤沢・第一回定例報告会   

 このところの暑さと、採点業務と、オリンピックの深夜観戦とで、散歩をお休みしていた。今日の散歩は久しぶり。岸根公園に入ったら、ミンミンゼミの声が聴こえてきた。「8月になったら鳴き始めような」という協定があったのだろうか。ラジオ体操には、小学生2人の姿があった。後ろのほうでは、おばさん二人のぺちゃくちゃが復活。よほど、教育的指導をしてやろうかと思ったのだが、やめておいた。長ズボンを履いての散歩は、汗で歩きにくい。そんな状況で、17分10秒+15分40秒の散歩を終えた。

 17時、ぷれジョブ藤沢の第一回定例報告会に出席。内海隼吾君のワキプリントピアでの仕事が1ヶ月続いた。毎週金曜日の16時から1時間の作業を一度も休まずに、楽しく過ごしたという報告があった。受け入れのワキプリントでも、社員の皆さんに自然体で対応していただいた。「隼吾君に来てもらって、うちの会社の文化が変わったみたい」とは脇屋英子社長の感想。ジョブサポーターの林圭佑君には「結構ストレスがありました」と言いながら、しっかりサポートしてもらった。お母さんの内海智子さんからは、「隼吾が自分でぷれジョブに出かけられるようになりました」と、成長に驚いているとの報告があった。すべて、うまく回っている。「出演者」が、みんな素晴らしいからこその結果だろう。安心すると同時に、ワクワクしてくる。そろそろ、第二号チームのリクルートに取り掛かりたい。


2012.8.2(木)

立石諒君、銅メダルおめでとう   

 このところ、足首、足の甲のむくみを自覚していた。足が膨れているので、靴を履くのに難儀する。見た目もむくみが目立つ。昨日は、そのむくみがピークに達した。まるで象の足である。なんで突然こうなったのだろう。塩分摂取過多でもないし、食生活に特に変化はない。心臓、腎臓機能の低下もない。排尿は多過ぎるほど。原因はわからないが、結果はこのむくみである。ためしに、足の下に枕を置いて、足を高くして横になっていたら、なんと30分でむくみがかなり引っ込んだ。そのまま寝て、朝起きたら、むくみはほとんど解消していた。どうも、座り姿勢を続けていたことに原因があるのではないか。ということで、今日は、机の下に椅子を置いて、そこに足をのっけながら仕事をした。

 仕事というのは、レポートの採点作業のこと。今日の作業で、「障害福祉研究会」の今学期のレポート13人分の採点を完了した。これで、今学期のすべての採点作業は完了である。学事への採点結果提出は8月8日締切。余裕をもって提出を完了して、まずは一安心。

 ロンドンオリンピック、男子200m平泳ぎで、SFCの立石諒君が銅メダル獲得。彼が新入生の時に、私がメンター(指導担当)を務めた。最初で最後の会合で、自己紹介があり、彼は水泳をやっていると言っていたが、ここまでの選手とは、思いもしなかった。彼は覚えていないだろうが、こちらからは「おめでとう」と声を掛けたい。秋学期は、私の授業に出てこないかな。


2012.8.1(水)

採点終了   

 「未来構想ワークショップ」のレポート採点を完了。101人分のレポートをしっかり読ませてもらった。グループワークで自分はいかに活躍したか、貢献したかを自画自賛的に書いてあるのは、鵜呑みにしない。同じグループの他のメンバーの評価と照らし合わせて、その真実度をチェックするという手間もかけたものだから、時間がかかった。それでもなんとか、採点を終了。C評価も8名。そういうレポートは、何度も何度も読み返して判断した。フーっ、疲れた。

 採点の合間に、取材対応。(株)ユーキャンが発行している「やすらぎ通信」(発行15万部)の中の「病を越えて」という連載シリーズに掲載する記事のための取材である。取材にあたるのは中野貴子さん。このシリーズを当初から手がけている。よく予習をしていることが取材を受けていてよくわかる。だから、取材は的確に進んでいく。取材を受けるのは嫌いでない。好きといってもいい。そのために、取材は必要以上に時間を取ってしまう。私が、あれもこれも、聞かれてもいないことをしゃべりまくるからである。今日もその線に近い取材だったが、以外に短い時間で終わった。14時から15時50分の1時間50分を「短い」というのなら。

 オリンピックの喧騒に巻き込まれないようにしつつ、ちょこっとだけは、テレビに映る競技の様子を眺める。明日の未明の男子サッカーは、寝過ごさなければ見ることになるだろう。


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