浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 4月第2週分          

2012.4.14(土)

雨の一日   

 昨日までとは打って変わって、しとしと雨降りの肌寒い日。いったん脱ぎ捨てたタイツを履き、部屋には暖房を入れて過ごす。そんな部屋の中で、「シローと夢トーク」のDJ部分の録音、つまり、番組づくりに勤しんでいた。曲選び、CD選択、曲リスト作成に手間取って、以外に時間がかかった。2回分の収録しかできなかった。その作業の中で、エルヴィス・プレスリーの曲をまとめてじっくり聴く。ともかく、素晴らしい。何度聴いても胸が震える。その気持ちをリスナーに共有してもらいたくて、番組を続けている。

 ご近所の佐藤さんのおじさんが、昨日の夕方7時ごろにお亡くなりになった、との訃報。享年百歳。昨年末に体調を崩して入院。それ以降、お見かけすることがなかったが、それまでは、散歩に出かけるところで会うと、「元気になったね、しっかりがんばって」と声をかけてくれた。退院したばかりの私より、よほど元気な佐藤さんだった。「あんなふうに年を取りたいもの」だと妻と言い合ったものである。残念至極。ご冥福をお祈りする。

 夜は、久しぶりに「帰省」した聡子と酒を飲む。駆け出しの弁護士稼業、楽しさとむずかしさを感じる毎日らしい。そんな話に耳を傾けながら、旨い酒を飲ませてもらった。


2012.4.13(金)

散りゆくもの   

 北朝鮮のミサイル発射失敗。外国メディアにも公開しているので、前回のように失敗を隠すことはできない。国威発揚にはならず、国際社会からの制裁だけは課される。国家としても、金正恩第一書記も面目丸つぶれである。失敗の責任は誰がどうやって取らされるのだろう。この経緯を発表した田中直紀防衛大臣はほっとしたところもある。その一方で、懸案がなくなったのだから、これでお役御免になるのだろうか。自民党が予告している問責決議はどうなるだろう。興味はそちらのほうに移ってしまった。

 北朝鮮の計画は、あわれにも散ってしまった。岸根公園の桜も散り始めたが、こちらは風情のある散り方である。風が吹くたびに、花びらがはらはらと散りゆく。その中を散歩、22分30秒+22分18秒+10分。最後の+10分は、岸根公園のひょうたん原っぱの入口にジャンパーを置き忘れたのに気がついて、復路の途中から引き返した分である。あまりの暑さにジャンパーを脱いでしまい、あまりの暑さにそのことを忘れてしまったお粗末。そんな中での散歩だった。これからの散歩では、紫外線対策をしないといけない。そんな季節になったことを知る。

 それ以外の時間は、来週の授業準備に専念。「政策協働論」のレジュメに、新聞記事で「政策問題」に触れているのを書き出したら、23項目になってしまった。授業では、そんなにカバーできないことは承知の上で、そのままレジュメを完成。次回の授業は、時間との勝負になる。  


2012.4.12(木)

体調十分、おそばが旨い、お酒も旨い    

 朝から気温が高い。素晴らしい天気である。そのせいか、体調がすこぶるいい。その勢いのまま、がんセンターで外来受診。検査結果は、いつもと変わらず、おおむね順調。LDH317(正常上限229)、総コレステロール261(正常上限219)、クレアチニン1.2(正常上限1.1)と正常値を上回っているが、田野崎先生からは「気にするほどでありません」ということなので、気にしない。皮膚のGVHDが治まっているので、セレスタミン3錠/日から2錠/日に減らす。急にゼロに減らすと、、副腎皮質が損傷するおそれがあるので、様子を見ながら徐々に減らさなくてはならない、という説明。ステロイド剤なので、少量であっても長く服用していると、それなりに悪影響はある。顔のむくみ、赤面、目の腫れなど。別に痛くもかゆくもないのだが、見栄えが悪い。

 外来受診が終わった後、いつもはがんセンター内で昼食を摂るのだが、天気がいいので外で何か食べることにした。ぶらぶら歩いて、銀座8丁目で「手打ち蕎麦 成 冨」をみつけて飛び込む。こじんまりしたお店、若い女性が一人で食べているのが目立つ。結構なお味。たまには、外のお店で昼食も悪くない。

 外来受診から帰宅して、一息ついてから散歩へ。火曜日、水曜日と大学の授業のため、散歩ができなかった。三日連続休業になると、筋肉が元に戻ってしまうのが心配。三日見ぬ間の岸根公園の桜も気になる。ということで、いつもどおりのコースを、いつもより少なめに、19分15秒+19分17秒の散歩。岸根公園の桜は、満開を過ぎてはいるが、ボリューム一杯に咲き誇っている。見上げれば、大ぶりの木にびっしり咲いた濃いピンクの桜花が、青空を背景にため息が出るほどの美しさをさらしている。その下をため息をつきながら歩く。春だ、春。春爛漫のローマンス。

 夜は、4月に就職したばかりの「教え子」神野翔君が、楳木陽子さんを伴って来宅。彼女は、慶應大学在学中から障害者雇用について興味を持ち、一度私の話を聞きたいということであった。結局は、お酒も入って楽しい食事になってしまい、私が一方的に話すといういつものパターンになった。障害者雇用を進めていこうという若い人材がいることは、頼もしいことである。私としても、何とか力になりたいものである。若い人たちとおいしいお酒。


2012.4.11(水)

履修選抜    

 今日も慶應大学SFCの授業。行き帰りともタクシー利用、昼食は学生でごった返す学生食堂ではなく、教員専用のゆったりレストランで孤食。いずれも、風邪引きのリスクを最小限にするためである。今月一杯はこの慎重さで通したい。

 2時限の「未来構想ワークショップ」は100人の履修制限をかけている。今日出席して、「選抜用紙」に履修理由を書いて提出した学生が200人超。このワークショップがグループワークを中心とした問題解決型の授業であることが、「人気」の理由である。SFCを志望する学生にとっては、こういう授業が魅力的に映るのだろう。選抜用紙は、「なにがなんでも、ぜひ履修したい」、「こういう授業を受けたくてSFCを志望した」、「履修が叶ったら、無欠席で最大限がんばります」などと、熱意あふれる文面ばかりである。その中から、履修希望者の半分を「履修不可」にするのを心苦しく思いながら、なんとか選抜した。履修が認められた学生諸君には、こうやって選抜されての履修であることを忘れずに、「ワークショップ」のタイトルどおりに「ワーク」してもらいたいものである。


2012.4.10(火)

新学期始まる    

 いい天気である。慶應大学SFCのキャンパスは、暖かい春の陽を浴びて、美しく輝いている。新学期特有のにぎわい。新入生を迎えて、キャンパスは活気にあふれている。私にとっては、今日が春学期最初の授業。心が躍る。

 2時限の「政策協働論」。出席者は109名。昨年の同じ授業は150人の履修者だった。大学教授も「人気商売」と心得ている私としては、「客」の数は、人気のバロメーターのようなもので、この数字はちょっと寂しい。授業のやりやすさから言えば、このぐらいの学生数のほうが、対話型の授業もできるので、悪いことではない。そんなことを思いながらも、やっぱり授業は楽しいだろうなという期待を持ってしまう。来週からも、精一杯やろうと思いさだめた。

 4時限・5時限の「障害福祉研究会」も履修者の数が少ないのに軽いショックを覚えた。今学期から2時限通しの研究会としたので、よほどの覚悟がないと履修がむずかしい。来年は定年で大学を去らなければならないので、三年生以下については、卒業まで指導ができない。そういった要因もあっての履修者減なのだろうが、やはり寂しい。少数精鋭で、今学期は意欲的に活動を展開しようと頭を切り替えることにした。


2012.4.9(月)

花見散歩    

 このところ、毎日、花見散歩である。優雅なものといえば、そのとおり。その生活も明日から変わる。慶應大学SFCの授業が火曜日と水曜日にあるので、散歩の時間がとれない。早朝散歩に切り替えようかとも考えるが、週二回の授業が軌道に乗るまでは自粛しないといけない。岸根公園の桜は今が盛り。月曜日なので、花見の人出は多くない。それだけに、今日の花見客は、ゆったりと満開の桜を楽しんでいる風情である。そんな中で、ゆったり50分の散歩を楽しんだ。

 朝のスタートが早かったので、いろいろ「仕事」が片付いた。今週の授業の準備、資料作成はすべて完了。十愛療育会後援会会報に後援会長としての挨拶文を書く。短い文章だけに、かえってむずかしい。800字の原稿を書くのに2000字分の時間を要する。勢いの赴くまま、「シローと夢トーク」のDJ録音一回分。「RAIN特集」として、タイトルにRAINがつく曲を選んだ。こういった「仕掛け」をするのが面白い。リスナーも面白がってくれるかどうかは別問題。

 前からわかっていたことだから驚かないが、次期総選挙の際の自民党公約案では「消費税10%」が明記されている。「解散だ、解散だ」と自民党は民主党をせっついているが、解散総選挙で消費税増税反対という人は、どの党に投票すればいいのだろう。「解散で民意を問う」というのが空虚に響く。


2012.4.8(日)

花見日和    

 「敷島の大和心を人問はば朝日に匂う山桜花」(本居宣長)は軍国主義教育を思い出させるというのは、本居宣長の知るところではない。この歌の意味は、朝日に照り映える山桜はじつに美しい、それを美しいなと素直に感じる心が「大和心」だと言ったに過ぎない。そういう説明が、今朝の朝日新聞の読書欄「なぜ花見をするのか」で紹介されていた。そのとおりである。ぱっと咲いてぱっと散る桜に、真珠湾攻撃とか、神風特攻隊の精神を見るのではなく、もっと素直に読めばいい。私が好きな句は「散る桜 残る桜も散る桜」である。桜の盛りは、短いからこそ心に残る。人の世のはかなさにも通じる句である。

 横浜の桜は今日あたりが盛りである。岸根公園の中でも、篠原池の周りに桜の木が密集している。その下は花見の人たちで一杯だが、飲めや歌えの騒がしさはなく、子どもづれが多いこともあり、和気藹々たるものである。散歩の道筋では、入口から入ってすぐの神奈川県武道館わきの坂道50メートルほどに桜が並んでいるだけで、中央広場には桜なし。ひょうたん原っぱにも、桜の木はまばらにしかない。花見ゾーンとその他ゾーンが分離しているのも岸根公園のよさだろう。そんな中、42分の散歩を楽しんだ。

 今週から慶應大学SFCでの授業が始まる。今学期は4コマ担当する。その授業準備をしているうちに、授業開始モードになっていく。どんな学生が履修してくるのか、楽しみである。


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