浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 1月第2週分          

2012.1.14(土)

計測は欠かせない    

 朝、起床前に体温を測る。体温は、夕方にも計測する。起床してすぐに体重計に乗る。朝食前には、血圧測定。夕食前にも測定する。食事の前には血糖値を測る。つまり、一日3回の計測である。水分摂取量も、「お茶を何杯飲んだ」というのを記録しておいて、寝る前に集計する。計測結果は、「成績表」に記入し、次回外来受診時に田野崎先生に見てもらう。現在のところの傾向は、体温は朝36.5℃以下、夕方は36.7℃前後。体重は58キロ前後で安定。このところは、漸減傾向である。血圧はこのところ高めで、朝が150−90前後で、夕方はもう少し高い。血糖値は、朝食前110前後、昼食前150超、夕食前170前後といったところ。150を超えていると、インシュリンを2単位注射する。200超だと4単位、250超は6単位である。水分摂取は、日中から意識していないと、夕方以降に多量の摂取を強いられる。目標の2,000ccの摂取は、結構大変である。

 こういった計測を、毎日、忘れずにやり、記録をつけるのは、病後患者の務めである。結構まじめにやっていると、一応、自負している。「ちゃんと測ったの。水分はしっかり摂ったの」と妻のチェックを受けながら、なんとかこなしているのが、実態ではあるが。

 聡子が2時間だけ「里帰り」。「弁護士の仕事は、結構面白い」と言っているのは頼もしいが、これから相当忙しくなるらしい。仕事については、まだ、何もわからず、勉強、勉強の毎日になる。その大変さを乗り越えて、一人前になっていくのだろう。  


2012.1.13(金)

内閣改造    

 横浜労災病院の耳鼻科で外来受診。昨日2回に加えて今朝と昼、妻による「寝耳に水」を済ませた上で受診する。鼓膜に耳垢がこびりついていることによる聴こえの悪さが主症状であり、受診前に耳垢をふにゃふにゃにしておくための処置である。このところ、聴こえはまったく正常なので、治療はごく簡単に済んだ。1時間半待って、3分診療であった。文句を言っているのではない。それだけ回復したことを喜んでいる。お世話になった鈴木貴裕先生は3月で転勤という。次の3月の受診が最後になる。男性からみても感じのいい、イケメンの若い先生、しかもとても人当たりがいい。義母も鼻の治療で鈴木先生にかかっていたが、転勤ということで、がっかりするだろう。

 野田改造内閣の顔ぶれが決まった。なぜこの時期なのか、狙いは何か、この顔ぶれでうまくいくのかなど、疑問符がたくさんつく今回の内閣改造である。岡田克也氏の税と社会保障の一体改革・行政改革担当の副総理としての起用は、吉と出るか、凶と出るか。民主党内の反発のほうが怖い。田中直毅氏の防衛大臣起用は、危なっかしい。この重要ポストに最適任とはとても思えない。野田政権は、これからも、波乱含みでいくのだろうが、なんとか難局を乗り切って欲しい。今の日本の政治、よろよろ、ぐずぐずしている余裕はないのだから。


2012.1.12(木)

ATLについてのお話    

 午前中、高知大学医学部で教授をされていた田口博國さんがご来宅。今年の10月に高知県骨髄バンク推進協議会の大会での講演を私に引き受けて欲しいというのが、ご来訪の趣旨である。骨髄バンクのドナーから骨髄移植を受けて、命を救ってもらった私である。喜んでお引き受けするとお伝えした。田口さんは、はATL研究の権威である。用件が済んでから、ATLはどうやって発見されたのか、ATLを引き起こすHTLV-1ウイルス発見の経緯を詳しく説明してくださった。さらに、HTLV-1ウイルス感染者の分布から、このウイルスが人種・民族を超えて、どうやって伝染していったかの起源を探るところまで話は及んだ。ここでは、詳細紹介しないが、実に興味深い話を妻と一緒に聞かせていただいた。それは、ATLという病気自体がなぞを含みつつも、興味深い病気だということである。「興味深い」というのも変な表現だが、自分の罹ったATLという病気がこんなにもミステリアスなものであることを知った。

 午後から、築地のがんセンター中央病院での外来受診。肺に出たGVHDの症状は、快方に向かっている、少なくとも悪化はしていないということで、ひと安心。これが完全に治まるまでは、風邪など引かないように、万全の注意をすべしということを改めて言い渡された。腎機能を表す指標クレアチニンの数値は1.2で先週の1.3から少し改善。生理食塩水の点滴をするかどうか、微妙な値である。「今日のところは、やらなくていいでしょう」という田野崎先生の言葉で2時間の点滴を免れた。こういうのを「まけてもらった」というのかわからないが、患者とすれば、ありがたい処置である。これからも、水分補給をまじめにやることで、このご恩に報いたい。これも変な表現だが、気持ちはそういうこと。


2012.1.11(水)

久しぶりの講演    

 午後から、私が会長を務める「日本フィランソロピー協会」の定例セミナーで講演。会場は、六本木ヒルズ内のアカデミーヒルズ49Fである。それだけでも、わくわくする。1時間半のきっちりした講演は、3年ぶりだろうか。講演するのが好きな私とすれば、これもわくわくである。テーマは「いのちの原点に向き合った社会づくり」ということで、私の闘病体験から、いのち、生活、人生(英語では、いずれもLIFE)の話へとつないでいく。フィランソロピー協会の会員向けということを意識して、「骨髄移植ドナーは究極のボランティア」ということにも触れる。前座、質疑応答も含めると、2時間の長丁場だったが、疲れはない。受講者のほうはどうかわからないが、私とすれば充実の時間だった。

 アマゾンで購入したエルヴィス・プレスリーのCD7枚が一挙に届いた。事故で、エルヴィスのCD数十枚失っていた。今回購入したものは、以前に持っていたものばかりである。こうやって一枚一枚取り戻していく過程も悪くはない。今は「ブルーハワイ」のアルバムを聴きながらこれを書いている。「私の恋人(Ku-U‐I‐Po)」、「ビーチ・ボーイ・ブルース」など、このアルバムでしか聴けない名曲を久しぶりに聴いた。これで、「シローと夢トーク」で使う音源が増えた。平板な生活の中の、ささやかな喜び。


2012.1.10(火)

体調維持が一番    

 仕事というほどでもないが、雑事をしているうちに、一日が過ぎる。雑事をしていると、妻から「そんなに根詰めないで、少し休んだらどうですか」と声がかかる。そこで、昼寝で一休み。体調維持に専念しなければならない時期だから、こういう助言には素直に従う。

 小沢一郎氏の裁判が始まった。予想どおり、「経理はすべて秘書に任せていた」、「4億円は、遺産やこれまでの歳費を貯めたもの」というのが本人からの説明だった。「はい、そうですか」とはならない。特に、4億円の出所として、こんな説明がすんなり受け入れられるか。岩手県での小沢氏の活躍ぶりを知る人からは、別な見方がなされるはずである。裁判であるから、法と証拠に基づいて厳正に判断がなされるべきであり、憶測でものを言ってはならないと自戒しつつ、これからの推移を見守りたい。


2012.1.9(月)

成人の日    

 「成人の日」の祝日。「毎日が日曜日」の私にとっては、三連休というのは、格別にありがたくもない。毎年、この時期に書いているだが、「成人の日」は、昔ながらの1月15日に戻して欲しい。理由はいろいろあるが、大学の授業を月曜日に開講している身としては、「ハッピーマンデー」とやらで、祝日をやたら月曜日にもってこられるのは、非常に困る。これは利己的な理由であろうか。

 テレビのニュースでは、被災地での成人式の様子を伝えていた。友人を大震災で亡くした人、自身が被災して、やっとの思いで式に出た人など、今年の成人式はたくさんのドラマがあちこちで見られた。今年の成人は、122万人とか。私の時はその倍だった。今年は、荒れる成人式が見られなかったのは、震災後ということで、新成人の自覚が違っていたからだろう。いろいろ苦難はあって迎えた成人式、まずはおめでとう。

 昨日、野田首相は「福島再生復興協議会」に出席し、放射性物質で汚染された土壌の中間貯蔵施設を福島県双葉郡内に設置することを改めて要請した。どこかには設置しなければならないことは、みんなわかっている。しかし、実際に設置されるとなると、黙ってはいられない。協議会後の取材に対して、双葉町の井戸川克隆町長は「納得できない。双葉郡民を国民だと思っていますか」と言っていた。中間施設といいながら、何十年も設置されたままの可能性が高い。納得しろと言われても、無理なところだろう。被災地だけの問題ではない。国民全体で、どうするか。国民全体の問題ではあるが、今日、被災地で成人を迎えたような若い人たちにとっては、特に重い課題として、長い間背負っていくことになるのは、忍びない。


2012.1.8(日)

エルヴィスの誕生日    

 朝の6時半にラジオをつけたら、「1935年1月8日、エルヴィス・プレスリーが誕生しました。生きていれば77歳です」という声が飛び込んできた。TBSラジオ「プレシャス・サンデー」でパーソナリティを務める岡村仁美さんが語っている。岡村さんとは、私が元気な頃、レギュラー出演していたTBSテレビの「朝ズバ」で一緒だった。「それでは、エルヴィス・プレスリーの初の全米ナンバーワン・ヒットになった"ハートブレークホテル"をお送りします」まではよかった。「次に、"好きにならずにいられない"をイギリスの人気レゲエ・ポップ・バンドのUB40の歌でお送りします」ときたのには、びっくり。「おいおい、今日はUB40のメンバーの誕生日じゃないんだよ」。その後の追い討ち。「UB40のこの曲は1999年に全米ナンバーワンになりましたが、エルヴィスの"好きにならずにいられない"は、全米2位で終わりました」だって。岡村さんに文句言ってもしょうがない。番組のディレクターの無神経さこそ、とがめられるべきだ。

 そうなんです。今日はエルヴィス・プレスリーの77回目の誕生日。われらエルヴィス・ファンにとっては、特別な日である。大のエルヴィス・ファンで知られる小泉純一郎元首相の誕生日も1月8日。「それがどうした」といわれそうだが。誕生日を記念して、自宅の書斎で「シローと夢トーク」の2月放送分の録音をした。2月8日(水)放送分は、「シローの誕生日特集」として、いつもの「エルヴィス・プレスリーの曲しかかけない、エルヴィス・プレスリーの曲の話しかしない」というルールからはずれた構成を試みた。そうなんです。2月8日は、私の64回目の誕生日。

 夜は、私の大好きな番組「はじめてのおつかい」を見て、ほのぼの気分になった。自分にも、あんな頃があったのだろうか。60年も前のことだから、ユメマボロシの如くである。


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