浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 4月第5週分          

2011.4.30(土)

明るいニュースも  

 今週は、散歩を実行したのは、月曜日だけ。自粛の一週間だった。明日から5月である。体調も十分なので、そろそろ散歩を再開したい。日本は南北に長いので、桜前線は南から北にゆっくりと上っていく。弘前城の桜は、あさって、5月2日が見ごろだという。今日は、被災地の人たちが弘前までお花見にでかけたニュースをやっていた。「今年はとても花見なんていう気分にならない」と言っていたおばあさんが、弘前城に被災地の仲間と一緒に弘前城の花見にやってきた。「久しぶりに笑ったよ。桜を見て、また元気にがんばろうという気持ちになったさ」とカメラの前で語っていたのが印象的だった。

 明るいニュースが少ない中で、楽天の活躍は、私にとっては、とても明るいニュース。オリックスファンには悪いが、今日も勝たせてもらった。これで、9勝6敗。あんな貧打でこの勝ち星はできすぎである。いつまで続くか。続いているうちは楽しませてもらう。

 海の向こうでは、イギリスでウイリアム王子の結婚式。これは明るいニュースである。新婦キャサリン妃のシンプルなウエディングドレスが良かった。彼女のごてごてしない美しさも印象的である。こんなことぐらいの関心は、私だって持ち合わせている。おめでとうございます。


2011.4.29(金)

本拠地開幕戦で楽天勝利  

 今日からゴールデンウイークが始まる。今年は、いつもと様相が違う。旅行を手控える傾向があって、行楽地はいつもほどのにぎわいはない。特に、被災地方面には、観光客の足は向かないようである。足が向いているのは、被災地支援のボランティアの人たちだが、受け入れが満杯状態のようで、むしろ来訪を制限しているとの情報がある。まだまだ、いくらでもボランティアの手が必要なところはあるはずなので、割り振りができないからといって来るのを制限するのは、もったいないのではないかと心配はしている。新幹線が東京新青森間が再開通した。実際面でも、気持ちの面でも、大きな前進である。

 プロ野球は、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、宮城クリネックススタジアムでの開幕戦である。心待ちにしていた地元ファンが、多数球場に駆けつけた。駆けつけられない私は、テレビ観戦で楽天を応援していた。田中将大投手が登板予定だったから、いいゲームはやってくれるだろうと思っていたが、期待通りの好投で、オリックス相手に3対1で見事な勝利を収めた。松井稼頭央邀撃手のエラーがなければ完封だった。大事な試合で、きっちり結果を出す田中投手は、根性が違う。ガッツがある。頼もしい存在である。球場に詰めかけたファンとともに、今日の楽天勝利を喜び合いたい。そして、サッカーのほうでは、Jリーグベガルタ仙台の本拠地ユアスタでの開幕戦、対浦和レッズを1対0で勝利した。確かに、被災者を勇気づける第一歩となった。


2011.4.28(木)

外来受診と「はしか」対応  

 築地のがんセンターでの外来受診の日。2週間に一回ということになってなおのこと、「待ち遠しい」という気持ちが強くなった。「検査結果がよくなかったらどうしよう」という不安感はほとんどなくて、むしろ、田野崎医師の診察を受けて「大丈夫です」と言われるのを心待ちにするという心境である。そして、今日の結果も「大丈夫です」というものだった。腎臓機能を示すクレアチニンが1.2と正常上限1.1を超えていたが、「生理食塩水の点滴はしなくてもいいでしょう」と田野崎医師のほうから言ってくれた。その他、胸のレントゲンの所見も良好で問題なし。こちらの心配は、「はしかが東京・横浜で大流行」というほうで、いろいろお尋ねした。なるべく感染しないように万全を期するしかないということなのだが、罹ったら、はしかそのものの治療法はないが、合併症を防ぐために、必要なら入院治療をすること、そのためには、早めの診断ができるように、異変があったらすぐに田野崎医師に相談することが示唆された。念のため、はしかの予防接種をすることも勧められたので、近所のクリニックでしてくれるところを探すことにした。

 中部電力は、定期点検中の浜岡原発3号機を7月までに再稼動させる計画であることを発表した。正確には、再稼動を前提とした業務見通しを示したということであるが、福島原発がこんな状況の時に、何を考えているのかというのが、率直なところである。近隣住民の不安感が高まっている中で、反対の動きも活発である。このまま再稼動はあり得ないと思うが、この時期に、こういう発表をするという中部電力の感覚が信じられない。


2011.4.27(水)

読書が進まなくて  

 朝起きた時の調子が、いまひとつさえない。家族からも「さえないね」と言われてしまうが、体調が悪いというのとも違う。今朝の体温は、36.7℃、夕方は36.9℃。今日も散歩は中止して、昼寝を20分。その後、ベッドの中でTBSラジオの荒川強啓の「デイキャッチ」を聴いていた。

 そのデイキャッチでは、毎日、「ニュースランキング」と称して、東京都内の盛り場でのアンケートと携帯電話での投票で、1位から10位まで決めて、解説員が、それぞれのニュースの解説をするというコーナーがある。今日のニュースのランキング上位は、天皇皇后両陛下が宮城入りして、南三陸町の避難所をお見舞い、ソニーのプレイステーションの個人情報がハッカーにより大量流出、東北新幹線の停電でストップ、陸山会事件で「一億円提供」と水谷建設前社長が裏金証言、こういったものだった。両陛下の被災地見舞いは、以前にもあったが、宮城入りは初めて。被災者を心からお見舞いしていることが、表情からだけでなく、お二人とも膝をついて、被災者と同じ目線でお話になっていることから、 伝わってくる。被災者も、元気をもらったことだろう。小沢一郎氏側への一億円の裏金提供の証言は、今さらというところもあるが、裁判での証言としてなされたことのインパクトは小さくないだろう。石川被告、大久保被告は、受領を否定しているが、裁判でどういった判断がなされるか。結果次第では、小沢氏の裁判に与える影響は大きい。

 「アンナ・カレーニナ」(中)トルストイ著(新潮文庫)をやっと読了。「やっと」というのは、上巻を読み終わったのが4月4日なので、中巻を読むのに、実に、2週間もかかった。一ページも読まない日が半分以上だった。そもそもが、「終着駅 トルストイ最後の旅」ジェイ・パリーニ著(新潮文庫)を読んで、「そういえば、文豪トルストイの古典的名著をしっかり読んでいないな」と思い当たり、妻に「アンナ・カレーニナ」と「戦争と平和」を買ってきてもらった。「アンナ・カレーニナ」は若かりし頃に、読みかけたが、途中で挫折した記憶がある。今回再挑戦して、なぜ挫折したのか、思い出した。最近の小説のように、ストーリー展開が速くはない。理屈っぽいところも、ちょっと疲れる。面白い小説であれば、この本と同じく600頁のものでも、一日で読み終わってしまうのだから、「アンナ・カレーニナ」(中)は、私にとっては14分の1の面白さということになるのだろうか。文豪のこんな名著をちゃんと読まない自分が恥ずかしいということもある。いったん、他の小説に切り替えて、また下巻に戻ろうかなと、思っている。


2011.4.26(火)

安心の食生活 

 朝の検温で36.8℃だった。微妙なところであるが、朝の体温としては比較的高い。具合が悪いかといえば、そんなことはない。ちょっとだけ活動を自粛しようというレベルであり、外はいい天気であったが、散歩はとりやめた。どうも、頻尿のため、夜にぐっすりと眠れないこともあって、なんとなくすっきりしないようだ。睡眠時間補充のため昼寝をしたが、せいぜい30分ではどれだけの効果があるやら。

 今朝の食卓には、珍しくパンが載っていた。味噌の買い置きがなくなっていて、味噌汁ができなかったかららしい。いつもは、ご飯と味噌汁とお魚+野菜ものが食卓に並ぶ。前夜がカレーライスだと、その残り物となるのだが、私だけが別メニューとなる。前回の食事の残り物は厳禁というルールは、まだ守られている。昼食は、パンか麺類。麺類好きの私は、麺類が食卓にあるのを見ると、手を叩いて喜ぶ。今日は、冷麦だった。季節の先取りだったが、満足。夜は夜で、栄養バランスを考えた食事を楽しむが、晩酌のたぐいはない。お酒は、なにかめでたいことがあったときに、ちょっぴりいただく。これが私の食生活。

 妻が、免疫力がまだ十分でない私を意識して、厳しく管理する食事なので、準備の段階から、食品衛生的には100%適切なものである。ありがたい。何よりありがたいのは、吐き気なし、食味障害なし、腎臓機能も血糖値も正常なので、何でもおいしく食べられること。それと、毎朝の食事が次女も含めて、家族一緒であること。いずれ次女はここを出て生活することになるまでではあるが、こういったことも幸せなこととしみじみ感じる。

 とんでもない冤罪事件に巻き込まれ、無実が明らかになって復帰した村木厚子さんとの対談が、NHK教育テレビETV特集の番組になって放送される。タイトルは「二人のチャレンジド」。二人とも、厳しい試練を神様から課された、つまり挑戦されたということでChallegedという表現になっている。"The Challenged"は、「障害者」に変わる言葉として、最近の日本では使われつつあるが、村木さんと私は、障害者問題をライフワークにしているという共通点があることに、番組では着目したのだろう。Challengedの言葉を日本に紹介した「ナミねえ」こと竹中ナミさんが、二人の共通の友人として、番組ではコメントを寄せている。対談は、2月27日に我が家の応接間でなされた。その後に大震災があったので、番組編集上、若干の工夫がなされるらしい。2時間の対談を半分以下に切るのがもったいなかったし、大変だったと担当の大野ディレクターが言っていた。どんな編集になっているのか、どんな番組になっているのか、私としても楽しみである。 (「夢らいん」のトップページのトップニュースに、番組紹介があります。)


2011.4.25(月)

さようなら、スーちゃん   

 陽射しが強くて暖かいが、風が強い。春本番というより、初夏の香りである。そんな中、15分+15分のウオーキング。シャツが汗で濡れる。30分の歩きは、結構な運動量である。当面、これ以上時間を増やす気はない。こうやって歩けることは、いろいろな条件が整っているからこそである。そのことをありがたく思いながら、ひたすら歩く。

 仙台の菊地昭典君からメール、そして電話。被災地に支援活動に赴いて、複雑な思いにとらわれ、ふだんの日常に戻れず落ち着かないとのこと。そんな中で、6月5日(日)の「とっておきの音楽祭」in仙台の開催に向けての準備にかからなければならないと、自分を叱咤しているところらしい。今年は、被災もあり、協賛金がなかなか集まらない。そんな中で、史上最多の280を超える団体が参加予定という。ぎりぎり追い込まれた中での開催決定だが、菊地君は燃えている。18年前の宮城県知事選挙出馬前夜を思い出す。思い出しついでに、菊地君の書いた「アサノ課長が知事になれた理由(わけ)」を読み返してしまった。仙台二高の同期生たちと戦った、はちゃめちゃな選挙。45歳の「青春」の輝きがなつかしく思い起こされた。

 田中好子さんの告別式が執り行なわれ、その模様がNHKニュースでも詳しく報じられた。田中さんが3月末に吹き込んだメッセージが場内に流されたが、自分の告別式に流すために吹き込んだのだから、本人は、当然自分の死を覚悟している。苦しそうな息の中で、大震災の被災者への哀悼の言葉があり、仲間への感謝が述べられている。このメッセージをどんな思いで録音したのだろうと思うと、涙が出てきてしまう。心からご冥福をお祈りいたします。


2011.4.24(日)

原発事故対応は、ここが正念場    

 新聞の紙面でも、テレビのニュースでも、ちょっと前までは、トップニュースはもちろんのこと、大部分が大震災関係のニュースで埋まっていた。今もその傾向は大きく変わってはいないが、その他のニュースも報じられるスペースが広くなりつつある。原発事故のニュースに接するたびに、精神不安定になり、血圧も上昇したので、しばらくはニュースを見ないようにしていたが、そうもいかない。関心は、極めて高いのである。目をつぶれば、怖いものがなくなるというわけでもないという単純な事実を指摘されるまでもない。

 工程表なるものが発表されたが、その一つひとつの工程がどれほど大変な困難を伴うものであるかは、素人でもわかる。ロボットが映し出す原子炉内部の状況を見れば、あれだけの混乱と破壊の中で、配管や電気系統などが、無傷でいられるとは想像できない。破壊された部分をどうやって修復するのか。原子炉を設計した技術者を動員しないで、そんなことができるのかなど、不安は消えない。そもそも、そんな作業に入るための前提として、原子炉内の放射線レベルを低下させなければならず、そのためには、多量の汚染水を排出させなければならない。気の遠くなるほどの困難で長期にわたる工程である。しかし、自然に放っておいて、なんとかなるものではない。ここは、人知を尽くしてやり遂げなければならない。日本人だけではない、地球上の生きとし生けるものの運命がかかっているのだから。

 原発事故のことは頭から去らない。余震というか、誘発地震というか、ほぼ毎日、ここ横浜でも揺れを感じて、そのたびに、どこかで巨大地震が発生していないかと心配になる。そんな深刻な危機が間近にあるにもかかわらず、世の中の普通の動きにも無関心ではいられない。目下は、プロ野球とJリーグ。昨日は、楽天が日本ハム相手にサヨナラ勝ちし、ベガルタ仙台は、川崎フロンターレに逆転勝ちして、被災地の人たちはもちろんのこと、見ているみんなを感激させた。「被災地の方々のために、がんばりました」というのは、ここまでにして、後は自分たちのために奮闘して欲しい。

 統一地方選の後半戦、民主党が、またも大きく負けた。今回唯一の国政選挙だった衆議院の愛知六区の補選。民主党は、政権与党でありながら、候補者を立てることさえできなかった。これに、すべてが象徴されている。三重県の津市長選挙では、元宮城県総務部長の前葉泰幸さんが、接戦を制して当選した。テレビで見る彼の態度が堂々としているのに、驚きながら感心した。いい市長になってくれることを確信する。おめでとうございます。


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