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ジョギング日記 4月第5週分          

2009.4.30(木)

 所要があって、仙台へ。その前に、FMラジオでのニュース解説を新幹線の駅から携帯電話で送る。便利になったと言うべきか、どこまでも追いかけられると言うべきか。話題は、火曜日に続いて、新型インフルエンザ。39年前、厚生省に入って、最初のセクションが、公衆衛生局防疫課。伝染病予防の担当課で、明治30年にできたカタカナの法律である「伝染病予防法」を読んだことを思い出した。予防接種による「社会防衛」とか、法定伝染病とかの用語も思い出す。強力な警察規制の条文が、私がいた当時は、「時代遅れ」と批判されたが、今回の新型インフルエンザでは、そのぐらいの規制が必要になる事態も予想される。問題は、その条文をどう使うかであって、条文の「時代遅れ」うんぬんでは、ないような気がする。

 仙台は、気温23℃。タクシーの運転手さんが、「朝は暖房、昼は冷房」と言っていた。短い滞在で横浜に戻った。楽天の試合を、またまた、ネット観戦。昨日に続き連勝。田中マー君でなくとも、勝てる。そのマー君。肩の張りで登録抹消とのこと。シーズンは長いのだから、無理しないのがいい。


2009.4.29(水)

 昭和の日の祝日。テレビでは、昭和特集をやっている。見るとはなしに見ていると、なつかしい映像が出てくる。大学の授業に出てくるのは、半分が平成生まれという時代である。昭和は、確実に遠くなっている。

 少し、疲れがたまって、朝は、起きたくないムード。こういう時は休むに限る。明日も、休むつもりなので、4月の月間行距離は144キロで確定した。

 何も日程の入っていない日である。家にこもって、のんびりと過ごした。ネット中継で、楽天対日本ハム戦を観戦。息詰まる投手戦だが、楽天の田中将大が1点に抑えての、4連続完投勝ち。そして、野村克也監督が1500勝達成。2対1で勝利した試合終了時には、ぐっと来るものがあった。田中投手は、まだ20歳。あどけなさも残る顔が、試合中には厳しい顔に変わる。ゴルフの石川遼選手は17歳。どちらも、この若さでしっかりしている。自分が17歳、20歳だった時を思い出すと、恥ずかしくなるぐらいである。


2009.4.28(火)

 GPSトレーナーの表示変更がやっとうまくいって、今朝の走りでは、無事、メートル表示になった。ただ、ペース表示がめまぐるしく変わるのは、直せない。しかも、キロ6分30秒だったり、キロ7分超だったり。そんなに遅いペースのわけはない。距離表示のほうは正確。距離表示に従うと、きっちりキロ6分で走っていることが実証された。技術的な問題としては、歩道橋を小回りのらせん状に昇降する部分。回転半径が短いと、通信衛星がトレースするのがむずかしいのだろう。実際の移動距離以下の距離表示になるみたいである。この文章、GPSとランニングをある程度わかった人でないと、「なんのことやら」という受け止めだろう。GPSは、Global Positioning Systemの略で、通信衛星からの電波を受信機が受けて、位置を確認するシステムである。米軍が開発して軍事技術であるが、民間にも開放されている。

 といったことを考えながら、GPSが示す距離で3キロ地点まで走った。キロ6分で走っている前提で、「大体、この辺が3キロ地点だろう」と想定していた地点より、30メートルほど先だった。たぶん、この差は、歩道橋の部分の移動距離がGPSでは過小に認識されているから生じたのだろう。そこから反転の6キロ。いつもの6キロ走より疲れた。

 慶応大学SFCでの授業。3時限の「政策協働論」の後、研究会を二コマ連続。福祉の研究会では、ゲストに登場いただいたが、残り二つはしゃべりっぱなし。授業終了後、研究会の四年生で、就職が内定したのが三人教室に残っていた。今春の卒業生で、都庁に就職したA君が後から合流して、湘南台駅近くのいつもの居酒屋で一杯。

 豚インフルエンザの状況がフェーズ3から4に上げられた。事態の深刻度が増したということである。政府も、緊急に対応を決めた。名称は、正式に「新型インフルエンザ」と呼ばれることになったようである。マスクの季節は過ぎたと思っていたが、もう少しの間、マスク着用は続けよう。


2009.4.27(月)

 横浜の自宅からの走り。楽しみにしていたのは、GPS付きのウオッチ。ところが、まだマイル表示が直らない。途中で止まって、ウオッチをいじっていたが、直らない。修正の仕方がわからない。すっかり走る気力をなくしてしまい、4キロでおしまい。せっかくのいい天気なのに、もったいないことをした。マイル表示でも構わないと思って、頻繁にウオッチの表示を見ながら走ったが、スピードが9分何秒/マイル、10分何秒/マイルと、めまぐるしく変わる。こんなに動くのでは、とても参考にはならない。困ったな。

 豚インフルエンザの発生で、大変な状況になっている。想定外の状況だろう。先日、「厚生労働省崩壊」木村盛世著(講談社)を読んだばかり。木村さんは、厚生労働省の現役医系技官で、現在、検疫官を務めている。天然痘テロ、新型インフルエンザが日本に入ってきたらどうなるか、厚生労働省の防疫体制はお寒い限りではないかという警告の書である。正直、この本を読むと、現場の体制は、新型インフルエンザの蔓延を防ぐことは、相当にむずかしいと感じる。なんとか、急いで対策を立ててもらいたい。


2009.4.26(日)

 京都市左京区岩倉の宇津崎さん宅で目覚めた朝。昨夜、早めに就寝したので、目覚めはさわやか、体調十分。6時半、宝ヶ池通りから北山通へ、北山橋から鴨川に入って、鴨川を上流に走っていった。上賀茂橋を過ぎ、御園橋のあたりで30分。そこから反転して戻ってきた。復路では、橋を一個間違えて、北大路にかかる北大路橋まで行き過ぎてしまった。この日の12キロランは、外国での走りは別格として、国内での走りの中のベスト5に入る。北山通のたたずまいも素晴らしいし、なにより、鴨川の上流部を走る楽しさは、何にもたとえられないほどである。暑くなく、寒くない、体調十分という条件も整って、いつまでも、どこまでも走れそうな感じになってしまったのも、珍しいことである。そして、GPSトレーナーを初めて使った記念すべきランでもあった。スピード表示が、キロ8分とか9分台になっているので、「故障かな」といぶかりつつ走ったのだが、原因がわかった。距離の設定が、キロでなく、マイルだった。参るなと苦笑しながらの初使用であった。

 京都から奈良に移動して、奈良ロイヤルホテルで「民主党奈良・政治スクール」で講師を務める。校長は、馬淵澄夫民主党奈良県連代表である。約50名の政治スクール生のほかに、200名ほどの一般聴講生。地方自治の話、政治家と選挙の話を中心にやらせてもらった。

 帰りの新幹線。富士川から富士山の姿が黒味ががって、はっきりと見えた。それが6時33分。この時間でも、富士山がはっきり見えるだけの明るさである。山頂付近の雪が、だんだん融けて、白い帽子が小さくなっているのがわかる。


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