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ジョギング日記 10月第2週分                

2006.10.14(土)

 白楽の家を出たのは7時20分。日程の余裕があるし、仙台でないという気楽さで、走ることにした。新横浜駅方面へのコース。景色がいいわけではないし、どうっということないのだが、結構走りやすい。今朝は、復路のほうが40秒ほど遅い。

 八重洲ブックセンターで本探し。3冊のうち、2冊はみつけることができた。広い店内、満載の本。お客様はあまり多くないので、買いやすい。

 1時半から「女性のための政治スクール」で講師を務める。このスクールは、細川佳代子名誉校長、円より子校長と、縁のある方が関係しているので、喜んでお引き受けすることにした。「これからの地方自治への視座」というタイトルだが、最近の自治体不祥事問題と三位一体改革について語った。30人ほどの熱心な聴衆なので、話しやすい。今日は、これだけ済まして、仙台に帰る。


2006.10.13(金)

 八幡町方面への6キロコース。身体が重い感じで、往路は意識してゆっくりペース。復路は普通に走ったら、復路は1分17秒速かった。無理のない走りだったので、気持ちがいい。

 青森県十和田市の社会福祉大会で記念講演。東北新幹線「はやて」で八戸へ。いつもは東京方面なので、逆方向は滅多にない。八戸から東北本線で三沢へ。迎えの車でそこから30分で十和田市の会場。二分ほどして講演が始まり、1時間半話して、終了して3分後にはタクシーで三沢駅に向う。こういうのも珍しい。珍しいから面白い。

 八戸から再び東北新幹線に乗り、仙台を通過して東京へ。大手町の日経ホールで「団塊世代のふるさと回帰」というシンポジウムに参加する。式典部分で、「3分です」と言われて登壇した環境大臣が17分話したため、次の猪瀬直樹さんが講演を予定より短く終えてくださったにもかかわらず、我々のシンポジウムは15分遅れで始まった。こういうルール違反には、ことさら敏感な私である。

 和歌山県でも談合問題で出納長が逮捕の事態に発展した。この件で、現地の新聞から電話取材。自治体での不祥事続きに、暗澹たる気持ちになってしまう。


2006.10.11(水)

 慶應大学SFCの第1時限に出る日だが、4キロぐらいは走る時間がある。ということで、白楽の家から妙蓮寺駅、菊名駅方面の往復コースを走る。爽やかな日和の気持ちのいい空気の中を走るのは、身体も頭脳も目覚めさせてくれる。

 SFCでの「地方分権と福祉政策」の外部ゲストは田島良昭氏。長崎県コロニー雲仙での30年間の軌跡及び奇跡を学生諸君にもわかりやすく、感動的に語ってくれた。「迫力あるおじさんが来るからね」と学生には予告していたが、迫力だけでない説得力と人を動かす力のある素晴らしい講義であった。ありがたい。

 SFCの研究室でアポイント一つ、都心に出て、日本フィランソロピー協会会長室で取材2件。その後、NHKに出向いて、「クローズアップ現代」の打ち合わせと生出演。国谷裕子さんの理知的な仕切りが魅力の番組である。福島県の談合問題という話題であったので、私としては話したいことはたくさんある。それを短いコメントで伝えるのは至難の業である。番組終えて、東京駅まで直行して仙台に帰還。


2006.10.10(火)

 慶應大学SFCでの授業。「地方自治の制度と運営」は、地方財政の根幹である地方債、地方交付税について扱う。これが学生には、相当に難解であったようである。地方交付税の中身を知らないという基礎的知識の不足もさることながら、私の説明ぶりもいまひとつ弱かったのかと反省しきりである。220枚提出された出席カードのコメントに「むずかしい」というのが多くあるのを見ながら感じた。夜は、「組織における危機管理」の研究プロジェクトの履修学生たちとの飲み会。出席者は半分ぐらい。気持ちのいい青年たちである。

 プロ野球セントラルリーグで中日ドラゴンズが優勝。わが阪神タイガースも終盤猛追したが追いつけなかった。戦力として決して傑出しているとはいえないチームを優勝まで持っていった落合監督の手腕を賞賛したい。あれだけ金を使って優秀な選手を集めた巨人が4位というのと好対照と言ったら、原監督に失礼だろうか。だからプロ野球は面白いというぐらいにしておこう。


2006.10.9(月)

 体育の日で祝日である。体調万全、睡眠十分、日程順調、天候最高、そして体育の日である。これできちんと走らなかったら、もったいない。自宅から仲の瀬橋、仙台二高前、澱橋を渡って、八幡町から旧国道48号線コース。信号なし、坂なし、人通りなし、景色良しである。広瀬町に住んでいる頃は、週二回は走ったコースだからざっと千回以上走った勘定になる。片平に移ってからはほとんど来ていない。そのコースを葛岡まで。往復14キロ。ゆったり、のんびり走ったので、疲れはない。体育の日らしい過ごし方にも満足。

 北朝鮮が核実験を実施したとの報。北朝鮮の国内向けにも「やる」と発表していることなので、実験をしなければ政権の権威失墜ということになる。だから、今回は必ずやるだろうという見方が支配的だったので、驚きではない。しかし、これからどうなるという懸念は大きい。北朝鮮の国際社会での孤立は避けられない。第二次世界大戦前の日本も、大筋ではこれと同じような孤立に陥った。暴発にならないように、どのように収めていくか。核兵器という、大量破壊兵器が関わっているという意味では、地球全体にとっての重大さはとてつもなく大きい。寺島実郎さんが言うように、北朝鮮だけでなく、その他の国も含んだ核兵器廃絶という議論で、日本がこの機会に中心的役割を果たすということの重要さを考えるべきだろう。


2006.10.8(日)

 SMCへ。なぜか参加者が少ない。30人ほどか。青空がのぞいているのに、途中で雨が落ちてきた。適度に涼しいランニング日和の中、いつもより少し速いペースで走った。

 つれづれなるままに、一週間前の出来事を書く。横浜滞在中の日曜日の朝。メガネをいじっていたら、突然レンズとレンズの間の金属がポキリと折れた。この日は、鳥取県境港市社協での講演に行かなければならない。替えのメガネを持ってきていないので、片割れメガネを持って出かけた。講演ではメガネなしなので、聴衆の顔が全く見えない。見えないと話の調子が狂ってしまうことに気がついた。

 講演後、境港市の観光名所である「鬼太郎ロード」を車で案内してもらった。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である水木しげるさんがここのご出身。車の冷房がきつかったので止めてもらったら、冷房が暖房に切り替わって、元に戻らない。「こんなこと初めてです」とWさんはあせっていろいろいじるが、直らない。私は片割れメガネを掛けて、「オペラ座の怪人だぞ」とふざけているところだった。ゲゲゲの鬼太郎とオペラ座の怪人。そうだ妖怪の仕業だったのだ。それが証拠に、車が鬼太郎ロードをはずれたら、冷房はすぐに直った。

 不思議はまだ続く。翌日、仙台の家から替えのメガネが届いた。それを掛けて、壊れたメガネの修理に銀座の某店にでかけた。「部品を換えればいいので、明日には直ります」と言われて安心しつつ、その時掛けていた替えのメガネをはずした途端に、その柄がポキリと折れた。昨日は人生で初めての経験でメガネが折れたのだが、それが二日続いた。

 片方の柄が取れたメガネを掛けて、日本フィランソロピー協会の事務所へ。片方の耳にしか掛かっていないメガネなので、顔が違って見えるはずである。T理事長に「俺の顔変でしょ」と言ったら、彼女はあれもこれも私の顔の変なところを指摘する。「違う、違う、メガネがこれだから変な顔になったと言いたかっただけ」と柄の取れたメガネを示しつつ、話をさえぎって、それ以上私の顔のおかしさが指摘されるのにストップをかけた。ここまでなら笑い話。

 翌日、別件でT理事長から電話をもらって驚いた。話が一応終わった後、「ところで、私のメガネが昨日ポキッと壊れたの」とTさん。「二度あることは三度ある」の三度目の部分を身代わり(こういうのも「身代わり」と言うのだろうか)になったということなのだろうか。  その後、メガネにも、私自身にも、不都合は全く生じていない。


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