浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  5月第4週&第5週            

2006.5.31(水)

 今朝も走らなかった。結局、今月の走行距離は74キロ。走ったのは、12日にとどまった。

 慶応大学での一時限の「地方自治と福祉政策」の外部講師は、石川治江さん。地域での24時間、365日のケア活動を進める際に、フォーマットによる管理を徹底した方法論に、学生は強く印象づけられた様子。「福祉は心」では済まない。福祉は技術であり、システムである。経営論にも通じる高度な話であった。

 授業を終えてすぐに新幹線に飛び乗って仙台へ。新幹線では、偶然にも、田島良昭夫妻に会った。しばらくぶりの「里帰り」に居合わせた。しばらくぶりで田島氏とじっくり話をした。

 仙台では、、国際ホテルでの「ベスト・ファーザー賞in東北」の授賞式。全国規模でやっているものは、25回ぐらい続いていて、私は2003年の受賞者であるが、東北でやるのは今回が初めて。齋藤弘山形県知事、大山健太郎アイリスオーヤマ社長、藤崎三郎助「藤崎」社長、荒川静香選手のお父様、佐藤豊さま、楽天の岩隈投手が今回の受賞者である。私の役目は、齋藤弘知事へのトロフィー授与と受賞者のパネルディスカッションのコーディネーター役。このディスカッションは面白かった。

 パーティーの途中で生島ヒロシさんから「今、仙台に来ている」という電話が入って、妻とともにちょっとだけご一緒する機会があった。


2006.5.30(火)

 午後から、慶応大学での「政治参加論」の講義。今日の受講者は、185名。「(浅野の)選挙について」というのが、今日の演題である。まさに、「一人称で語る政治学」である。武勇伝のように聞こえてしまうが、私としては普遍的なものを伝えようという気持ちをもって臨んでいる。いずれにしても、学生諸君には、興味を持って聴いてもらっていることは、壇上から読み取れた。

 「組織における危機管理」の研究プロジェクトでは、潟Jタログハウスのエコひいき事業部長の竹本徳子さんに外部講師として来ていただいた。不祥事を起こすような組織の対極にある、哲学と方法論のある企業のありようを知りたいというのが、私の意図であった。意図どおり、それ以上の発表であった。授業終了後、学生の一人から、記念品をもらって、竹本さんは感激していた。

 夜は、「地方自治と福祉政策」の研究プロジェクトのメンバーとの飲み会。湘南台駅西口の居酒屋が会場だったが、私は東口と思い込んでいて、電話が入るまでうろうろしていた。最近そういう思い込みによる失敗が多い。飲み会では、学生諸君が福祉のありようを知って、人生を考え直すというところまで行っているというのを知って、こちらのほうが感激してしまった。


2006.5.28(日)

 今日ぐらいは走ってみようかと思ったら、朝から雨。昼にかけては大雨。フルキャストスタジアム宮城に楽天対広島戦を見に行って、三連勝の場面をこの目で確認したいと思っていたが、試合は雨のため中止となった。

 午前中、船形コロニーの育成会の総会に招かれて、宮城県社会福祉協議会会長としての祝辞を述べる。祝辞といっても、中身は「船形コロニー解体宣言」の基本的方針は、なにも変わりはないこと、心を込めてお話するというものであった。地域移行を果たした200人近い人たちの親は、既に育成会を離れている。今日の育成会総会に出席されている、現在も船形コロニーにお子さんが入所している親御さん方の率直な気持ちとしては、グループホームはいつまで続くか信頼できないが、船形コロニーは永遠だというぐらいの信頼感があるということなのだろうか。障害を持った本人の期待と希望は、ほんとのところどうなのか、実際にグループホームでの生活を始めている人たちの状況もじっくり見ながら、時間をかけてでもいいから、ここはよく考えていただきたいというのが、私の真意である。

 その後は仕事はないし、やるべきこと、原稿書きも大体終えているので、久しぶりにのんびりした日曜日を自宅で過ごすことになった。


2006.5.27(土)

 久しぶりにゆっくりする土曜日の朝である。ゆっくりついでに、走るのもお休み。実のところ、先週の金曜日に、金沢で雨の中で短い距離を走って以来休んでいる。諸条件が整わずという結果であるが、五月の走行距離は、記録的に少なくなるだろう。

 午後から、東北大学の公共政策大学院での集中講義。1時間半×2ということで、そんなに長く話せるだろうか、聴いてもらえるだろうかと心配したが、1時から4時35分まで務め上げた。4時以降は、学生にコメントを書いてもらう時間に宛てた。皆さん、極めて真摯に書いてもらったが、これが何よりの報酬である。

 楽天イーグルスが広島カープ相手に連勝。昨日は10対2の大勝、今日は6対5の一点差をものにした。たまに勝つから、一勝の重みとうれしさを最も感じているのが楽天ファンである。なかなか球場に足を運べないのが残念である。


2006.5.26(金)

 朝から県社協。午後から理事会があるので、その打ち合わせなど。理事会は、無事に終わるのは当たり前ではあるが、その当たり前どおりの結果で、まずは一段落。膨大な資料を用意して、綿密な準備をして臨んでいるスタッフには、本当にお疲れ様と言いたい。

 夜は、久しぶりに連句の集い。前回、会場になった寿司屋のお料理が旨すぎて、ついつい句作りのほうがおろそかになってしまった。今回は、その分の挽回も含めて、順調に進んだ。私自身は、どうもリズムに乗れないという感じで、言葉が湧いてこないので、もっぱら飲む、食うほうに力が入ってしまった。


2006.5.25(木)

 羽田発9:50の便で高知へ。高知新聞主催の政経懇話会での講演。地域づくりと地方分権について。全国的にいい天気であるが、高知も南国の香りが漂う晴天であった。講演後、帰りの便まで時間があったので、高知県庁に寄った。橋本大二郎知事は東京行きで不在。

  県政記者クラブにふらっと入って、旧知の高知新聞の竹内記者と談笑。県警犯罪捜査報償費をめぐって、宮城県と高知県は、ともに地裁判決で「適正執行に疑義あり」とされたが、それを受けて、高知県議会は全員一致で監査委員に特別監査を求める決議をした。宮城県議会は沈黙。高知県監査委員は、「三分の一以上の執行が不適正」という監査結果をまとめ、そのうち数百万円は県に返済せよという注文を県警につけるに至った。この違いは一体なんだろう。といったことも、竹内記者との間の会話だった。

  伊丹空港経由で仙台空港へ。久しぶりの自宅である。


2006.5.24(水)

 慶応大学での「地方自治と福祉政策」を終えて、参議院議員会館での「構想日本」の「事業仕分け」デモンストレーションへ。「ニート対策モデル事業」を例に挙げて、これを国の事業として実施することの適否を論じる。「構想日本」の富永さんが国の官僚の役。私はそれを批判する役。他に、前埼玉県志木市長の穂坂さんも批判側に加わる。一応台本があってのデモンストレーションなのだが、ついつい力が入ってしまう。公明党の国会議員をはじめ、40人ほどが参加しただろうか。  


2006.5.23(火)

 午前中から慶応大学SFCへ。「政治参加論」の授業で学生に課すレポート課題を、学期末に一発でやるのではなく、中間レポートも課すことにしたので、その手続きを事務室の学事の人に教えてもらうために、早目のキャンパス入りになった。

  教師のレポート出題、学生のレポート提出なども、すべてweb上で行うのが、ここSFCのならいというか、慶応大学の流儀というか、最近の大学の傾向ということである。そもそも、レポートについて、中間でも課すか、学期末一発がいいかを、前回の授業で「意見のある人はコメントを」と求めたところ、26対9で「中間も」という学生が多かった。5項目のキーワードを示して、そのうち任意の4項目について1項目400字から600字でレポートさせる。250人ほどの履修者がいるから、一人分2.5分で見るとしても、10時間以上かかるのだなと、今頃になって大変な作業であることにあわてている。これも、義務ではなくて、楽しみと思ってやることにしよう。

今日の「政治参加論」の出席者は、出席カードの枚数からいうと188名。前回と全く同じである。それぞれ、コメントが書いてあるが、それを読むのは、半分義務、半分楽しみである。NPOについてが今回のテーマであったが、昨日、「地域創造ネットワーク・ジャパン」の設立総会を大々的にやったばかりだったので、気分的にはぴったりであった。


2006.5.22(月)

 朝から県社協。10時から評議委員会が開催される。その前に、打ち合わせ、表敬、取材。評議委員会は、相変わらず活発な質疑が交わされる。

 評議委員会を終えて上京。3時から霞が関ビルで「地域創造ネットワーク・ジャパン」の設立総会である。私が代表に選出された。引き続き、記者会見、私のミニ講演、シンポジウム。団塊の世代がシニアとして地域で社会貢献活動するのを支援するというコンセプトで立ち上げたのだが、想像以上に関心が高まっている。全国各地から、NPO関係者など300人以上が熱心に参加してくれた。立ち上がりの盛り上がりは上々である。あとは、どう実質的な活動に結びつけていくか。意義ある活動だと強く思うが、いかんせん、私の能力と時間の制約がある。多くの人の支援にすがるしかない。


2006.5.21(日)

 久しぶりの五月晴れの一日。朝の日差しがまぶしい。新宿の住友ビルで「プロジェクトK」の設立記念フォーラムで「霞が関が抱える課題と改革の視座」と題して講演。説明によれば、「プロジェクトKは、平成16年11月に発足し、霞が関を中から変えるべく活動している国家公務員有志の会」ということである。本省課長補佐クラスの、ごく若い人たちの集まりで、既に「霞が関構造改革 新しい霞が関を創る若手の会 プロジェクトK」という本を出して、12,000部も売れている。こういう活動が、霞が関を変え、日本を変えていくかと思うと、頼もしい。

 夕方は、日本テレビ「バンキシャ」で、いつもどおり、ほんの短いコメント。これで久しぶりの仙台に戻る。火曜日に仙台を発して、その間、鳥取、金沢、八王子と回った。明日は、またまた東京であるので、つかの間の仙台となる。


以前のジョギング日記はこちらから



TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org