宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 6月第1週       

2004.6.5(土)

 今朝もいい天気である。これだけの日の光の中を走るとなると、この季節、日焼け止めクリームは必須。最近は、通信販売で入手した某社のものを使っている。積年の紫外線照射で痛めつけられた顔には、シミが定着してしまっているから、既にして手遅れとは知りつつも、これ以上はご免蒙りたいの一心である。そんな中で、久しぶりの二桁、10キロ走った。

 宿題がたまっていたので、パソコンに向っていた。あっという間にできてしまう、量の少ないものもあるが、6本の原稿を仕上げた。ちょっと手のかかるものは来週回しにしてしまった。

 佐世保の小学校での女児殺人事件には、心を痛めている。被害女児の母親は亡くなったばかりで、父親が育てていた。毎日新聞の支局長である父親が、事件直後に取材に応えていたが、呆然自失の様子であった。とても、現実に起こるとは信じられないような事件であるから、父親としてはなおのことであろう。加害者の行動は、全く不可解であり、一体どうなっているのか、今後の解明努力も必要だろう。それと並んで、インターネット、メール社会の暗部を、またしても垣間見た思いがする。メール言語の中で、生身の人間同士のコミュニケーションとは似ても似つかない状況ができあがっていく。

 被害者の家族の取材ということでは、もう一つ。イラクで殺害されたフリー・ジャーナリストの橋田信介さんの妻幸子さんの気丈な会見に感銘を受けている。どれだけ悲しい出来事であろうか。それを抑えての会見での受け答えぶりに、驚かされる。亡くなった橋田さんが、イラクの少年の目を日本で治療させようと奔走していたという事実にも、深い感慨を覚える。こういう日本人もいるということに、ある種の勇気を得る思いである。


2004.6.3(木)

 抜けるような青空。乾いた空気。まぶしい新緑。なのに、走らなかった。もったいない、罪の意識、その両方である。でも、ここで走ると、「無理して」、「義務として」のような気がする。それでは、本意でないのである。

 午前中、県内で特異な活躍をしている企業を訪問した。デジタルカメラ、携帯電話、パソコンなどの電気系統のコイル製品のシェアでは、国際的にも相当な地位にある会社の研究開発部門を見せてもらった。企業のニーズを先回りして取り込んで、新製品の開発をしつつ競合他社を出し抜いていかないと生き残れない。成長し、成功する会社は、やはり、すごい競争を生き抜いているということなのである。レトルトの牛タンカレーで気を吐いている会社にも行った。嚥下障害のある人のための商品の開発では、利益というよりも、社会的使命を感じてがんばっている会社であり、なんらかの形で県としても関わっていきたいという気持ちになった。  


2004.6.2(水)

 夜中に目が覚めて、ラジオをつけたら、3時からの「NHKラジオ深夜便」で「日本の歌・心の歌」をやっていた。浜辺の歌、雨降りお月、歌を忘れたカナリヤ、夏は来ぬ、夏の思い出、海、椰子の実など、叙情曲特集をやっていて、ついつい4時まで聴いてしまった。昔の歌は、メロディーもいいが、それ以上に歌詞に味わいがある。

  5時半に起きて走り出した。6月の日の光が強い。走るのにも、紫外線カットのクリームを塗ってでないと、積年の紫外線暴露によるシミがますます増えてしまう。例の一筆書きコースで、橋を4つ渡って走った。

 昼前に県庁を出て、気仙沼市へ。全国離島振興協議会の通常総会に出席。全国で203の市町村が離島を持っている。本県でも、5市町で9つの離島を抱える。石巻市の田代島(人口572人)の高齢化率は82%である。高齢化、人口減、医療施設なしといった問題を共通して抱えている。改めて、離島問題のむずかしさを実感させられた。その気仙沼までは、県庁から車で2時間以上かかる。協議会には40分しかいられなかったが、往復の行程に4時間以上かかった。その気仙沼市が人口4000人弱の大島を抱えている。離島問題は、交通アクセスの問題と切り離せない。

 夜は、ラジオ3の生出演と収録1本。終わってから「鳥よし」で一杯。ほっとするひとときであり、生活のリズムである。明日からも、また張り切ってがんばろうという気力を充実することにつながる。

 このところ、打てない、守れないで、勝てなかった阪神の戦いぶりにイライラしていたのだが、今夜はヤクルト相手に井川の完封で久しぶりに勝った。なんとかセリーグの混戦を抜け出して欲しい。金満チームの巨人に優勝させるようでは、正義がほろびる。貧乏球団阪神には、ぜひぜひ、がんばってもらいたい。


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