宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  2月第3週     

2004.2.21(土)

 滋賀県大津市での「アメニティ・フォーラムINしが」に出席のため、琵琶湖のほとりの大津プリンスホテルへ。このフォーラムも7回目。その前身は、「平成桃太郎の会」である。私と何人かの仲間で始めた勉強会のようなものであるが、それから引き続いての皆勤賞である。発足の経緯から、知的障害関係の人が大部分。障害者の地域生活を支援していこうという志のある人が、決して安くはない参加費を払って集まってくる。今回も、北海道から沖縄県まで、秋田県を除く全県からの参加である。

 昨年の知事セッションには7名の知事が参加し、「障害者福祉は介護保険で」という、タイトルそのものが結論というシンポジウムを展開した。これが結構話題になったし、インパクトも大きかったので、今回はこれを拡大して、8人の知事、6人の市長、町長というセッションを2部構成でやることにした。午後3時から7時半までの4時間半。休憩なし。コーディネーターはどちらも私が務めるというもの。

 聴衆は1500人、休憩なし、壇上は知事と市長、町長。硬い話にはなり得る。果して、緊張感をつなぎ止めることができるか、心配だったのだが、全くの杞憂。誰も寝ていないのは当然としても、誇張すれば、3000個の目がらんらんと輝き続けている感じで4時間半を終えた。私も、4時間半、コーディネーター役を務め続けた。

 冒頭で、私から「みやぎ知的障害者施設解体宣言」を紹介させてもらった。シンポジウムでも、パネラーから感想が聞かれたが、おおむね好意的な賛意を示すものである。表現にインパクトがあり過ぎて、誤解を生まないようにという示唆も受けた。当然である。

 17年前に、厚生省障害福祉課長を務めていた時からの、私の宿題であった。当時からの仲間と作り上げてきたこのフォーラムである。全国から集まった、志を同じくする人たちの前で、しかも、この問題に関心を寄せる知事仲間、市長、町長たちとのシンポジウムの場で、宣言することができたことに深い感慨を覚える。


2004.2.20(金)

 日記をしばらく書かなかった。ほんの昨日、一昨日のことが思い出せない。18日(水)は、県議会の開会日。昭和22年5月の戦後第1回県議会以来、今回が第300回目。その記念式典が議場で行われた。それに続いて、オペラと西澤潤一先生の講演。その後の「知新会」には、第1回県議会に議員として名を連ねていた方が、3人もご出席だった。遠藤要元参議院議員、平野博元柴田町長、千石正乃夫元山元町長である。いずれも、90歳に近いのに、とてもお元気。勇気をいただいたような気がする。

 今朝は、とても早い時間、新聞を取りに玄関に出たところで、NHKの記者の取材を受けてしまった。その日の朝日新聞一面トップに、「脱施設、宮城県全県で、知事宣言へ」という記事が載った。取材は、それに関してだが、それにしても時間が早過ぎる。寝起きの顔、頭はぼさぼさ、汚いうわっぱり姿である。その姿が全国ニュースで映し出されてしまった。

 知的障害者に地域の中で普通の生活をしてもらうことを、宮城県としての障害福祉行政の方向とするという宣言である。なにも特別なことではないが、「施設解体宣言」という形で示したこともあり、インパクトをもって受け止められた。そうやって受け止められることは、いいことではある。関係者が、みんな真剣に考えて、実行していくべき問題である。


2004.2.17(火)

 今日から4日連続で、朝の勉強会が続き、相当がんばらないと早朝ジョギングは叶わない。その第一日目。30分ほど寝過ごしてしまい、走れなかった。

 朝早くの勉強会では、聴覚障害者のコミュニケーション障害をIT技術で乗り越えるシステムを企業化した方のお話を伺った。IT技術は、使ってナンボ。アプリケーションの可能性は無限に広がっている。

 帰宅途中に、近所の居酒屋に寄った。帰宅の際に、毎日その店の前を通っているのだが、中に入るのは、2,3年ぶりになるだろうか。親子で店を始めて49年。母親は86歳。近くにある東北大学医学部の学生だった客が、名誉教授も卒業して、まだ通ってきている。店を閉めようと思っても、何十年ぶりで訪ねてくれる客が、閉めないでと頼むのでやめられない。昔は、一ヶ月で第三日曜日だけ休んでいたのが、今は、土、日、月が休みで、営業も9時ごろまで。こんなお店もある。こんなお店で飲むお酒が一番旨い。


2004.2.15(日)

 寝ていても気温が高いのがわかる。最低気温が4℃ぐらいあったようだ。SMCにでかけようと外を100メートルほど走ったところで、嵐ぶくみの天気を懸念して家に戻った。これで週末は走りなしになるが、仕方がない。こういう天気でも、SMCには人が集まっているのだろう。

 昨日のうちに「宿題」は全部終えたので、のんびり日曜日となる。それでも、なんとなく、パソコンの前に坐って、何か書こうとしている自分がある。こういうのを、本物の貧乏性と呼ぶのだろう。読みかけのサスペンスものを、暖かい部屋でゆったりと読む。久し振りの豊かな気分である。


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