宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 11月第1週&第2週    

2002.11.5(火)

 このところ、寒い日が続いている。寒いというだけで走るのをやめたら、これから冬に向かって、走る日がなくなってしまう。そう言いながら、今朝は、決して寒いからということだけではないが、走るのはお休み。そのせいでもないのだが、体重が1日で1キロも増えていた。このところ数ヶ月の最高体重である。どうしたことだろう。

 祭日の翌日なので、ふだんの月曜日と似たような日程。幹部会、庁議、記者会見。庁議では、「自慢話」シリーズの第一号として、保健福祉部長から、在宅ホスピスケア・システムについての話があった。これが、とてもよかった。話の内容もよかったし、どうして「みやぎ方式」と呼ばれるようなシステムが完成したのか、県庁職員の関わり方についての解説も、とても説得力があり、また、感動的でもあった。こういったことを成し遂げる職員が育っているということを知って、とてもうれしい。

 午後からは、「人権・権利擁護セミナー」が開催。前日、横浜の研究会でご一緒した大熊由紀子さんが基調講演をして下さった。それに続いて、大熊さん、弁護士の荒中さん、佐藤豊さんをパネラーにしてのセッション。私がコーディネーターを務めた。限られた時間ではあったが、有意義な話を展開できたというのは、自画自賛の類であろうか。


2002.11.4(月)

 振替え休日。今日は、横浜にて、神奈川県介護支援専門員研究大会での鼎談に出席。出かける前に、8Kラン。単調に走るのではなく、一応、私なりのスピード練習で、強弱をつけてのランニングをした。この辺は、わかる人にしかわからないかも。

 鼎談は、大熊由紀子さんをコーディネーターに、阿部川崎市長と私。全国から参加したケア・マネージャーの人たちの熱気を感じつつ、介護保険におけるケア・マネジメントのありかたなど、宮城県での試みの紹介を交えつつ、お話をさせていただいた。

 横浜からの帰りは、ずっと大熊さんとご一緒。明日は、仙台にての人権・権利擁護セミナーに大熊さんをお招きしている。彼女の講演のあとのディスカッションは、私がコーディネーターを務める。障害者や痴呆性老人の人権をどうやって守っていったらいいのかということで、多分、結構刺激的な議論になることだろう。

 3連休ということだったが、私にとっては、札幌、横浜と仕事で動き回る期間であった。その間にもちゃんと「宿題」はこなしたし、それなりに充実した連休だった。本当のところは、ゆっくり温泉にでもつかっていたかったのだが、そうもいかない。


2002.11.3(日)

 文化の日。札幌から帰ってきた。昼食時は我が家なのだから、全く便利というか、札幌は近いものだと実感する。

 その札幌。今年の春にも行ったので、それほどなつかしいというほどではない。ただ、今回は、17年前に障害福祉の仕事でご一緒した人たちに大勢お会いすることができたのがうれしい。午後5時から6時半まで、「障害者の地域支援」といった講演をして、そのあと1時間、参加者との質疑応答。昔の仲間数十人の会かと思っていたのが、500円の有料にもかかわらず、400人近い参加者がいる大掛かりなものだった。音頭を取った、知的障害者施設「手稲この実寮」の加藤孝寮長のお手配に感心した。

 それにしても、2時間半ぶっ続けの出演は、さすがに疲れた。8時から、すすきのの大衆居酒屋での50人ほどが参加した会食まで飲まず、食わずだったので、ビールの一杯が実に美味だった。そして、旧知の仲間との再会。どちらかと言えば、今回は年配の人が多かったが、右も左もわからない私に、障害福祉の仕事の手ほどきをして下さった方々である。17年間前のことが、一瞬にして蘇ってきた。

 2次会は、私が北海道庁の課長時代に係長として一緒にがんがん仕事をやった山本文夫さんと、児童施設の経営もする僧侶の秦正見さんとでこじんまりと。山本さんは現在は石狩支庁長の要職にある。そんな肩書きは、お互いにすっかり忘れて、語り、飲む。昔の仲間は、こういうところがいい。

 今朝は、最低気温2.5℃ということだったが、せっかくの札幌である。いつもどおり、北大構内を一周するコースを走った。寒さはほとんど感じない。空港では、ソフトクリーム。夜のすすきのを加えて、これらをひそかに「札幌3点セット」と呼んでいる。今回はすべてクリヤ。

 帰宅して、週末の宿題を一気に片付けてしまった。その余裕もあり、なかなか読めなかった村上春樹の「海辺のカフカ」を読了。ベストセラーを読むのは、ちょっと抵抗があるのだが、まあまあ面白かった。文化の日らしい時間の過ごし方とも言える。

 昨日は、愛子駅までの22K、今朝の北大コースは7Kちょっと。それなりの走り込みができている。


2002.11.1(金)

 またまた、何日間か日記を書かないでいるうちに、カレンダーは一枚減って、なんと11月になってしまった。寒い、寒い。家の中は暖房装置を動かしている。ちょっと前まで冷房だったのに。いやはや、時の経つのは速いもの。これでは、すぐに年を取ってしまう。

 この空白の間にも、いろいろなことがあった。

  印象に残っているのは、30日(水)に田中耕一さんにお会いしたこと。43歳でノーベル賞受賞というすごいことをやってのけた人は、素直で感じの良いシャイな青年であった。知事室においでいただき話をしたのだが、ごくごく普通の青年と話しているような気になってしまう。ふと、「目の前のこの人がノーベル賞を取ったんだ」と思い直して、居住まいを正す私であった。

 ものすごい数の報道陣に囲まれて、最後に握手をして二人で写真に収まったが、「出来た写真頂戴ね」と思わずカメラマンに声をかけてしまった。田中さんも「僕にも頂戴」とか言っていて、それがほほえましかった。ともあれ、とても感じのいい方。誰かが言っていたが、究極の「癒し系」である。東北大学で5年間過ごしたという故をもって、宮城県としては「県民栄誉賞」を差し上げることにした。もらっていただけると、うれしい。

 翌31日は、好天の下、赤坂御苑での園遊会にご招待を受け、夫婦で出席。天皇陛下に今年の高知国体でお会いしたことと、昨年のみやぎ国体のお話をしたら、陛下のほうから、「開会式で虹が出たことが忘れられません」というお言葉をいただいた。そのあと、皇后陛下からもお言葉をいただいた。高円宮殿下、妃殿下とは、今年のワールドカップで宮城スタジアムにおいでいただいたことについてお話をすることができた。

 仕事もあれこれしたし、いろいろ人にも会ったのだが、なんだか記憶があっという間に薄れていってしまう。これも、年のせいというころだろうか。

  この寒さの中、明日はもっと寒いだろう札幌に行く。


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