宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  3月第3週
2002.3.16

 朝6時、渋谷秘書とともに、赤坂発で東中野コースを走った。気温は13℃ある。北風がやや強いが、走るのに支障はない。復路は信号にひっかかることが多く、リズムが乱れたが、それ以外は極めて快調な走りであった。実質1時間26分。15Kちょっとはいったと思う。

 最高気温24℃の東京から、3℃の札幌へ。北海道もこのところの異常高温で、道路の端に積み上げた雪が残っているだけ。北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター主催の連続公開シンポジウム「構造改革時代の地域政策」にて話をするためにやってきた。1時間ちょっと話をして、そのあと、山口二郎教授、宮脇淳教授との鼎談。

 鈴木宗男議員の地元でもあり、両先生の話もついついそっちのほうに行ってしまう。しかし、鈴木議員の地元への利益誘導も、財源の中央集権という中から出てきたことであることを考えると、地方分権の議論としてはわかりやすいものになる。いずれにしても、久しぶりの札幌。私の第二の故郷のようなものであるので、ここにいること自体が楽しく感じられた。

 道庁時代の仲間などと、すすきので歓談。15年の月日が、あっという間に戻ってくる。

 ベガルタ仙台が5対2で柏レイソルを破った。これは、決してまぐれではない。いよいよほんものになってきた。うれしい。


2002.3.15

 天気予報では雨であったが、朝の早い時間は晴れ間があった。その間に、軽く6K。今朝の最低気温は10℃以上だった。湿り気もあって、走りやすいコンディション。

 一仕事をしてから上京。「国と地方の税制を考える会」に出席。今日は6人の知事が集まった。国から地方への税財源をどういう筋道で移譲させるか、理屈の上からも、運動論的にも、もう少し詰めが必要ではある。

 そのあと、厚生労働省に出向いて、介護保険のありかたについて議論をした。東京事務所に戻って、「月刊福祉」の対談収録。20年来の友人である山崎泰彦上智大学教授がお相手である。山崎さんの聞き上手に乗せられて、いろいろしゃべってしまったが、どんなまとめ方になるのか。

 そのまま東京事務所にて、省庁勉強会。今日は、文部科学省の寺脇研審議官が発表者となって、教育改革についての議論をすることができた。「みやぎらしい教育」の確立を図ろうとしている立場からは、とても有益な議論をすることができた。教育問題は、誰しもが関心事。出席のすべてのメンバーから、有益なコメントを得ることができた。次回は、新年度。新しい形の組織に変わる東京事務所にて、この勉強会を続けていきたい。


2002.3.14

 朝7時半からの勉強会があったので、今日の走りはなし。今月に入って、走りを休むのはやっと2回目である。

 勉強会を終えて、そのまま小牛田の家畜市場に直行。BSE問題で、牛の値段が下落して、今もって戻らない。畜産農家の我慢も限界に近づいている。ここで、元気を出してもらわなければならない。ということで、視察というよりも、「がんばって欲しい」という元気づけに出かけた次第。

  四日間続いた今月の売買の、今日は最終日。450頭以上の牛がセリにかけられたが、残念ながら、値段はあまり高くない。それでも、もう少しがんばってもらいたい。視察を終えて、せっかくだから、古川市産の和牛の肉、特別高級品を500グラム2000円という破格の安さで買い求めてきた。我が家の夕食に供されたが、すこぶる好評であった。こんなに安くて、おいしいなら、いつでも買いたいというのが妻の感想。

  最高気温が19.5℃という5月並みの暖かさ。一気に春が近づいた。


2002.3.13

 前日計量での体重増におびえて、今朝は1時間走でつじつまを合わそうとした。その結果は、結構つじつまは合った。走りのきっかけは、こういうことにもあるということ。今年初めて、うぐいすの完全鳴きを聞いた。2ヶ所。きれいな声での「ホーホケキョ」であった。去年と比べると、早いような気がする。春近しを実感する。

 夕方、県議会の1期生の議員との懇親会があった。有資格者16名中、12名が参加。そのうち3名は、入札妨害事件で逮捕された現職県会議員のあとを受けての補欠選挙で当選してきた人達。異例といえば、まことに異例な事態である。それにしても、議員1年生の面々であるのだが、それぞれ、まことに存在感がある議員ばかりである。

 そのあと、ラジオ3、「シローと夢トーク」の収録。生放送と、1回分の録音。久しぶりで、楽しかった。丁度、友人の佐高信さんがNHKの番組制作で仙台に来ていたので、焼鳥「鳥よし」をつき合わせ、もう一軒仕上げもご一緒した。渋谷秘書に言わせれば、テレビより素顔がいいということだが、一緒にいると「毒舌評論家」の顔ではなく、気のいい中年という感じでしかない。今度、彼のふるさとである酒田でなにかやろうということを確認しあって、別れた。  


2002.3.12

 走るのに、少し気力をふるい起こさなければならなかった。私流のスピード練習をしてみた。6K走の復路で、1分全力に近い走りをし、そのあと1分半ぐっとスピードを落とす。パルスは170台から150台へ。この落差をつけることが重要と、なにかの本で読んだことがある。これを5,6回繰り返す。たまには、こういう刺激も必要。

 今日の新聞は、昨日の鈴木宗男議員の証人喚問に関する記事で一杯。確かに、疑惑が多過ぎる。北方領土返還、ロシア外交などで日本の国益を損ねた疑惑が浮上したのが、今後極めて大きい意味を持ってくるだろう。そうなれば、外務省も同罪かもしれない。たった一人の議員に、ここまで外交を掻き回されていいのだろうかの批判は免れないだろう。  


2002.3.11

 少し早めに起きて、今日も8K。ややきつい走りであった。

 月曜日であるので、幹部会、庁議、そして定例の記者会見。

 今日は、鈴木宗男議員の証人喚問の日であった。庁議から記者会見までの間で、予定が空いた時間は、テレビの中継を見ていた。なんとかったるい質問か。質問の仕方が、その政党への批判になってしまうことを、質問者は認識していたのであろうか。この喚問の場で追い詰める必要はない。あとから事実との相違を追及すればいいのであって、「イエスかノーか」と問いながら、できるだけ多くの項目について質問だけすればいいのに・・・。そんな思いで見ていた。別に、どちらかを応援するということではなしに。

  それにしても、こういった劇場的な政治ショーに、国民全体が熱狂することは、いいことなのかどうなのか。本質を見誤ってはならない。格好の敵役を見つけたということで、面白がっているという場合ではないはずだ。そんな危惧も抱きながら、今日の動きを見ていた。


2002.3.10

 仙台ハーフマラソンの日であるが、この大会への参加資格はハーフ1時間35分以内である。どんなにがんばっても、それには10分届かないランナーは、仲間達とSMCで走るしかない。昨日長い距離を走ったこともあり、今日はゆっくりめに6K。

 県立保育専門学院の卒業式に出席。これが最後の卒業式である。今月末で、県立保母専門学校は53年の歴史に幕を閉じ、閉校となる。下級生のいない最後の入学生であり、最後の卒業生になった49人は、ほとんどが保育士として社会に出ていく。卒業式はどんなものであっても、感激してしまうが、今日の卒業式は格別である。「仰げば尊し」を歌っていたら、こちらも涙が出そうになった。

 ひょんなことから、「追悼集」と「誕生文集」を読んだ。「追悼集」というのは、私が厚生省の障害福祉課長を1年9ヶ月で辞めることになった時に、仲間達がそのことを悼んで書いてくれた文章を一冊にまとめたもの。同人誌方式で、書いた人が負担金を出して作った。「追悼ならお香典がつきものだろ」と言った覚えがある。

  人事異動があって49日目に「追悼式」を営み、その時にこの「追悼集」が披露された。「追悼式」のメインゲストは故人(私のこと)という楽しいパーティーであった。「仲間」というのは、私が障害福祉課長時代に一緒に戦った福祉の友人たちである。70人以上の方に書いていただいた。

 「誕生文集」は、私が宮城県知事になった直後に、これまた仲間が送ってくれた文章をまとめたもの。「誕生祝はつきものだろ」と誰かが言ってくれたものと思う。このときの仲間は120人ほど。障害福祉課長時代の仲間に加えて、社会局生活課長時代に知り合った婦人保護や生活協同組合関係の人達である。

 改めて読んだら、あの頃の熱気が戻ってきた。こうやって仕事をしていたのだなということを思い出した。血湧き肉躍る思いで、自分が国士になったような気持ちの高ぶり。そんな思いが胸に迫る。知事として、ああいった仕事のやりかたができないものだろうか。決して、思いのことだけを言っているのではない。みんなを巻き込んで、情熱を共有しつつの仕事ぶりであれば、その結果もついてくるような気がする。


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