宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記
2001.6.30

 昨晩寝るのがちょっと遅かったというだけで、今朝のジョギングを休む言い訳にしてしまった。天気良し、朝の出勤なしの好条件だったにもかかわらず、サボってしまったのを気にしてグズグズ言っていたら、妻に「たまには休めばいいのよ」とたしなめられた。ジョギング中毒というよりは、これもひとつの貧乏性のようなものだろう。義務とは思っていないのだが、こんなに走るのにいい条件を逃してモッタイナイというのが本音。これで2日連続の休み。
 仕事のほうは、土曜日でも完全休みにはならない。4月から秘書になった渋谷さんの言によれば、彼が秘書になって以来、知事の完全休日は一日もないのだそうだ。
 そんな仕事の一つが、ある金融機関の50周年記念式典での記念講演。県政のトピックについて、約1時間話した。項目にすると10項目以上。一つ一つは短時間で、広く浅く。こういう話し方も面白いものだ。自分にとっての頭の整理にはなる。
 夜は、珍しく連載エッセイの原稿書き。「珍しく」というのは、私が夜は原稿書いたりの仕事がらみはやらない「主義」なのにということ。原稿を書く合間に、NHK総合テレビのスペシャル「待ったなし日本経済・聖域なき改革を問う」を断続的に見た。緊急討論で、石原東京都知事、片山鳥取県知事、塩川財務大臣、竹中経済担当大臣、牛尾次朗氏など。我ら地方の代表片山知事が元気でわかりやすい。私としても、大いに参考になる発言であった。


2001.6.29

 朝は雷混じりの雨模様。7時半からの勉強会のある日なので、どちらにしても走る時間はない。ゆっくり寝ててもいいと安心していたせいか、6時40分まで寝過ごしてしまった。
 「ユーメー塾」という名前の勉強会は、もう3年以上続いているだろうか。5、6人の固定メンバーでお互い同士が順繰りに発表者になっている。今朝は、久しぶりにメンバー外の高橋四郎さんによる発表。元ソニーの幹部ということで、世界のソニーの経営戦略論をたっぷりうかがうことができた。
 そのあと、迫町の助役に派遣する職員への辞令交付、3月末まで私の下で政策調整官を務めてくれて、経済産業省に戻った井上宏司さんの資源エネルギー庁企画官就任のご挨拶と続いた。
 久しぶりに遠出をして、古川市にできた精神障害者の生活支援のための援護寮の視察にでかけた。4月に開所した時にも行っているのだけれど、その時はまだ入所者はいなかった。「また来るよ」と言っていたのだが、その約束が今回実現した。17人の入所者が待っていてくれて、その一人一人からお話を聞かせてもらった。「風呂場がせまい」、「仕事がしたいのにみつからない」、「カードの使える電話機、飲み物の自動販売機が欲しい」といった要望が出されたが、生活自体は結構満足しているとのこと。宮城県としては初めての試みであるので、こんな形で定着してくれるといい。福祉事業団に運営を委託しているが、彼らも誇りを持って一生懸命取り組んでくれているのがうれしくも頼もしい。
 ITに関するシンポジウムの発言者をこなしたりした後、夕方は、仙台スタジアムでのサッカーの応援にでかけた。地元ベガルタ仙台に対するは、目下、J2で首位を走る大宮アルディーノ。秘書課からなんと18人も応援に駆けつけた。総入場者は、11,096人。ナイターの照明に美しく映える芝生の上で、両チームの選手達が華麗に舞い、そして踊る。結果は、1対0のVゴール負け。残念ではあるが、試合は堪能した。逆境でも応援するのがサポーターの仁義である。見放さずに応援し続けたい。


2001.6.28

 議会答弁打ち合わせで、朝8時に県庁に行かなければならないので、早朝ジョグはほんの3K。梅雨の晴れ間の好天で、こんな日は走らなければ損といったようなもの。
 県議会の一般質問は今日が最終日。村田町の竹の内産業廃棄物処分場の問題で、伊勢県議の質問が、結構厳しい。傍聴席には、守る会のメンバーも来ていて、昼休みにはさらに追及を受けてしまった。行政への不信が相当のレベルである。硫化水素の被害を受けているという住民の切実感と、行政の受け止め方の温度差がある。ともかくも、県としては逃げない、隠さない、ごまかさないという姿勢でことに当たるということは、議会答弁でも、守る会の皆様にも申し上げているのだが、その程度のことでは氷解しないほどに不信感が募っているということだろう。大事な問題である。決して逃げないという心構えで臨むつもりだが、そうなると、このあと県職員と私がぶつかり合う場面はありそうである。
 ともかくも、21人を数えた一般質問が終わった。ほっとする間もなく、県警の文書の非開示処分に関する訴訟の仙台高裁判決が出た。県側敗訴。つまり、県警が懇親会の開催場所と、弁当の入手先に関する情報を非開示としたのはいけないという高裁の判断が示されたということ。さてさて、これに上告をするかどうか。2週間のタイムリミットの中で判断するということだ。
 そのあとは、成毛眞さんとのテレビ対談の収録である。1時間番組。打ち合わせなし、リハーサルなしで臨んだが、旧知の間柄ということもあり、極めてスムーズに対談は進んだ。冷房は収音の邪魔だといういことで、入らない。暑い暑いで成毛さんは汗だくでの収録であった。


2001.6.27

 昨日と同じコースを8K。そう言えば、夏至は過ぎたんだ。朝は4時前から明るい。私が走り出す6時過ぎはギンギンの真昼間という明るさ。2時間ぐらいのデイライト・セイヴィング(サマータイム)を採用しないと、この昼の光がもったいない。5時に仕事が終わって、それから4時間も明るい時間となったら、生活スタイルも変わるだろうなあ。
 走っている最中にうぐいすの声が聞こえる。6月も終わりにもなって、まだ恋人をつかまえることができなかったあわれな嘆き節というよりは、けっこう枯れた唄を歌っているという感じ。
 議会のほうは、今日で21人中17人まで一般質問が終わった。21キロのハーフマラソンのコースのうち、17キロ地点まで走った、あと4キロだ、ゴールは見えたなどと感じるのは、やはり私がランナーだからだろう。
 何人かの質問者がハンセン病問題について話題にしている。熊本地裁での国側敗訴、小泉首相の「控訴せず」を受けての話題である。そんな話題が出てくる前に読み始めた「火花」(高山文彦著)をやっと今日読み終えた。「北条民雄の生涯」という副題である。北条民雄は1914年生まれ。19歳のときにハンセン病を患い、東京の全生病院に入院。川端康成に見いだされ「いのちの初夜」がベストセラーとなり、一躍脚光を浴びるという経歴。著者の高山さんに会ったときに彼から直接いただいたのだが、休み休みでやっと本日読了。高山さんの筆力に脱帽。もっと早く読了していれば、答弁にも迫力が出たかもしれない。
 昨日の日記を読んだ妻に、議会でのやりとりもっと具体的に書かないとなんのことやらわからないわよと言われた。それを聞いて初めて、この「日記」は自分だけのものでなく、人に読ませるものであることに気が付いた。はい、これからは、少しは読者を意識した「日記」にします。


2001.6.26

 「いつもの」コース。8キロ。さして気温が高いわけでもないのに、走り終わった後は汗がポタポタ。これが真夏になると、「ボタボタ」になる。
 走る前に読んだ読売新聞の「論陣・論客」に、「小泉改革と地方」というタイトルで私が登場している。相手は鳥取県の片山善博知事。彼の現場主義、各論重視は説得力がある。また、都会と田舎とが相手の実相を見て理解し合い、悪い部分を直すことが改革に必要という論ももっともである。私のほうも「現場に事業を選ばせて」ということでいろいろ言っているが、聞き手の記者のまとめ方も上手なので、結構説得力がある。青山彰久さんだ。覚えておこう。
 県議会は、一般質問の3日目。今日で13人の質問者に答えたことになる。答弁者はほとんど私一人ということになるので、それなりに疲れる。答弁原稿を読んでいるだけだと、さすがに自分でもちょっといやになってくる。原稿を離れて自分の言葉で語り始めると興奮してきて、少し混乱してしまう。今日は、藤倉知格議員の教科書問題への答弁でそんな場面があった。(20:05)


2001.6.25

 夜来の雨。よって、ジョギングはなし。ふだんは5時45分までしか聴かない「生島ヒロシのおはよう一直線」を6時半まで聴く。ニュースは都議選での「自民党圧勝」。宮城県議会選挙では、全国版ニュースにならないんだけど・・・、という気持ちはまるでないが、これがきたるべき参議院議員選挙の予告編ということもあって、これだけの注目を集める。
 それにしても、小泉人気はすさまじい。これだから、「道路特定財源の見直し反対」というようなことを私が言うと、「お前は小泉改革の足を引っ張るのか」といったメールが入ったりすることになる。
 県議会の一般質問の二日目。よって、毎週月曜の定例記者会見はお休み。議会質問のある日は気分を高めるためにも、早朝ジョギングはやりたいのだが、この天気ではそうもいかん。(7:02)


2001.6.24

 6月24日(日)、朝6時半、サンデーマラソンクラブ。今日は50人ほどの参加。雨模様だが、なんとか降られないで済んだ。このぐらい涼しいと走りやすい。2年前まで私の秘書をしてくれていた菅原久吉さんと話しながらのランニング。
彼の現在の所属は廃棄物対策課。まさに現代的課題に直接関わる部署である。リサイクル、産業廃棄物処理施設の問題・・・。村田町の竹の内処理場の硫化水素流出の問題は、ともかくも住民の方々との間に不信感が生じないように誠心誠意あたらなければならない。そのためには、徹底した情報公開である。
いつものように6キロの周回コースを気持ちよく走って、散会。散会前に、会員の近江さんが、今年のみやぎ国体の開会式への参加者が少ないことを心配して、参加申込書を配ってくれた。本来なら、責任者の私が頼まなければならないことなのに、近江さんがやってくれて、まことにありがたい。



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