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シローの走り書き

走るクマ

四選出馬せずの弁

2005.8.22

 私の知事としての任期は、今年の11月20日までである。12年前に、思いもかけずに知事に就任した直後から、基本的には3期まででやめるということを心に描いて知事業を続けてきた。時、満ちたということである。以下は、21日の記者会見で発表した見解である。「走り書き」というものではないのだが、今回はこれをそのまま掲載することにしたい。

 私は、この10月に予定されている宮城県知事選挙には出馬しないことを決めましたので、ここに発表いたします。

 知事の任期は、4年と決まっております。私の3期目の知事としての任期は、この11月20日で終了します。これまで、「今は、県政における懸案の解決に全力を挙げるだけで、4期目に出馬するかどうかは、9月に決める。現在は、決めないということを決めている」と申し上げてきました。これは、言葉どおりの意味であり、何度も申し上げてきましたとおり、本音であります。そして、今、その時がやってきました。

 最終的に不出馬を決断したのは、この夏休み中です。もろもろのことを考え合わせ、一瞬のうちに決めました。誰にも相談はしていません。私一人での決断であります。9月に決めると申し上げてまいりましたが、知事選挙の10月23日投票という日程を考えますと、この時点で出処進退を明確にしておくのが適当であるという判断も働きました。

 知事としての3期12年は、長過ぎるとは申しませんが、十分に長い期間ではあります。12年前の「出直し知事選挙」で、思いもかけずに知事という職責を担うこととなり、3期12年間、私なりに精一杯やってまいりました。12年前、誇りを失いかけていた宮城県民の誇りを取り戻し、組織として壁にぶつかっていた宮城県庁の改革にも、一定の方向性を与えることができたと自負しております。改革の方向は、後戻りすることはないところまで到達したと確信しています。

 なによりも、権力は期限つきであるべきだという気持ちが、強く私を突き動かしました。繰り返しますが、3期12年は長過ぎることはないにしても、十分に長い期間です。これだけ長く知事を務めれば、どうしても守りに入ってしまいます。攻めの気持ちをどうやって奮い立たせればいいのか、私にとってはむずかしいことではあると感じる瞬間もありました。私としては、十分に務め上げたという想いがあります。後のことは、新しい知事に託したいと思います。私自身の職業生活の締めくくりを、知事業とは別な領域でやり遂げたいという気持ちがありますが、それも遅過ぎない時期を選ばなければならないと思っております。

 今日のこの機会は、10月の知事選挙には出馬しないということを表明するためのものです。過去を振り返るのは、11月21日以降のことであって、この場面にはふさわしくないと思います。これから約3ヶ月、知事としての任期が残されています。任期の最後の日まで、これまでどおり、全力を挙げて残された懸案の解決に尽力することしか考えていません。皆様のこれまでどおりのご理解とご支援を心からお願いいたします。

 以上をもって、私の見解の発表とさせていただきます。



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