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讀賣新聞 夕刊 2008.6.19
浅野史郎の《夢ふれあい》 第6回

独居障害者 深夜もケア

 千葉県浦安市の社会福祉法人「パーソナル・アシスタンス・とも」は、高齢者 や障害児者とその家族、子育て中の母親などを、24時間365日支援する。提供 するサービスは、日帰り介護から外出の付き添いまで幅広いが、中でも頼りにさ れているのが、夜間を含む24時間の訪問介護である。

 浦安市議の宝新さん(34)はこの春、「とも」で介助員として待機した。。深夜1時、コールセ ンターから連絡が入った。女性介助員と急行する。行き先は、身体に 重度障害がある女性利用者Hさん(75)宅。日中、「とも」の介護を受けている が、容態が急に悪くなった。

 アパートで一人暮らしの男性Tさん(53)宅には、午後10時、午前2時、6時 の3回、介助員が派遣される。重い障害のために寝返りが打てず、体位交換が必 要だからだ。

 随時介護と定期介護。どちらも深夜の介護である。同性介護が基本で、午後10 時から翌朝6時まで、男女2名ずつ、計4名の配置が必要となる。

 だが、深夜勤務の過酷さ、その一方での賃金の低さもあり、介助員のなり手が いない。介助員が確保できなければ、重い障害を持ち、家族のいない人たちの在 宅生活は成り立たない。

 西田良枝代表(48)は、他の事業者が人手不足などで深夜の介護から撤退する現実を見過ごすことができなかった。同様の危機感を抱いた宝さんら何人かの市 議と市に働きかけた結果、今年4月、「夜間安心訪問ヘルプ事業」が始まった。

 新制度では、深夜、随時訪問介護に当たるヘルパーの人件費は市の負担、定時 訪問介護の人件費には市の補助が出る。新制度開始の5日前、「とも」が事業委 託を受けたが、事実上、他に引き受け手はなかったという。

 宝さんは、昨年4月に初当選する前、「とも」の職員だったことがあり、今回 は新制度の開始直後の助っ人として働いた。「言い出しっぺとして、大変な 時期に、やらないわけにはいかない」と、眠い目をこすりながら笑った。


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