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讀賣新聞 夕刊 2009.2.19
浅野史郎の《夢ふれあい》 第22回

認知度・支援 足りない

 知的発達障害者のスポーツの祭典であるスペシャルオリンピックスの冬季世界大会が、2月7日から13日まで、米アイダホ州ボイジ市で開催された。4年前の長野での世界大会の開催で、認知度は日本でも格段に高まったが、世界から見れば、まだまだの感がある。

 アイダホ大会には、100を越える国・地域から約2500人のアスリートが参加。日本から61人のアスリートが参加した。日本勢の金メダル第一号は、スノーボード大回転の橋本壮史選手(21)だった。

  その第一報が、TBSテレビの「みのもんたの朝ズバ!」で取り上げられた。有森裕子・スペシャルオリンピックス日本理事長と橋本選手が喜ぶ写真入りのスポーツ新聞の記事である。番組には、たまたま、私がコメンテーターとして出演していた。

 スペシャルオリンピックスで特徴的なのは、予選を行い、出場者を上級者、中級者、初級者ごとに、1グループ最大8人の規模でグループ分けすることである。

  五輪のルールでは、初級者レベルだと優勝は難しいが、スペシャルオリンピックスでは、グループごとに金メダル、銀メダルが決まる。他者に勝つことを目的にする五輪とは違い、「昨日の自分に勝つのが目的である」と言われるのは、このためである。

 「スペシャルオリンピックス」と複数形が使われているのは、大会一回限りではなく、普段の練習や週末ごとの地区大会といった日常活動が重要だからである。

  その活動を支えるボランティアの存在も大きい。世界180カ国・地域のアスリート280万人を70万人のボランティアが支えている。こんなに大きな活動であるのに、日本ではパラリンピックの認知度にはるかに及ばないのが残念でならない。

 スポーツや発達障害に関心のある人に限らず、ボランティアをするには格好の活動である。アイダホ大会を機に支援の輪が広がってくれればと、心から願っている。


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